縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

感慨無量・・・ツタンカーメン王のエンドウ豆と猫ブローチ

2017年06月26日 07時38分54秒 | ぬなかわヒスイ工房

知人から貰ったツタンカーメン王の墓から出土したとされるエンドウ豆の子孫、収穫できたのでフェイスブックでお譲りしますと投稿したら、えらい騒ぎ。

本来なら赤いエンドウ豆になるはずが、緑っぽいのは雑交配のためか土壌の違いかな?

 

来が本当なら三千年前の縄文時代晩期と同時期のエンドウ豆。

クレオパトラが食ったエンドウ豆と親戚かも知れない(笑)

これまで何人の手で栽培されてきたのか?

悠久の流れに想いを馳せると感慨無量である。

縄文のストーンサークル前で三千年前のエンドウ豆が育つ図・・・感慨無量!

 

さて、今朝、フェイスブックをチェックしたら、2年前の今日、投稿した「猫ブローチ顛末記」が「2年前に投稿しています」と出てきた。

面白半分に作ったブローチだが、目に漆を塗るという異常なほど手間暇をかけた想いでのアクセサリー。

当時は安物のコンデジ撮影だったので、発色も奥行きもイマイチで、何度も撮影しなおしていた・・・感慨無量!

左から薬石・ラベンダーヒスイ・蛇紋岩製。

歩くと猫が揺れて、鈴もチロチロと鳴るのだぞ・・・作った本人がカワイイ!っと思ってしまう(笑)

 

手間暇がかかってもちっちゃいから幾らで売っていいか解らず、同業者に見せたら中央のラベンダーヒスイだけで1万円で売れるとの事。

製作時間だけ考えれば3万円は欲しいのだが、売れないだろうという事で非売品になってフリマの看板にしている。

1万円なら買うけどというお客さんが多く、値ごろ感はそんなものだろう。

趣味のアマチュアならいざ知らず、プロの仕事だからなあ・・・反省した。

感慨無量の作品(笑)

 

 

 


均一性を求められても・・・通販会社からの依頼

2017年06月24日 08時06分39秒 | ぬなかわヒスイ工房

有名なカタログ通販会社から、ぬなかわヒスイ工房の石笛を売らないか?と問合せがあったのが春の頃。

一部では評価されていても、宣伝広告費ゼロの零細工房だから名前が世に出る絶好の機会到来?

色めき立ったが、ぬなかわヒスイ工房の作品は、石の個性を引き出す事を旨としているのでひとつとして同じものはない。

石笛仙人こと守山鷲声さんと共同開発したKODAMA石笛の2017年版。最低音や息の吹き終わりの時に音が掠れない工夫をしてあり、レスポンスが格段に向上したとの鷲声さんからの評価。

 

量産できないし、模様や姿、石笛の特性も全部違うので、たった1枚の写真で詳細データも載せられないカタログ商法では無理だろうと、電話でやんわりとお断りしたら、今月になって直接話しがしたいと、わざわざ糸魚川まで訪ねて来てくれた。

熱心に説明してくれたが、概ね同じ模様と形であればバラつきがあっても同じ値段で売れる、との事。

 

一般的には石の表面に直角に孔を開けてある石笛が多い中、天然石笛と同じ斜めの孔を開けてあるのがミソ。

石を観て、どこにどんな孔を開けるのかと判断して忠実に開けるのが技術の要です!

