縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

いいぢゃないかフリマ!

2016年03月28日 08時16分51秒 | ぬなかわヒスイ工房

「オレ、これ買う!」と、胸から下げたポショットからお小遣いらしい丁寧に畳まれた千円を出して竹製ほら貝買ってくれた小二男子、準備した民族楽器で散々遊んだ挙句に「二千円持ってるけど、どれが買えますか?」と聞いてきた少年、ポケットを探ってクシャクシャになった千円を出して火打石セットを買ってくれたハーフの少年・・・。

オジサンは涙ながらにお金を頂きました(笑)

お金は無言の内に実に多弁に物語りしますな。

クシャクシャになった千円をポケットから出したハーフの少年がいじらしい・・・私はギュと抱きしめたくなる危ないオジサン

火打石セットを買ってくれた人には、本式の火打石セットも使って発火できるまでレクチャーする方式。大人も子供のように夢中になっていた。

 

買った楽器で遊んでいるうちに、「工夫したらこんな音が出た~!」とイチイチ報告に来てくれていた嬉々とした少年の顔が忘れられない。

二日間に及ぶフリーマーケットロードは、煙草吸う時間も食事する時間もないような忙しさで大盛況だった。

説明しっぱなしで舌が草臥れたけど、友達が随分と増えたし、今後は市外県外での講演依頼や体験会要請も増えていきそうな気配。

18組用意した火打ち石セットもあっという間に完売したし、本業のヒスイ製品を買ってくれた淑女や紳士もいた。

出展者の一人の群馬の菊池社長。開店早々に勾玉を買っていってくれたが、「いくつかヒスイ製品持っているけど、ぬなかわさんのは作りが丁寧だし、研磨もいいねぇ・・・。」と暇を見ては私のブースに遊びに来てくれた。こんな友達が増えたのが収穫。

 

出展者も来場者も恵比須顔、大いに愉しんだ二日間のフリマロード。

陽が傾く頃、やっと他のブースを周る時間ができた。お客さんの波が静まって出展者同士で談笑。

 

日頃は工房に籠ってヒスイ製品作り、そしてパソコン越にしかお客さんと交流できないぬなかわヒスイ工房だけど、いいぢゃないか対面販売!

クセになるぢゃないかフリマ!

追記

火打石セットを買ってくれた石川県の農業男子が、自宅に帰ってから薪ストーブに簡単に着火できた!と知らせてきた。

オレの火打ち石セットは安いだけの子供ダマシじゃないぜ!


フリマの旅に出航!

2016年03月25日 21時51分41秒 | ぬなかわヒスイ工房

準備に数か月をかけてきた二日連続のフリマの旅に出航準備完了。

3月26日は柏崎市西山町での「おてラフェスタ」、27日は上越市での「男たちのフリーマケーケット」である。

ヒスイ製品は高価だからフリマでは売れないというのは常識で、売れるとすれば安い外国製品や国産であってもストラップのような安いものばかり。

側近の女や女友達から意見を聞いて周ったが、どういうのがカワイイかは各人各様という事が判明(笑)・・・とにかく色んなバリエーションを揃えた。

 

そこを敢えて挑戦するのには深い意味がある。

対面販売のメリットは、お客さんの声を聴き、反応を観る事ができる実に得難い体験なのである。

これはオンラインショップで商売している「ぬなかわヒスイ工房」の切実な想い。

色んな商品を開発しては誰かに真似されてしまう憤りとジレンマ、そしてオリジナル開発の誇り・・・二つ我に在り(笑)

最近凝っている超小型勾玉なら、誰でも真似出来るって代物じゃない。

ペンダント仕様の石笛なんざ色んな人が真似し始めたが、デザインや石笛としての出来はお粗末そのもの。

モノ作りする者としての誇り・・・だからオリジナルに拘るのでR!

さてただ今25日夜10時。

これから出航!

 

 


一年も睨めっこしたヒスイで勾玉作った・・・結果は如何?

