縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

やっぱり「やっしょい!」抜きには語れない「海のヒスイ・ロード」航海記

2016年06月25日 13時59分52秒 | 日本海縄文カヌープロジェクト

6月16日に社会教育委員会主催で今年三回目の文化講演会。

会場はなんと駅前の「ヒスイ王国館」!・・・エラクなったもんだ(笑)

講演会の時は必ず最初に使う写真。「海のヒスイ・ロード」実験航海の時に、秋田県由利本荘で遭遇した砂嵐に、たった二時間で愛艇が砂に埋もれてしまった時の状況。

 

演題は毎度の事ながら「海のヒスイ・ロード実験航海記」だけども、前回の文化協会主催の講演会の時はマイクが無かったので耳の遠いお年寄りは聞こえないという事態が起こった。

この時の聴衆に社会教育委員会の人がいて、是非とも我が社会教育委員会でも講演を依頼したいという流れだったので、その点は改善されていた。

しかもペットボトルの水、コーヒー、お絞り付きという至れり尽くせりの陣容!

これほどまでに「先生扱い」された文化講演会は初めて・・・期待外れにならなきゃいいが、と苦笑いした。

何より今回の聴衆は一般公募の人ではなく、社会教育委員会の研修参加者だけなので、最前列で居眠りするようなジサマもおらず、講演内容の反応が良いので助かった。

開口一発

「え~、私は考古学者じゃありませんのでぇ、ここはひとつ縄文漫談と言う事でお気楽に聞いていただけたら幸いです。」(ドッ)

「あと一時間の辛抱で皆さんはこの部屋から解放される予定です。」(ドドッ)

「もし退屈で寝ていたいという方はどうぞ寝て頂いて結構ですので、ひとつお静かにお休み下さいませ。」(ドカ~ン)

因みに括弧内のド、ドドッ、ドカ~ンは聴衆の笑い声。

この辺りのクスグリと枕の振り具合は、好きな噺家の滝川鯉昇師匠の影響だ。

私の寄席通いは伊達じゃないのだよ。

 

これで掴みは成功したので、後はその場の雰囲気で盛り上げるべき部分は強調して、退屈そうな部分ははしょるのでR!

仕込みの処ではキッチリと笑いが起きて、辛い体験の場面では労わりオーラが会場に漂ってきたので非常に話しやすかった。

何時しか話す人、聴く人の境目が溶け合って、渾然一体とした雰囲気に・・・こうなるとアドリブ連発!

友人のペンションクルーの若旦那である岩崎智さん撮影のけんか祭りの写真。祭り参加者の私はけんか祭りの最中は写真を撮影する事ができないので、多くの人が祭り写真を送ってくれるのだけど、躍動感溢れるこの写真がお気に入りで、講演の度に使わせて頂いている。

 

二年も前の話しなのに、東北で山瀬に吹かれて遭難しかけた体験談の辺りから、あの時の事が臨場感を伴って思い浮かんできて、感情をコントロールできなくなってきた。

遭難の危機に直面した時、私は何時も「けんか祭り」の掛け声「やっしょい!やっしょい!」で自分を奮い立たせていたのだけど、「海のヒスイ・ロード」実験航海記を語る時には「やっしょい!」抜きには語れず、毎回その場面に来ると感極まってくる。

ところが今回の講演会では何時もより感情移入が強かった。

一度、やっしょいモードに入ってしまうと後は野となれ山となれで、本人もどうなるか分からないのである。

もうワシ、なんにも知らんけんね、てなもんだ。

聴衆の反応の良さの影響もあるだろう、竜飛岬越えの体験を語る時についに絶句した・・・。

同じく岩崎さんの写真。押上区の手引きが渾身の力を振り絞って神輿を引いて走る場面。もちろん「やっしょい!やっしょい!」と声を出している。この掛け声を出していると、不思議と力が湧いてくる。

 

講演の途中で数度の絶句・・・こんな体験は初めてだったが、なんとか時間内にオチを付けて無事終了。

講演の後に何人から「面白かったです!」と挨拶されたので、独りよがりで自己完結した訳ではないと安心・・・。

亡くなった落語家の立川談志師匠が、「お客が何人集まったのかが問題じゃねえ。良い聴き手がどれだけ集まったのかが大事なんだ。」と、弟子に言っていたそうだが、名言だと実感。

聴衆がいいと演者はワタシという個を越えて、聴衆と共に作り出す場で自在に生きる。

社会教育委員会の皆様、ご静聴頂き感謝感激です。

 

 

 

 

 

 

 

 