 

同じ原石から造っても、発色の強さ、模様が違ったりするし、密度が違ったりもするので石笛の音色も変わってしまうのに、同じ値段で売っていいのか・・・。

工業製品とは真逆の作風だからこそ、一部だけとはいえ評価されて、なんとか食えているのだけど・・・。

担当者の熱心さに心が動いたが、彼らが帰った後からフツフツとなんか違うと思えてきた。

神事に使う祭器が石笛の本来で、量産しては価値が無くなってしまう。

そして私がモノ造りの師匠として仰ぎ見ているのが、樂茶碗の長次郎、不世出の大工道具鍛冶と謳われた千代鶴是秀。

値段が付けられない一品ものを産み出した偉大な人々。

このカタチになって石が喜んでいるように見えるか?大事な事。

 

やっぱ無理。

お断りすることにした。

貧乏のままでもいいから、納得のいく仕事を細々と、そして誰に見せても文句が付けられないモノ造りを続けていきますわ。

 

 


アイデア次第で使えそう・・・アクセサリー展示ケース

2017年06月23日 06時34分12秒 | ぬなかわヒスイ工房

山梨の「甲州屋」という宝飾加工の資材屋さんが、糸魚川に石拾いに来たついでにぬなかわヒスイ工房に立ち寄り、新商品の展示ケースをサンプルに置いていってくれた。

展示したアクセサリーの裏表を見ることも、ライトで透光させてみる事もできるので、ミネラルショウなどで流行っているそう。

プラスチックの枠にパンパンに張った伸縮性の透明フィルムでアクセサリーを挟み込む方式の展示ケース。

超小型勾玉を挟んでみた。フリマの展示で活躍しそう。

枠の開閉は簡単にできる。サイズ各種あり、普通サイズの勾玉も展示できるとの事。小型は市況価格で600円ほどらしい。

 

問題は耐久性だが、縄文土器の欠片や外国旅行で余ったコイン、旅先で拾った記念の石なんか飾ってもいいですな。

例えば抜けた歯、臍の緒なんかも(笑)


石友・・・出雲石がやってきた

2017年06月18日 21時32分39秒 | ぬなかわヒスイ工房

仔細あって出雲石、瑪瑙、水晶の原石を探している。

まだ確定していないので詳細は公表はできないが、某所から歴史遺産のレプリカ作りを打診されていて、その実物は大量の出雲石、瑪瑙、水晶、そしてヒスイが使われている豪勢な装飾品なのだ。

石友が送ってきた出雲石(青碧玉)

 

ヒスイは専門だから問題ないが、出雲石、瑪瑙、水晶は国産品が枯渇しており、現在は外国産が流通しているらしい。

フェイスブックで繋がっている石好きの仲間に問合せたら、一人が本物の出雲石原石を持っており、譲ってくれた。

会った事もない人なのだけど、高価な出雲石を送ってくれるとは痛み入る。

実物の出雲石を手にするのは初めて・・・滑らかな別嬪さんだ。

 

別の人は自分で青碧玉、要するに出雲石と同じ緑色のメノウを、心当たりの場所に探しに行ってくれた。

有難い・・・。

近年、50年ぶりに出雲石を2トンだけ採掘したそうで、その時のオコボレか?

 

この仕事、是非ともやってみたい。

実現したら一世一代の大仕事。

完成の暁には、多くの人に観てもらいたいし、触ってもらいたい。

石友の親切に報いたい。

今夜は譲ってもらった出雲石を神棚に祀り、ぬなかわ姫様に祈るとする。

普段は神頼みしない人間だけど、ぬなかわ族の祖先の誉れのために、石友のために。

 

 


石の意志・・・ヒスイにもなりたいカタチがある?

2017年06月13日 07時05分23秒 | ぬなかわヒスイ工房

超小型勾玉の片耳ピアスの注文を機会に、まとめて作った。

普通の勾玉をそのままスケールダウンしてしまうとバランスが悪いので、可愛らしくデフォルメして作るのだけど、シマシマのヒスイだけがより丸っこい勾玉になってしまった。

直径2㎜もない目(紐孔)の縁や中まで研磨しているので、よく同業者から「どうやって作ってる!?」と聞かれるのが嬉しい(笑)

シマシマのヒスイをもっとスマートな勾玉にしたい、という想像すら湧かなかったのが不思議。

こんな時、石にも「こんなモノになりたい!」という意志があるように感じてしまう。

 

他のヒスイはこんな感じのややスマートな勾玉ピアスになったが・・・。

シマシマヒスイは丸っこい勾玉ピアスになってしまった。

 

石の意志に反して作りたいモノを強引に作るとロクなことがないから、床屋さんが「旦那、こんな感じでいかがですか?」ってな感じになる。

主役はあなた、私は召使・・・私のモノ造りは基本的に受け身なので、自分の想像していなかったモノができてしまう。

だから面白い!