2016年03月23日 22時28分48秒 | ぬなかわヒスイ工房

去年購入した高価なヒスイ原石。

普段は中程度のヒスイを手間暇かけて売り物になるように苦労しているのだけど、透明感と発色のよいヒスイで作った方が売れ行きがいいのは確か。

ヒスイ加工を始めたばかりの頃、ガラスのように透き通ったこの手のヒスイで作った勾玉を観ては、何時かは俺も!と憧れていたもんだ。

そこで清水の舞台から飛び降りた積もりで買ったはいいけど、どこをどうカットすればベストなのかと考えている内に一年が過ぎていった。

折しも極上ヒスイで勾玉の注文・・・ついにお宝ヒスイをカットする事になった。

完成した勾玉・・・ネットリした透明感が表現できていないので、明日はライティングを変えて写真の撮り直し。

 

一年に及ぶ観察で、ベストのカットすべき線が観えてきていたのだ。

白い部分が若干灰色がかってはいるし、緑の部分には黒ずんだ角閃石も多い原石なので、カットしてみたら綺麗な部分はほんの少しという事だってある。

覚悟を決めてカット、そして勾玉を作った。

ネットリするような質感、鮮やかな緑色・・・やっぱ美人のヒスイだが、最適なライティングや露出に辿り着くまで粘って撮影したい。実物は本当に綺麗で、ヒスイ仲間に見せたらかなりな金額で売れると太鼓判を捺してくれた。

ノイズが出てしまった透光写真。ISO感度の設定が悪いのだが、カメラの師匠であるキーさんからは「照明がずいぶん上達した。」と褒められた。

 

と言ってもベテランのヒスイ関係者なら、惜しげもなくカットして端材だって捨てちゃうのかも知れない。

それでも同じヒスイはこの世に二つとない・・・ヒスイに対する畏れが私には人一倍強いのだ。

なんてたって自宅が奴奈川族のヒスイ工房遺跡の真上にある奴奈川族末裔だし、ヒスイ職人の中でも唯一?の奴奈川神社氏子だから(笑)

さて、けんか祭りまであと二週間!

 


縄文漫談でも文化的な講演会?・・・生涯初のサイン

2016年03月20日 20時23分13秒 | 日本海縄文カヌープロジェクト

3月19日に文化協会のイベントで、「海のヒスイ・ロード航海記」と題して講演をした。

単独で一時間半もの内容だから、11月頃に話しを貰ってからそれなりの準備をしていたのだが、直前になっても友達は知らんといっていた。

告知チラシは糸魚川市内に全戸配布したそうだが、広報はどうなっておるのか?

人はちゃんと集まるのか?と心配していたが、杞憂ぢゃった。

ほぼ満員御礼!

緊張もせず、途中で閊える事もなく話せたし、縄文漫談にも何回か笑いも起こってそれなりに和やかな雰囲気で終了。

そして講演後に生涯初のサインしちゃった・・・。

ただ残念な事に会場にマイクが用意されておらず、講演を始めてすぐに前の方に座っていたお年寄りが耳に手を当てて聞いていた事。

大声で「後ろの方は聴こえますかぁ?」と質問したら、聴こえま~す!と返事があったものの、聴こえない人にはその質問すら聴こえないよぁ・・・。

なるべく大声でハッキリとメリハリを付けた話し方に努めたが、興に乗るとどうしても早口になっちまうから困ったもんだ。

講演後に郷土史研究会の蛭子先生からも聴き取り難かったらしく、遠慮勝ちに「ボクは耳が遠いもんで・・・」と質問された。

それでも終わって気が楽になったが、縄文漫談でも文化的な内容だったのか?・・・オラ知らん(笑)


大人になった気分・・・ついに白トビから脱出!

2016年03月18日 19時41分56秒 | ぬなかわヒスイ工房

ネットショップのお客さんから、ネット写真で見るより実物のほうが断然よくてビックリした!という声がよく寄せられる。

嬉しい反面、非常に悔しい・・・写真撮影が下手糞なのだ。

とくに白地に薄い黄緑の入ったヒスイは、全体が白く塗りつぶされたような「白トビ」という現象が起こっていたのが悩み所。

試行錯誤した挙句、今日、これまでの中で最も微妙な色合いが表現できた写真撮影に成功した。

超小型勾玉ピアスである。課題は多いものの取敢えず60点はやってもいいだろう。

ちょっと大人になった気分(笑)


