縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

片手で脱着しやすい勾玉ブレスレット開発

2019年05月30日 20時18分43秒 | ぬなかわヒスイ工房

十日町市で開催される「笹山じょうもん市」に出展する作品作りに精を出している。

多くの人の意見を聞ける場だから、以前から構想していた超小型勾玉のブレスレットを試作。

私自身は人真似はしない信念を持っているが、すぐに真似されてしまうだろう。〇✖さんが真似してるよと仲間内から耳打ちされることもあるが、猿真似でオリジナルを越えられるもんなら越えてみろ!と言ってやりたいもんだ。

石笛もそうだが、誰がオリジナルなのかが解る人は解るのが不思議。

「他のサイトを観てもピンとこなかったが、ぬなかわヒスイ工房のサイトに辿り着いてここがオリジナルだとすぐに解った!」と、よくお客さんから言われる。

 

小さな勾玉でも紐孔内部まで研磨までして作りに拘っているから、値段はともかく作りやデザイン、耐久性に関しては量産勾玉にゃ負けねぇ!といという自負はある。

このブレスレットも片手で脱着しやすく作ってあるが、パーツ類を沢山取り寄せて厳選して使っている。

原石にしても5億年の歳月を経て私の所に来たオンリーワンのヒスイ達。

大事に使わないと罰が当たる。

それがヌナカワ族末裔の料簡ってなもんだ。




欧米を股にかける!・・・ジオサイト「断層露頭」

2019年05月28日 22時40分52秒 | 糸魚川自慢

毎年訪れてくれるお得意様の東京のご婦人グループから、フォッサマグナ(糸魚川・静岡構造線)の露頭部に連れて行って欲しいと頼まれた。

断層露頭部は糸魚川に24ヶ所あるジオサイトの一つで、根地区の国道148号線沿いにある。

なんでも杖をついて歩いている知人が、この東西の地質構造の境目にまたがって祝詞をあげて以来、杖が不要になったのだそうだ。

ご婦人たちは東西の境目にまたがり、瞑目しつつ何やら唱えていたようだが、何ごとかの神秘体験をされたのかは不明。

左(西)の緑色っぽい方が4億年前のユーラシアプレート、右(東)の黄色っぽい土が1600万年前の北米プレートだそう。

 

神秘体験はともかく、文字通り「欧米を股にかけた」と自慢はできるに違いない。

ただし、地質学者をしている幼馴染のS君によると、この露頭部は悪役プロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャーの凸凹になった額の傷の一つのようなもので、この断層から東西にクッキリと地質構造が別れている訳ではないのだそうだ。

ジオサイトの断層露頭部は、ブッチャーの額の傷のように凸凹になった境目の一つなのですな・・・この例え話はきちんと伝えておいた。

解りやすい例え話を教えてくれたS君に感謝!

この時のことをSNSで紹介したら、ぜひとも訪れて祝詞をあげたい!欧米を股にかけたい!と言う人が何人かいたが、こうやって都市伝説が生まれていくのだな( ´艸`)


全国発信する地域文化のあり様・・・笹山じょうもん市

2019年05月26日 08時12分39秒 | 縄文

国宝指定の火焔型土器出土で有名な十日町市の笹山遺跡で縄文遺跡マルシェがあるそうで、関係者から参加を要請された。

人口が糸魚川とさして変わらない十日町市で、しかも糸魚川には二つも国指定縄文遺跡があるに対して、笹山遺跡は市指定遺跡。であるにも関わらず全国発信する縄文イベントが20回も続けているのは凄いこと。

期日ギリギリの情報開示になってしまい、縄文仲間に声掛けする暇もなかったが、私もブース出店しますので興味のある人は遊びに来てください。

出土した火焔土器が国宝になったからイベントをする熱気があるだけではない。十日町市立博物館に行けば分るが、この街は昔から地域文化に対する想いが熱い土地柄なのだ。

 

ヌナカワ姫と大国主命の古代のロマンスで地域振興を目指す糸魚川ではあるが、無いモノを作って「とにかく糸魚川に興味を持ってもらい来てもらう情報発信が大事!」という強引な手段ではなく、地元の人が在るモノの価値を知り、大好きになって「こんな面白い所があるので遊びに来てください!」という動きにシフトしていかなきゃ、と思うのだ。

埴輪ダンサーズも待ってます!


