縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

コロナ禍に苦しむ世界中の皆さまに「春よこい」・・・NHK新潟「金よう夜・きらっと新潟」に投稿を!

2021年03月31日 07時02分26秒 | 田舎暮らし

NHK新潟から、コロナ禍に見舞われたこの1年、共有したい想い、エピソード、エールなど視聴者からの投稿で番組つくりをしたいので、多くの皆様の声をお寄せくださるように呼び掛けて頂けませんか?との連絡がありました。

きっかけは、5年前の糸魚川駅北大火のボランティアの時に、個人的に童謡「春よこい」を復興ソングにして、その活動が富山の皆さんに広がった経緯を投稿したブログ記事の取材でした。
 
なんども投稿していますが、童謡「春よこい」は、糸魚川出身の歌人、文学者、良寛研究家の相馬御風の作詞です。
 
放送日は4月9日夜7時半からの30分番組「金よう夜・きらっと新潟」です。以下は番組のURL.
 
https://www.nhk.jp/p/ts/Y6GJQ815NP/
 
採用された投稿は、三条市出身俳優の高橋克実さんに朗読して頂けるそうですが、締め切りは放送中まで。
ネット画像からお借りした高橋克実さん
 
投稿は下記URLからお願いします。
https://forms.nhk.or.jp/q/FZYN5J2T
 
コロナ禍で耐久生活を強いられている世界中の方々、すべての災害被災者、原発事故被災者、差別や戦争に苦しむ方々に「春よこい」!
 
 

 


二ツ森貝塚「鹿角製櫛」はカツオを呼び寄せるアクセサリー???・・・佐京さんの鹿角アクセサリー

2021年03月29日 08時00分29秒 | 縄文

佐京さん作の二ツ森貝塚出土(前期・6,000年前)の鹿角製櫛(ろっかくせいくし)の複製品。

実際に櫛であったのか、ペンダントであったのはかは不明だが、似た形の籃胎漆器(らんたいしっき)の竪櫛が出土しているので櫛と命名されているらしい。
実物は6,000年も土の中に埋まっていたためかペッタンコだが、佐京さんのは角の表面形状のまま曲面になっている。
そこで思うのですヨ・・・佐京さんはエゾジカの角で作っているが、出土品の角は大型のニホンカモシカ?それとも小型の本州カモシカ??またはエゾジカ???
 
横幅が35㎜もあるので、果たしてこれだけのサイズが本州カモシカの角からとれるものか?
 
交易で求めた北海道産のエゾジカの角か?
三陸海岸の漁師がカツオ釣り用の疑似餌にニホンカモシカの角をアオと呼んで珍重したことを矢口高雄さんが漫画で描いているが、すでに6,000年前に疑似餌に利用されていて、漁師のオカミさんたちが豊漁を願った類感呪術としてこのようなモノで身を飾っていたのかも?と想像するとワクワクする。
 
すなわちカツオ来い来いアクセサリー!( ´艸`) 
 
二ツ森貝塚からカツオの骨が出土していたなら大手!これはぜひとも調べてみよう。
 
モノ言わぬ出土品は多弁にヒトの営みを物語する。そこが面白い。
 
 
 

2,500年前の「兼愛」の非戦思想・・・半藤一利著「墨子よみがえる」

2021年03月27日 08時18分37秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

2,500年前の戦乱の中国に、非戦を唱え専守防衛を指導することで平和な世界を目指していた墨子(ぼくし)なる実践的な思想家と、その教団である墨家がいたそう。

晩年の半藤一利さんは「墨子はえらいなぁ」とたびたび口にしていたようで、直江兼続や勝海舟、喜劇王チャップリンやトルストイに墨子の影響が見て取れ、現代の日本人ではアフガンに用水路を作っていた医師の中村哲さんが正しく墨子だと書いている。
中村哲さんの母方の叔父が作家の火野昇平、祖父が何度も映画化された「花と龍」の主人公の玉井金五郎その人であって、命を懸けて弱い立場の労働者のための組合作りをやり遂げた祖父の義侠心が、中村さんの思想に大きな影響を与えたのだとNHKで放送しておりました。
 
 
その思想は現実離れした理想主義のようだけども、実際に「任侠」をもって戦争を回避させていた。が、しかし没後に始皇帝の焚書坑儒、つまりは言論統制により抹殺され、中国で「孔墨」と並び称されるほどの思想家であっても、孔子ほど知名度は高くない。
 
独裁者にとって孔子は有益でも、墨子は都合が悪い思想だった訳だ。
墨家の専守防衛を題材にした日本の小説「墨攻」から、コミックや映画が作られておりますので、興味のあるかたは是非。
 
本来の「任侠」とはヤクザ世界の義理人情ではなく、公のために損得抜きで一命を顧みずに働くことで、その根本の精神を「兼愛」と呼び、それはキリストの愛と同義であるとしている。
 
また「兼愛」は直江兼続の兼であり、兼続が兜を「愛」ひと文字の前立てで飾ったのは、墨子の「兼愛」に影響されているのではないかと推測している。
 
墨子も半藤さんもいない現在、尖閣問題の東シナ海の緊張を、専守防衛を旨とする平和憲法の解釈と、有事の際に日本はどうすべきか?と、よみがえれ墨子・半藤とばかりに考えてみる。
それにしても「半藤一利さんはえらいなぁ」と呟く。
 