同じ匂いとクロスロード・・・長者ケ原遺跡の十字架

2016年03月17日 07時09分16秒 | ぬなかわヒスイ工房

富士山の麓から来客。

ぬなかわヒスイ工房で石笛をご注文頂いた事のある客様で、新潟に来たついでに工房見学に寄ったとの事。

富士山山麓の河口湖近くでセラピストをしておられるK女史。工房に置いてあったヒスイ大珠と超小型勾玉を手に取った時に、掌にピッタリ馴染むからと購入してくれた。掌の馴染は異質感がなく同化しているという事で、私が拘っているポイント・・・実に気が合いますなあ。

 

初対面でも意気投合して、話す内に共通の友達が何人かいる事が分かった。

数あるネットショップの中から宣伝広告費ゼロのぬなかわヒスイ工房に辿り着いてくれたのも、自分と波長の合う石笛や勾玉を探し求めてに違いないからに違いない。

長者ケ原遺跡に案内した時、復元住居の中でも異彩を放つ掘立柱建物を観て「十字架みたい・・・斎場ですね!」と鋭い感想。言われてみると棟持ち柱と梁がクロスして十字架に見えないことはないが、こんな着眼点のベクトルが彼女らしさなんだろう。流石にセラピスト。

親不知で石拾いの案内の図。綺麗な石ころを見つけても持って帰るより撮影して記憶に留めて置きたいそう。優しい女性だ。

 

書は人なりというけれど、ヒスイ製品だって作者の人となりが反映されているので、私の作風に共感されて購入して頂けたお客様とは気が合うのは当たり前といえば当たり前。

どんなに遠隔地に住んでいても同じ匂いのする人同士が繋がっていくのだろう。

同じ匂いの者同士が人生のクロスロード(十字路)で出会い、一片の布を織りなしていく。

こんな出会いこそヒスイの仕事をしている愉しみの一つ。

次回はそんな友達同士で集まって糸魚川の海でキャンプしようと約束して別れた。

面白い。

 


「海のヒスイ・ロード」航海ではこんなモノ食ってた

2016年03月15日 00時14分21秒 | 日本海縄文カヌープロジェクト

来る3月19日に市の文化協会から依頼の「海のヒスイ・ロード航海記」と銘打った講演会がある。

何時もの講演会なら縄文漫談的な話でウケ狙いをする所だが、「文化講演会」なので文化的な内容にせねば、と原稿作りの真っ最中である。

そこで三ケ月に渡る海旅の風景などの写真整理をしていたら、懐かしい写真を見つけた・・・メシの写真だ。

中央は雑穀を入れた米・左は味噌汁の出汁(昆布、切干し大根、煮干し、干し椎茸)・右が糠床

 

海旅の時は雑穀ご飯を主食にして、具だくさんの味噌汁、そして糠漬けを食っていた。

タッパに糠床を入れて海旅に出るアイデアは、知人の日本一周シーカヤッカーの鈴木さんから教えて貰ったのだが、三ケ月の旅の間に高温多湿のシーカヤックの中でも糠床は腐る事はなかった。

煮炊きの基本はガソリンストーブ。米を炊いてからムラしている間に味噌汁を煮るのが順番。

 

明るい内にキャンプしやすそうな浜に上陸して、最初にすることはソーラー充電器への充電。

そして米を砥いで味噌汁の出汁を取っている間にテント設営と衣類を干す事。

夕闇迫る頃、米を炊いてムラしている間に味噌汁を煮る。

それから糠床から食べる分の糠漬けを出して、明日の分の糠漬けを仕込む。

結構豪華なメシを食ってる図。海旅では梅干しやサザナミ昆布だって貴重なオカズ。

キャンプサイトに東屋やテーブルがあればいう事なし!新潟県内にはこんな海岸が多いのだけど東北には少なかった。ラジオの天気予報を聞きながら、夕焼けを観ながら食事したもんだ。

たまにはスパゲティも食った。麺と野菜を同時に茹でるのがコツ。塩胡椒とオリーブオイルは必須だったが、意外にもスパゲティの味付けは百均製品のフリカケが活躍して、ジャガバター味とメンタイコ味のフリカケが最も美味かった。

 

 

三ケ月もそんな暮らしをしていて、体重は二キロしか落ちなかったし病気にもならなかった。

エライぞ俺!