モノからヒトを観る・・・縄文石笛

2019年05月23日 09時49分32秒 | ぬなかわ姫

ネットに溢れる縄文時代の石笛という情報を片っ端から検証したら、9割は根拠のない独善的な情報だったということがある。

考古学者が石笛と報告した例はほんの僅かで、その特徴は長軸方向の貫通孔と直交する横軸方向の孔が開いていること。

ヒスイ製の縄文石笛・・・上尾駮遺跡出土タイプ

これまで実測図を取り寄せて複製を作ってはいたが、当時の技術は両側穿孔であり、ちょうど横軸方向の孔の部分で長軸方向の孔が結合した先細りの円錐台状の孔となるに対し、現代工具だと同じ直径の貫通孔となるのが問題だった。

流紋岩製の上尾駮遺跡タイプ

 

素焼きのオカリナなら出土品と同じ孔形状にすることができると気付き、やってみて当時の工程が判明した。

最初に横軸方向の孔を開けてから、長軸方向の孔を穿孔すれば結合部分で最も細い貫通孔になる訳だ。

粘土で作った縄文オカリナ・・・考えたねぇ、縄文人。

 

粘土だからデザインも自在だし、素材が違っても孔形状の違いによる当時の音色に近いものになるのではないだろうか。

モノからヒトを観る、これが縄文テーマのヒスイ仕事の醍醐味ですな。




凄い人が続々と訪ねてくる不思議・・・馬頭琴演奏家テルゲルマーさん

2019年05月20日 07時57分12秒 | ぬなかわヒスイ工房

いったいどうなっているのか、田舎町の小さなヒスイ工房にその道で名を成す凄い人たちが相次いで訪ねて来てくれる。

イダキ界のレジェンド、ノブさんが来た翌週は売れっ子だった元新橋芸者さんが訪ねてきてくれて、古典芸能や花柳界の話しをじっくり聞かせて頂いた。

そして昨日はモンゴルでも著名な女流馬頭琴演奏家で、長岡市在住のテルゲルマーさんご夫妻が石笛を買いに寄ってくれた。

テルゲルマーさんは、最近世界的に売れているモンゴル人ロックバンドの「THE HUN」のメンバーとも音楽学校で一緒だったそう。

 

モンゴルの音楽事情や文化など貴重な話しを聞かせて頂き、ありがたい限り。

日本人のご主人のIさんもプロカメラマンだから、写真撮影のノウハウなど聞けて話が尽きない。


プロとして名を成す一流の人と交流できるのはヒスイ加工を仕事にしたお陰だし、ヌナカワ姫のお導きに違いない、と本当に思っている。

 

 


形の内実と内実の形・・・姫川薬石線刻石笛

2019年05月18日 17時23分55秒 | ぬなかわヒスイ工房

近い内に全国から縄文ファンが押寄せるであろう大きな縄文イベントに招待されており、物販用に廉価な作品群を作っている。


廉価な作品群とは手抜き作品という意味ではなく、姫川薬石に線刻した石笛、縄文土偶をモチーフにしたオカリナなどなど。


縄文なるモノをヒスイ加工職人としてどう作品化するのか?


お手軽、お気軽なモノ作りは絶対せんという料簡が、実は縄文なるモノを産み出す原動力だと思うのですよ。


大真面目に遊ぶのでR!

 

何度も書くが、昨今はヌナカワ姫と出雲の八千鉾神の恋物語をテーマにした町興し活動が盛んになっている。

ヌナカワ姫を信仰の対象とする私から観るとそれら活動に内実が感じられず、お気軽お手軽な内容に思える。

新幹線駅からヌナカワ姫を祀る奴奈川神社まで、観光客を誘導する目的の大鳥居を作って参道にしよう!・・・そんな意見まで出ているそうだが、鳥居から神社までは神域ということになるのだぞ・・・その意味が解っているのかな?

信仰心抜きで観光客を誘導するための鳥居ならば、鳥居の形をした観光案内看板ではないのか?

鳥居をどんな素材で作ろうが50年もすれば作り直しやメンテナンス時期になろうが、少子高齢化が容易に想像できる50年後に鳥居の形をした観光案内看板を作り直す財源はどうすんの?

撤去という情けないことにならない?

そんな鳥居と参道に内実があるというのだろうか?

 

 


丈夫に生まれ変わりましたぁ・・・ぬなかわヒスイ工房の「縄文オカリナ」改

2019年05月12日 19時18分34秒 | ぬなかわヒスイ工房

仕事の気分転換に縄文オカリナの焼成。

懸案だった壊れやすい突起部を何とかしたかったのだが、縄文式そのままだと突起部は後付けなので壊れやすいのが難点。

試行錯誤の結果、一体成形に変更したら簡単に壊れなくなった・・・焼成後に「踊るハニワ」を落としてしまったら、もげやすかった腕が壊れず一安心。

一番人気は遮光器土偶オカリナで、ぬなかわヒスイ工房を除けば唯一の実店舗をしている京都の「民族楽器コイズミ」さんでは外国人が面白がって買っていくそう。

2番人気は合掌土偶オカリナ!国宝になって知られるようになったからねぇ~。

長野県岡谷市の海戸遺跡出土の「顔面把手付き深鉢」をモチーフにしたオカリナ!

秋田県能代市の「麻生遺跡」出土の土面モチーフのオカリナ。

 

丈夫に改良できたので自信を持って売れるし、納品までの歩留まりも向上。

私は山奥で縄文人みたいな生活をしていると思っている人が多いのだが、住宅地なので焼成はバーベキューコンロ使用!

