縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

石笛ネットワーク!

2017年04月29日 23時07分00秒 | ぬなかわヒスイ工房

ぬなかわヒスイ工房の石笛のお客様同士が自然に繋がっていく。

東北、首都圏、関西と各地で石笛愛好者のお客様が交流して繋がっていくのが面白い。

上京時に何時も泊めてもらっているのは、若いころ、インド旅行中に友達になった浅草でモンジャ焼き屋をしているシンタローの家。すでに30年近い付き合いになった文字家(もんじや)さん。三社祭りの神輿もここで担がせて貰っていた。

こんな感じでワイワイモンジャを食いながら懇親会。

 

整体協会の研修会などで年に何度か上京する折、そんなお客様が集まって懇親会のようなものを開いてもらったりする。

皆さん、縄文好きという事もあるが、それぞれが横笛、竜笛、その他の楽器などのプロ演奏家や講師をされている方が多く、こちらも異分野の話が聞けて愉しい。

今回の上京では石笛愛好者とは別に、縄文好き女子との懇親会もあった。

もっとも懇親会会場は、私が上京するときに泊めてもらっている浅草のモンジャ焼き屋さん。

皆さん熱い方ばかり。

モンジャの後は、浅草神社で音出しもしました!

 

今後はワークショップも開けそうな雰囲気だが、目下のところは秋に予定されている縄文キャンプ!

糸魚川が誇る国指定縄文遺跡「長者ケ原遺跡」に集まることになっているのだ。

石笛を作り始めた時はこんな事態を想像だにしなかったが、仲間が増えるのはいいこった。


ホルスの目・・・船乗りの護符

2017年04月27日 19時36分15秒 | ぬなかわヒスイ工房

古代エジプトで生まれた「ホルスの目」は、ハヤブサの姿をした天空神ホルスの目であり、特に右目は太陽神ラー、左目は月の女神ウアンジェトの象徴とされる。

いわゆる護符だが、邪眼を睨み返す呪いでもある。

類例は西アジアに多くみられ、西洋の大航海時代以前からアラビアやインド商人たちの船の船首に描かれてきたし、東アジアでは中国の福建船が「龍眼」として各地に広めていったようだ。

今でもヤンマーの漁船の船首には、赤い龍眼がデザインされている。

迷信だと笑うなかれ。

板子一枚下は地獄という大洋の真っただ中で、海の災いを睨み返してくれる船首の目が持つ意味は、船乗りにとっては切実。

石笛に線刻し始めた時から挑みたいと思いつつ、小さな石笛の中に細くて複雑な模様の線刻をすることに自信がもてず躊躇していたが、なんとかカタチになってくれた。

今回は右目、すなわち太陽神ラーを描いたが、右利きの私には左目を描くという事は難しいのだ。

まだまだ修行は続く。

 


もしかしたら世界初!?・・・ヒスイ象嵌カンザシ

2017年04月16日 07時49分33秒 | ぬなかわヒスイ工房

注文を受けていたヒスイ飾ったをカンザシの第1号が完成した。

世界初!・・・かもしれないヒスイ勾玉象嵌カンザシ。

最高に具合がいいので同じ形状・寸法で作って欲しいと渡された手本のカンザシと、とりあえず寸分たがわぬカンザシ。

右が手本にしたカンザシ

頭部に寄り添い髪に差す内側のカーブは重要です。

 

しかし女性の髪は感覚器といっていいほどに敏感なので、お客さんの評価は如何・・・。

試行錯誤の結果、1号は超小型勾玉を象嵌した。

高さ11㎜×幅8㎜×厚み4㎜の勾玉を作り、厚みの半分の2㎜を象嵌してある。

 

象嵌工程に移る前には、ほぼ1日を費やして象嵌の稽古。

もちろん接着剤固定はしてあるが、接着剤なしの状態でも簡単には外れないくらいピッタリ嵌っている。

 

このところ、各方面から作品の販売を打診されることが多くなった。

何処にもない、誰も見たことのないオリジナル作品が多いので、目立つみたいですな・・・。

そもそもヒスイの象嵌作品ってあるのだろうか?

もしかしたらぬなかわヒスイ工房が世界初?

少なくともカンザシ・勾玉というキーワードでは世界初だとは思う。

残念ながら私は寡作・・・ぬなかわヒスイ工房の仕事だけで手一杯なのが実情。

嬉しい悲鳴。

 

 


衣紋かけを自作しよう!・・・けんか祭りの後

2017年04月13日 11時07分39秒 | 糸魚川自慢

けんか祭りが終わって、例年通りの「燃え尽き症候群」に突入。

一週間ほどはボーと過ごすことになる。

借りた半纏は各自が水洗いして返す事になっているが、私は和服の陰干し用に自作した「衣紋掛け」で干している。

薄い板を自分の裄に合わせて切って、面取りした後に中央に紐を吊るしただけだが、非常に具合がいい。

黒法被の背中には、天津神社のご神紋「三つ巴」!

