ディジュリドゥ演奏家、そして石笛演奏家として内外で活躍し、映画「ガイアシンフォニー第6番」に出演したKnob(ノブ)さんから、天然の石笛のように吹き孔の底を丸めた石笛を作ってもらえないかと相談された。
糸魚川訪問時に姫川で石拾いした時のKnobさん。稚児ケ池でヌナカワ姫の慰霊の演奏もしてくれた。
天然の石笛の吹き孔は、削孔貝などが巣穴に掘った孔などの場合は底に丸みのある試験管状の孔だ。
対して人工石笛の場合はコアドリルで穿孔するので孔の底は角のある円柱状。
Knobさんからの相談で吹き孔の底が丸い石笛を試作・・・甲府の師匠から頂いた虎目石(タイガーズアイ)です。
孔の底が丸くなったが、微妙な段差があるのが気になるのです。
多くの市販品は孔を開けただけなので、孔の底にはコアドリルの痕跡であるヘソが残ったままだし、条痕も残ったままだ。
それでは天然の石笛のような円やかな音が出るハズはなく、ギザギザと角張った音色しかでないのですよ。
せっかく人手をかけるのに、天然モノに劣る石笛を作るのはいかがなものか?
ぬなかわヒスイ工房では、底に残ったヘソを平らに研磨するし、条痕も徹底的に研磨する。
在る自然からヒトが産み出す自然、これぞ造化なのでR!という考え方なのですね。
以前からやってみたかった課題ではあるものの、吹き孔の底を丸めた石笛となると作るのは難しく、どうやったらいいのか?特殊工具を発注しないと無理ではないか?と躊躇しておりました、ハイ。
他ならぬKnobさんから相談されては是非もなく、今週は試作を重ねた。
工具を駆使して何段階にも分けて底を丸くできたが、時間が掛かり過ぎるし、もっと精度をあげたいので、この際に初めて切削成形用のダイヤモンド工具を特注することにした。
特注は1個でも3~5万円はかかると聞いていたので恐る恐る仕事仲間に相談したら、台湾のメーカーに依頼すれば品質は国産品に遜色なく格安とのこと。
見積もってもらったら、え”~っ!と声を出すくらい安かったので、以前から「こんなモノがあれば便利なのに」と思っていた工具も特注することにした。
オレもついにオリジナル工具を特注するまでになったかと感慨無量。