上越市の友人たちが熱い

2017年06月12日 07時39分03秒 | 田舎暮らし

糸魚川のお隣、上越市の友人たちが熱い。

ロケットストーブ普及活動をしている宮澤君が、仲間たちと空家を借りて「空家ベース」というサロンのようなものを作った。

イベントやライブ会場として市民に開放する他、空き部屋を工房や事務所として貸すのだそう。

 

今後は雑貨屋やカフェも運営するとの事で、私も雑貨ブースに「ぬなかわヒスイ工房」で作っている火打石セットを置かせてもらう事になった。

 

その仲間の一人、30歳を前に勤め人から八百屋を独立起業したモグラ君(本名が土田竜吾だから略すと土竜になる)は、市民活動を切っ掛けに某野党の国会議員にスカウトされて、いつの間にか議員秘書になっていて驚いた。

B型だろ?と聞いたら図星だった(笑)

満面の笑みを浮かべるモグラ君は、空家ベースのこけら落とし当日に街頭演説をしていた。

仕える国会議員がNHK出演のため、メーッセージの代読していたが堂々としていたぞ。

 

中越地方では、原原人夫婦が「ガイア」というカフェを作って、ここもイベントやライブ活動を積極的にやっている。

みんな頑張っている。

追っかけるのが大変(笑)


勾玉名人のヒスイショップ開店・・・青海ひすい工房

2017年06月11日 08時40分41秒 | ぬなかわヒスイ工房

糸魚川のランドマーク黒姫山の麓、青海区在住のヒスイ職人さん「青海ひすい工房」の西谷さんが、自宅前に展示販売の店をセルフビルドした。

プレハブに玄関をセルフビルドで増設した青海ひすい工房さんの展示販売店。

 

西谷さんは同業者から「糸魚川で一番の勾玉名人」と称賛されるヒスイ加工の大先輩。

巨匠と評価されている西谷さんは、今でも常に技術的工夫を続け、技の研鑽を重ねる姿勢は、私の師匠分とも言える存在。

 

フェイスブックなどで「糸魚川ヒスイの勾玉をゲット!」なんて首都圏の人の投稿を見ると、たいていは西谷さんの勾玉だったりする。

写真を見るだけで形状と、なにより深みのある研磨で西谷勾玉と分かってしまう位に独特の存在感・・・。

高級品から買い求めやすい価格設定の品々が々並んでいた。

 

数年前からはシルバー加工にも取り組み、今やヒスイと銀を使った指輪やネックレスも洗練されたデザインに進化している。

いいヒスイを使っている。

その飽くなき向上心は学ぶところが多く、私も大いに刺激になる。

 

興味のある方、土日祝日のみ開店しているそうなので、下記URLにアクセスしてみてください。

青海ひすい工房 http://www.hisui-west.com/

 

 


造化・・・勾玉作りの難しさ

2017年06月08日 07時10分33秒 | ぬなかわヒスイ工房

ヒスイをパワーストーン扱いしたくない。

石笛や勾玉をスピリチュアルグッズやヒーリンググッズ扱いしたくもない。

縄文以来、数千年に渡り尊しとされてきたヒスイの歴史的存在の意味と、ヒトに興味を持っているからだ。

ヒスイがパワーストーンだと言うのであれば、何故、縄文人たちはヒスイ原石そのものを大事にせず、困難な加工をして大珠や勾玉を作ったのか?

天然自然が尊いのであれば、なぜ野に身を置かずして建物の中にヒトは花を活け、枯山水庭園を造るのか?