 

和服は直線裁ちのため、普通のハンガーで干すと、変な皺が入るし肩から袖のラインがピシッとせずに気持ち悪いのだ。

私の衣紋掛けだと生乾きの時に掌でパンパンと叩いて皺を伸ばしておくと、乾きが早くアイロン掛けが必要ないくらいに綺麗に干せて具合がいい。

お袋も含めて、和服愛用者から注文を受けるくらいの優れもの。

けんか祭りは寺町と押上の男だけが参加できるが、女衆(オンナショ)だって準備や後片付けに忙しい。祭りに欠かせない中に漉し餡が入った黄な粉餅作りもその一つ。女たちのけんか祭りですな


瑞兆・・・2017年けんか祭り

2017年04月09日 17時29分20秒 | 糸魚川自慢

30年来のバックパッカー仲間の浅草の友人が、けんか祭りの見物に来たので観光案内。

彼は子供のころから三社祭りに参加してきた祭り好きなので、東京の神社とは異質の古色蒼然とした天津神社の佇まいに感動していた。

天津神社と併催されている奴奈川神社は、我が産土のぬなかわ姫を祀る由緒ある式内社なのだ。今時、珍しい茅葺がお国自慢。

桟敷と舞楽の準備が整い、祭りの準備が着々と進んでいた。

普段は欄干のない石舞台も、祭り用に艶めかしく飾られている。奉納される舞楽は国指定民俗重要無形文化財。

 

富山との県境に位置する親不知に案内したら、折しも断崖からせり出した桜が満開。

海風に吹かれて花びらが散っていた。

沖に目を移すと、東に向かうイルカの群れ・・・これぞ瑞兆。

明朝午前0時に太鼓が打ち鳴らされ、戦いの口火が切られる。

 


ヒスイかんざしプロジェクト!

2017年04月07日 07時52分41秒 | ぬなかわヒスイ工房

二十年愛用した柘植のカンザシと同じ寸法、形状でヒスイを飾ったカンザシを作って欲しいとのご注文。

とても使いやすく、馴染みがいいカンザシだそうだが、既に職人さんが高齢になり仕事を止めてしまったらしい。

人のオリジナルデザインは真似しないという信条だが、この場合は異業種だし意味が違う。

左がお手本の柘植のカンザシ。右が栗材で作った試作品1号。少し大きめなのはヒスイのデザインを決めてから仕上げ研磨するため。

 

老カンザシ職人さんへのリスペクトとして、寸分たがわぬカンザシを作るための型取りの治具を作った。

最大のポイントは内側のカーブだから、最初に作った治具はカーブ用のテンプレート。

 

折よく友人のアメリカ人家具職人のラッセルさんがガレージセールをしていたので、栗・欅・花梨などの銘木の端材を大量に分けて貰ってきた。

左は栗材、右が樹種不明だけど恐らくチーク材。

 

問題はヒスイのデザインですなあ。

固定方法は象嵌として・・・難しいですが・・・薄い勾玉を嵌めるのか?原石そのままを研磨して嵌めるのか?

手ごろな大きさの原石を嵌めやすいように成形して、厚み3㎜くらいに仕上げ、2㎜埋め込んで固定するか?

 

嵌めるヒスイのデザインさえ決まれば、後はカンザシ上部のデザインを見合った形状に変更すればいい。

本来は最初に全てのデザインを決めてから作り出すのだけど、立体造形は平面描画とは違うので、私は作りながらカタチを決めていくスタイル。

時間はかかるが、実物を作りながらデザインしていくと、想像を超えたモノが出てくるのが愉しみなのだ。


星の数だけモノガタリがあるのでR!・・・オリオン座石笛

2017年04月01日 17時31分28秒 | ぬなかわヒスイ工房

宮沢賢治の童話「星めぐりの歌」に登場する星座世界をヒスイで作品化したいと願いつつ、どの星座も北斗七星に似ている事と、賢治創作の星座もあるので頓挫。

誰が見てもすぐに分かる北斗七星、オリオン座、カシオペ座などばかりを作品化しているが、そのつど工夫を重ねているので、作り手としては常に新しい仕事。

今回は、オリオン座の瞬きを表現するために下地と上塗りの色を変えてみた。

写真撮影の方法やアングルも工夫を重ねているが、すぐに同業者から真似されます(笑)

 

 

 

以前にも紹介した伊達政宗の胴服(袖付き陣羽織)・・・私以前にこんな大胆でバサラな意匠を昔の日本人は発想していたのだ。自分オリジナルのアイデアだと思っていても、何時か、誰かが、何所かで既にやっているのですな。

 星が瞬いている・・・かなぁ。

右下の赤い星がベデルギウス、上の白い星がリゲル。

 

昔の日本では、赤いベデルギウスは源氏星、白いリゲルが平家星と呼んでいたらしいが、星の数だけモノガタリを見出すヒトが面白い。