時の


ティオマン島の漂流物オブジェがイカス!・・・ビーチコーミングの勧め

2016年06月22日 20時39分59秒 | 旅先にて

ティオマン島の食堂を飾る漂流物オブジェがイカス。

海岸で拾った珊瑚の欠片、貝殻、流木、ビーチグラスなどをテグスで結んであるだけど、夕焼け時に観ると涼しげで非常に綺麗。

割れたプラスチック浮き球だって、アイデア次第で観る人をホッコリさせる癒し系オブジェになり得るのだ。

こんな面白いアイデアディスプレイを見ると、子供の頃を思い出す。

子供にとって、そして童心を持つ大人にとっても海岸の漂流物はお宝だ。

保育園児の時は、そんなお宝漂流物を家に持ち帰っておもちゃ箱に溜めておいた。

何時しか茶の間に磯の香りが漂ってくるまでになって、お袋に諭されて海に還しに行ったっけ。

骨壺を見つけた事だってあるのだよ(笑)

漂流物がどこから流れてきたのか?

どれだけかかって流れ付いたのか?

どんなものなのか?

物言わぬ漂流物でも、心を寄せてあげれば実に多弁だ。

嵐の次の日は、早起きして海岸を歩こう!

糸魚川市の場合はヒスイが拾える確率が高くなる事は無論だけど、椰子の実だって拾えない事は無いのだよ。

 


おおらかな処がいい・・・東南アジアのムスリム女性

2016年06月19日 07時30分20秒 | 旅先にて

イスラム教徒の女性は基本的に親族以外に顔と手以外を露出してはいけないという戒律があるが、東南アジアはその戒律が比較的緩やか。

マレーシアのムスリム女性の場合は、頭にヒジャブというスカーフを被り、暑いのにピッタリした長袖タイツの上からTシャツ等を着ているのが一般的だが、日本人と変わらない普通の服装の女性も結構多い。

ティオマン島で目撃したイスラム教徒のスノーケリングスタイルが面白い。右端二人目の女性がヒジャブをしている。

 

ヒジャブしたまま全身を覆い隠す黒いタイツ姿・ヒジャブの代わりにバンダナ・頭部は何も無しで半袖や七分丈のパンツ姿等々。

流石に水着だけという女性はいなかったが、この画一的ではない各人各様なスタイルこそが東南アジアらしさ。

おおらかでいいじゃないか。


「海のヒスイ・ロード」航海記が漫画化!

2016年06月16日 08時07分43秒 | 日本海縄文カヌープロジェクト

某会員限定の機関誌に寄稿した「海のヒスイ・ロード」論文。

絵心のある整体の大先輩が非常に感銘を受けたとの事で、縄文魂に火が付いてしまったようだ。

構想をイメージした絵コンテ・・・実物の絵コンテなんて初めて観ました!

 

これまでにもご自身の手による「海のヒスイ・ロード」をテーマにした水墨画などを頂いていたが、なんと漫画化プロジェクトを進めておられるという畏れ多い事態に発展してきた。

構想を書いた手紙と共に絵コンテなどが贈られてきたのだ。

ストーリーは奇想天外な冒険譚になりそうだが、下書きなしの水墨画なのでどれだけ手間暇がかかるのだろう?

わしら夫婦の写真を送って欲しいという求めに応じた写真。けんか祭り直後に婚姻届を出した時の写真で、わざわざ東京からお祝いに来てくれた芝浦工業大学の橘教授が撮影してくれたもの。橘先生とは20年近いお付き合い。知り合った頃の橘先生も独身でしたなぁ。

写真を元に描かれた水墨画化・・・凄すぎる!

 

普通の漫画形式どかろか、絵巻物にする構想もお持ちだとか!

早く読みたいけど、かかる手間暇を考えると物凄い大作。

お金はないけど豊か也、我が人生!

 


イスラムのタビーズと中国の古銭・・・文明の交差点

2016年06月15日 21時23分25秒 | 旅先にて

ティオマン島行きのフェリーは、首都クアラルンプールからバスでマレーシアを東に横断する形で7時間行ったメルシンという港町から出ている。

メルシンからティオマン島まで3時間程度だ。

折しも隣国シンガポールの学校休みと言う事もあって、メルシンのフェリー乗り場はシンガポール人観光客でごった返していた。

「ブルーヘブンズダイバーズ」のアキさんによれば、シンガポールからメルシンまでバスで3時間程度なので、シンガポール人にとって島ティオマンは最も身近なリゾート地であるらしい。

華僑の女の子がしていた中国銭とタビーズ。民俗資料としてタビーズだけの撮影を頼んだ積もりが満面の笑みでピースしてくれた。

ゴメンね、おぢさんは胸元のタビーズにしか興味が無いのだよ(笑)

タビーズに施された線刻模様も中華風に観えなくはない。

 

以前のティオマン行きフェリーは屋上デッキに登れたので展望が良かったのだけど、少し前に転落事故があったそうで、乗船客は冷房のきついキャビンにじっとしていなくてはいけなくなっていた。