黒っぽいオカリナは新聞紙に包んで燻し焼きしておりま~す。モデルは「ミミズク土偶」だが、個人的にはサザエさん土偶と呼んでいる( ´艸`)

 

奇をてらって縄文モチーフにしているのではない。

先日は石笛演奏家のノブさんも、ちゃんとオカリナとして機能することに驚いてたぞ。


ぬなかわヒスイ工房 縄文人見習いの糸魚川初 縄文オカリナ 住宅地の野焼き バーベキューコンロで縄文土器を焼く


童心・・・ノブさん長者ケ原遺跡でイダキを浄める

2019年05月09日 10時42分26秒 | 糸魚川自慢

ノブさんを稚児ケ池での慰霊の後に長者ケ原遺跡と姫川に案内した。

姫川に足を浸して石拾いに興じるノブさん。彼はご神事で火打石を使うそうだが、この日は火打石に最適なチャートを拾えて喜んでいた。正面向こうには、頂上にヌナカワ姫を祀る黒姫山がばっちり見える

長者ケ原遺跡に案内した誰もがそのおおらかで優しい雰囲気に癒されるというのだが、それは天津神社と稚児ケ池も同様で、ノブさんも同じことを言っていた。

竪穴住居内でイダキ演奏・・・物凄く濃密で贅沢な時間。

 

長者ケ原遺跡の東端は谷地があり、縄文人が沐浴やドングリの水晒しをした場所らしき小さな谷川が流れている。

夏でも涼しく、とても気分のいい所だが、ガイド無しだと誰も訪れることもない秘境的な場所。

案内した人の多くは清流に足を浸したり口に含むのだけど、なんとノブさんは大事なイダキを谷川で洗った。


いくら油気の多いユーカリとはいえ、湿気を嫌う木管楽器を小川で洗うというプロ演奏家の予想外の行為に驚愕!


彼にとってイダキは身体なのですな。

そして子供のように純真な人。

この谷川は城之川の源流部だ。

現在の市街地では暗渠化されて見る事はできないが、城之川はヌナカワ姫を祀る神社脇をの通り、幅5mくらいになって日本海に注いでいる。

糸魚川市教育委員会の学芸員さんに聞くところによると、長者ケ原遺跡で加工されたヒスイは神社付近にあった集落前に広がる沼地で丸木舟に載せられ、城之川を経て日本海に出て各地に運ばれたと推測されているそうだ。

すなわちこの谷川こそ海のヒスイロードの源流部。

すなわちイダキは丸木舟。

丸木舟は離れた人を繋ぐ原始の乗り物。

ノブさんは繋ぐ人なのだな、と納得。




ヌナカワ姫の慰霊・・・イダキ演奏家ノブさん

2019年05月06日 19時26分11秒 | ぬなかわ姫

伝説的な映画「ガイアシンフォニー第6番」への出演で著名なイダキ(白蟻に内部を食わて空洞になったユーカリの樹の筒を吹くアボリジニの民族楽器・英語ではデイジュリドウ)と石笛の演奏家のノブ(Knob)さんが、旅の途中で突然訪ねて来てくれた。

彼は国内外で引っ張りだこの多忙な音楽家だが、3年前にあるイベントに招待された者同士で意気投合して以来の心の友。

年下だし私とは比較にならない有名人だけども、初対面でこの人は本物だなぁといたく感銘を受け昵懇にして頂いている。

 私から悲劇のヌナカワ姫伝説を聞いて慰霊に訪れたいと思っていたそうだが、是非もなく姫がお隠れになった伝説の稚児ケ池にお連れした。

黙想のあとに三環鈴をふるい、石笛の警蹕で祓い浄め、イダキを奏でた。

 場の空気が揺れ、ヌナカワ姫や精霊たちが喜ぶ気配を感じ、私の細胞も震え自然と涙が溢れでてきた。

 

稚児ケ池はノブさんの演奏で夕立の後のように清々しい空気に包まれた。

ノブさんとパートナーのAちゃんも精霊の気配を感じたそうだし、演奏後のノブさんと私はしばらく鼻をすすっていた。 

 クリスタルボウル演奏家の牧野ジュンさんもそうだが、ノブさんも本気の人、本物の芸術家だ。

 一騎当千のすごい仲間たちが悲劇のヌナカワ姫伝説を知り、慰霊に訪ねてくださる流れができている。

近い将来、ヌナカワ姫の慰霊祭をすることになるだろう、と思う。

司祭は超有名な神社のK宮司か、アイヌのシャーマンAさんにお願いしようか?

昨年、あいついで知遇を得たこのお二方の宗教界の巨人は浅からぬご縁があるそうで、お二方のご縁をつないだTさんという友人が私にはいる。

時が来ればTさん経由で自然に慰霊祭の流れができていく流れになる気がする。

しかし慌ててはいけない。 

 今は一人でも多くの人に悲劇のヌナカワ姫伝説を知って頂く努力を惜しまないことだ。