それは物質からモノを産み出したいというヒトの飽くなき欲求だと思う。

松尾芭蕉は、俳諧を造化と呼んだそうだ。

出来事をそのまま書いたり、描いたりするのではなく、ワタシを介在して新たに描く行為・・・。

 

ならば私は物質たるヒスイから、モノを産み出したいと思う。

ところがそれは生易しい行為ではなく、勾玉を作るたびに難しさを実感して苦悶している。

曲面だけで構成された勾玉、流れるような滑らかな曲線を完璧に造り得た時、ヒスイは物質からモノに産まれ変わってくれるのだが・・・。

 

 


石笛仙人の超絶演奏テクニック・・・石笛動画

2017年06月04日 00時52分44秒 | ぬなかわヒスイ工房

京都で石笛仙人こと、守山鷲声さんと撮影した石笛演奏動画の編集に追われている。

2時間分もの動画の、どこを切り取るか?

同じ動画を何度も見直し、メモを取りながら台本を作ってからユーチューブにアップして編集していくという大変面倒で地道な作業。

動画撮影に使用した石笛の一つ銘「天磐船」。守山鷲声さんが吹くと別物に生まれ変わった。

「天磐船」は斜孔タイプの石笛。石笛の精度と姿が格段に向上したと驚いておられたが、名人上手の吹き手あっての事ですわ。

 

「よしっ、ここでカッ~ト!」「字幕がなんで入らんのだ!」と、気分は黒沢明である。

撮影は台本もリハーサル無しでいきなり撮影して、初めて手にする石笛をどう吹くのか?というリアルドキュメンタリー撮影だったのだが、鷲声さんはいきなりベストの音を出し、乱れた音を出すこともなく即興演奏していく・・・凄い人である。

縄文石笛の「鷲声モデル」の演奏では、空前絶後の新技法を披露してくれた。

ご神事用石笛「珠玉」の演奏も凄かった。

何時までも吹いていたい!と絶賛されたのが、金華石石笛。欲しそうだった(笑)

 

撮影時もそうだったが、改めて動画を観ていても、その超絶技法に鳥肌が立つ。

独自に編み出した即興演奏法の紹介動画などは、石笛界にとって非常な財産になるだろう。

最長24秒の長音を、乱れることなく見事に吹き切る場面は圧巻。

興味ある方は、ユーチューブで「石笛仙人の石笛動画シリーズ」と検索してください。

 

 


梅雨入り前の嵐・・・五千年前の海のヒスイロードを偲ぶ。

2017年06月02日 08時36分47秒 | 日本海縄文カヌープロジェクト

昨夜来から梅雨入り前の暴風雨。

3年前の今頃は、海のヒスイロード検証実験航海で、青森を目指して単独シーカヤックを漕いでいた。

出航は天気晴朗なれど波高しという海況だったが、出航2日目に暴風雨で6日間の停滞。

 

出航は5月前半で、新潟県内は西風が吹くと時化模様になり、そのまま暴風雨に成長というパターンが多く苦労した海域。

人家まで歩いて30分以上かかる、遮るものの何もない海岸に限って、暴風雨に遭遇してしまうのは何故?(笑)

大河津分水河口にて。無人の海岸で5日前後の停滞キャンプを四回経験した。

度重なる暴風雨で、新潟市目前でついにテントが破れ、ポールも折れた。愛艇の赤い旗が真横になびいていることに注目して欲しい。

暴風雨でテントが飛ばされないように、重石になる漂着物を拾ってはテントの杭の上に置いた。

やむなく廃屋で野宿した事も、今となっては懐かしい思い出。

 

新潟県内だけで1か月もかかるような航海では、先がどうなる事かと心配になった。

ところが新潟県最北の村上市から東北は晴天、無風という有難い海況が続き、航海は順調。

東北の梅雨の海は穏やかなのだ。

五千年前に青森の三内丸山遺跡までヒスイを運んだ海のヒスイロードの航海者たちは、梅雨時期に航海していたのではないかと思っている。