船内は我々のような外国人バックパッカーは少数で、シンガポール人が大部分。

肌の浅黒いマレー系の人々は比較的静かなのだけど、困った事に華僑系の人々は声が大きく騒々しいのだ。

華僑の女の子が奇声をあげて走り回っていても、親は注意しなかった。

強すぎる冷房と騒々しさを避けて、船尾デッキにある6人程度が座れる屋外喫煙所に退避した。

ティオマン到着まであと1時間という頃、我が憩いの喫煙所に船内で走り回っていた華僑の女の子がやってきた。

あっち行け、シッシッ!と心の中でつぶやいたのだけど、間近で見た女の子の胸元にタビーズが飾られている事に興味を持った。

タビーズとは、インド以西のモスリムやヒンドウー教徒のお守りで、銀製カプセルの中に経文やグル(宗教的指導者)から授かった縁起物や魔除けなどが封じ込められたペンダントである。

してみるとモスリムの華僑?

それとも仏教か道教が宗派なのだけど、お守りとしてタビーズを用いているのか?

面白いのはタビーズと中国の古銭が組み合わされて事。

東南アジアでは中国の孔開き古銭は福を呼ぶ縁起物で、このコラボレーションは東南アジアならでは。

彼女のタビーズは、彼女一家の歴史や東南アジアの歴史を物語っている。

マレー半島は文化の交差点なのだ。

 

 


心はまだティオマン島に・・・二十日間マレーシアの旅から帰国

2016年06月11日 14時40分34秒 | 旅先にて

あっという間の二十日間の旅を終えて帰国。

今回はクアラルンプールと東海岸に浮かぶティオマン島だけの滞在だったが、ティオマンだけで十三日間滞在した。

遊興施設も観光名所もないティオマン島の魅力は、島の何所を潜っても珊瑚に囲まれているという絶好のダイビングスポットである事は無論だけども、タイのピピ島などと違い中途半端なまま止まっているやる気の無いリゾート開発加減にある。

コテージ近くの泉に写った椰子の木。同じアングルで何回も撮影したのだけど時間によって水面の写り具合が全然違うので面白いのだ。

 

十四年前に訪れてからというもの、ティオマンのノンビリした雰囲気と珊瑚の海が脳裏から離れなかったが、今回はバックパック旅行と海遊び初心者の新妻に是非ともティオマン体験をさせたかった…と言う事で新婚旅行である。

懐かしい、本当に懐かしい再訪。

前回は島で唯一の日本人ダイビングショップオーナーの「ブルーヘブンダイバーズ」のアキさんとも再会できた。

http://www.blueheavendivers.com/ja/home-blue-heaven-divers/

 

十四年前はお互いに独身だったが、現在のアキさんはお客さんだったアイコさんと結婚して二人でダイビングショップを切り回していた。

驚くべきは、アキさんが私の事を正確に覚えていてくれて、当時泊まっていたコテージまで覚えていてくれた事。

中卒で寿司職人となった元プロボクサーという異色の経歴を持つ人で、苦労人なのだろう。

 

朝起きたら散歩、コーヒーを飲んだらコテージ前の海でひと潜り。

ビーチエントリーの素潜りだけでも充分楽しく、豊富な珊瑚と魚と戯れる事ができる。

ディズニーアニメ「ファイディング・ニモ」で有名になったカクレクマノミは普通にいるし、運が良いとウミガメ(タイマイ)やエイ、サメだって観られる。

泳ぎ疲れたらコテージや茶店で飲み物を飲んで体を温め、ハンモックで休みつつ読書。

数日に一度はアキさんのダイビングボートに便乗してのアイランドトリップ。

その繰り返しで一日で平均四時間も海に潜っていた。

 

夜明け前のフェリーで島を離れる時、滞在していたABCビレッジの桟橋が視界から消えていく時は胸が一杯になった。

この積乱雲の中にティオマンのシンボル「ツインピークス」が隠れている。言わずとも知れたハリウッドのミュージカル映画「南太平洋」のロケ地である。

朝日が昇る頃、積乱雲に隠れたティオマン島・・・夜が完全に明けるとその積乱雲さえも水平線に溶けて見えなくなっていった。

まだ心はティオマンに置いてきたままだ。

 

 


椰子の実ひとつ・・・ティオマン島の朝

2016年06月02日 20時46分18秒 | 旅先にて

ティオマン島の朝は海辺の散歩から始まる。

 

波打ち際に椰子の実ひとつ。 

朝の海辺には椰子の実がよく似合う。

引き潮で沖合に出て、黒潮経由対馬海流に乗り、いつか糸魚川の浜で再会できるかもな!達者で!と心の中で激励するのだけど、翌朝も同じ場所に転がっていたりする。

やっ、昨日も二つあったぢゃないの!

引き潮で沖に出ても、上げ潮で戻ってくるのだ。

ティオマンの人々と同じく、万事にノンビリした所がティオマンらしくて堪らなくいい。