 

 


ヒスイ職人の冬の仕事・・・オカリナ作り

2016年03月12日 14時36分05秒 | ぬなかわヒスイ工房

趣味と実益を兼ねた縄文オカリナというものを作っている。

縄文時代の土偶などをモチーフにしており、民族楽器店にも卸しているし、某有名お笑いタレントもライブに使っているそう。

縄文オカリナは縄文土器と同じ方法で作っているので手間暇がかかるのだが、ヒスイ仕事と違ってすぐにアイデアを形にできるので面白くて止められない。

粘土で形を作ったら自然乾燥させて、本焼きして完成という簡単なものではない。

本焼き前には炙り焼きが必要なのだ。

縄文土器の場合は焚火の周りに土器を置いて炙り焼きするのだが、縄文オカリナは小さいのでストーブの上に置いての炙り焼きだって可能だ。

だから冬期間は暖房兼の炙り焼きができるので、時間もエネルギーも節約できて得した気分。

何度かに別けて大量のオカリナを炙っていく。

後は最後の野焼きを残すのみだが、晴天無風時でなけりゃ焼きムラで割れたりする事もある。

月末二連チャン参加予定のフリマに間に合えばいいのだがね。

 


縄文人(見習い)の冒険譚のお粗末の巻!・・・糸魚川郷土研究第 六号刊行

2016年03月08日 19時46分11秒 | 日本海縄文カヌープロジェクト

二年前の「海のヒスイ・ロード」検証実験航海の航海記を執筆した「糸魚川郷土研究 第六号」がついに出版されて、高校の恩師であり郷土研究会の会長でもある蛭子健治先生から献本が贈られてきた。

読むのが嫌になる程に校正・加筆訂正してきた原稿だけども、出版された航海記を読むと当時の事が走馬灯のように鮮明に思されてくる。

酒田港で山瀬に吹かれて遭難しそうになった場面ではドキドキハラハラしたし、竜飛岬越えの場面では涙無くしては読めない(笑)

冗談抜きに何度も死に直面したので、よく生きて帰ってきたもんだと我ながら思う。

特に稿の最後を飾った青森の老漁師たちの写真を観た時、涙があふれ出た・・・。

どごから来たぁ?どごさ行ぐぅ?お茶っこ飲んでげ~!と底抜けに人懐っこくて優しかった青森の漁師達の写真で原稿を締めくくった。

 

拙い文章だけれども精一杯の仕事をしたつもり。

興味のある方は、糸魚川市内の図書館と公民館、県立図書館に置いてあるそうですし、糸魚川駅前の酒井書店で売っているそうです。

縄文人(見習い)の冒険譚のお粗末を、ぉ、ぉぉぉ~、乱筆っ、なが~らも~ぉぉ、務~めますぅ~!(広澤寅蔵の次郎長伝の外題付けの節でお読み下され)


「身体智」・・・糸魚川産鉱物で作った火打石セット

2016年03月07日 19時33分00秒 | こんなモノ作った!

身体智(シンタイチ)とは、身体経験を通じて身に付けた知恵の事。

本当に役立つのは、本を読んで身に付けた知識ではなく、実際の経験のなかで失敗と工夫、そして成功に至った過程なのだ。

その意味と、鉱物資源の豊富な糸魚川をアピールする目的で火打石セットを商品化したが、私に火打ち石発火法や原始の摩擦式発火法を教えてくれたのが原始技術研究家の関根秀樹先生で、様々な生活技術と共に身体智という言葉も教わった。

セット内容はヒスイ・チャート・碧玉といった糸魚川産鉱物で作った火打石、火打ち鎌、火口、付け木の四点セット。付け木に塗ってある硫黄以外の全ての資材がDIY店で揃えられるという処がミソなのだ。

 

ジオパーク糸魚川は豊富な鉱物資源に恵まれている。

旧石器時代から糸魚川産の蛇紋岩類は優秀な石器素材として広範囲で利用されており、縄文時代にはヒスイや滑石も加わる。

現代の糸魚川でも石灰石を利用したセメントや肥料などの化学化合品が主要産業なのだ。

真面目なお勉強を抜きにして、火打石で遊びながら火起こしを愉しめばいい。

その過程で、地学・化学・歴史・民俗学が学べるのだし、いかに糸魚川の鉱物資源が豊富かという事が理解できるというもの。

月末26日に柏崎市の「お寺フェスタ」、27日に上越市の「男たちのフリーマーケット」というイベントに二日連続で参加するので、当日は物販とワークショップをする。

お堅い話は抜きにして、子供も大人も楽しんで欲しいもんだ。