 

 


トンデモ説のコバンザメ商法にご用心・・・「坂の上の雲」

2021年03月25日 07時26分23秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
MSNホームページの右上の広告欄に、”司馬遼太郎の「坂の上の雲」は洗脳装置だった!“という本の公告が出続けるので「不適切な広告」の報告をして削除したのに、しばらくして復活してやんの。
歴史小説が洗脳装置というなら、古事記や源氏物語だって洗脳装置だろうし、だいいち本は装置ではないぞ。
 
小説をそのまま史実として信じるウブな人もいるだろうが、司馬史観での日露戦争は〇✕として描かれているけど、歴史家や軍事評論家はどう捉えているのか?と、別な視点から関連著作を読み進め、自分なりの史観を作っていくのが読書でしょうに。
 
それはフェイクニュースも同じで、トンデモ説をそのまま信じ込む人が多いことを危惧する。
 
ようするにだ、評価の高い司馬遼太郎の小説を衝撃的でキャッチーな言葉で貶め、公告収入を狙ったコバンザメ商法。
 
それにしても、最近の政治家もユーチューバーみたいになってきましたナ。

渡辺義一郎さんの「ヌナカワ姫三部作」完結

2021年03月24日 06時02分15秒 | ぬなかわ姫

渡辺義一郎さんから「ヌナカワ姫三部作」の完結本が贈られてきたので、翌日の会社経営者の会合で頼まれていた講演のメインテーマを縄文からヌナカワ姫に変更した。

「古代越後・奴奈川伝説の謎」を30代前半で出版した渡辺義一郎さんは御年76歳になるらしいが、ヌナナワ姫の著作も3冊目となり、足掛け43年の及んだライフワークが完結。
 
*渡辺さんは一般的な表記である「奴奈川姫」と漢字表記されておられますが、「出雲國風土記」以降に当て字れるようになった漢字の奴は、たとえひらがなの「ぬ」、カタカタの「ヌ」に対する当て字であったにしても、文字の由来は「捕らわれた女奴隷」を表す象形文字とあっては姫があまりにもお気の毒なので、私は敢えて奴奈川姫とは表記せず、ヌナカワ姫、ぬなかわ姫としております。
 
「ヌナカワ姫と八千鉾神とのラブロマンス」が語られ始めたのは1970年代以降で、海岸部の市役所に設置されたヌナカワ姫の銅像は、昔は市街地、そして子供の建御名方神が鎮座する諏訪大社の方角の南を向いていたが、平成の市役所移転に伴い、出雲のある西に向きが変えられてからは「ヌナカワ姫は遥か出雲を望んで八千鉾神を偲んでおられる」という文言が登場し、観光客誘致活動が顕在化するようになった。
子供の頃は南を向いていたのに、Uターン帰郷したら西向きになっていたヌナナワ姫の銅像。西向きに変えた関係筋に聞いたら、「銅像のすぐ北を走る国道バイパスのドライバーに尻を向けるのは無礼である!」という理由だったらしいが、何で西向き?糸魚川市民に尻を向けても無礼ではないのかな?要するに出雲の方角に向けてラブロマンスの広告塔にしたかったのね・・・セコくね?( ´艸`)
古代のラブロマンスが語られるようになった70年代には、青森の五所川原村(現在は五所川原市)が古代の津軽に王朝があったとする謎の古文書「津軽外三郡誌」を郷土史に組み入れて観光客誘致活動を始め、一定期間は大盛況であったようだが、偽書と報道されて以降は熱気が尻すぼみとなり、今や関係者の誰もが口を閉ざすようになった。
 
考古学的な検証抜きの「古代のラブロマンス」だけを喧伝すると、規模は小さくとも五所川原の轍を踏む可能性もあるが、「とにかく興味を持ってもらって、糸魚川に来てもらうことが大事」とする考えも聞く。
 
しかし悲劇の口碑を記述した渡辺さんや清水友邦さんの著作の読者が、ラブロマンス一辺倒の糸魚川に来たらどんな感想を持つだろうか?
 
あるいは糸魚川に来てから興味を持って、自分で調べて口碑を知ったら?
 
ガッカリとかビックリしない?
岩手在住の清水さんは、縄文や抹殺された女神を世に出す活動をする著述家として有名な方。「よみがえる女神」の表紙は、長者ヶ原考古館に置かれているヌナナワ姫象。数年前に糸魚川フィールドワークのガイドをした縁で意気投合、私の兄貴分のようになった。
 
私を訪ねて来た観光客をフォッサマグナミュージアムに案内すると、入口で流れる「古代のラブロマンス」のビデオと、私から聞いた口碑のギャップに「観光のために歴史を捏造していいの?観光客を騙してまでお金が欲しいの?!」「伝説とは逆のラブロマンスにつくりかえるなんて女として許せない!ヌナナワ姫がかわいそう!」といった反応が返ってくる。
 
冷静に考古学的な考察をすると悲劇の口碑に現実味が増していくばかりだし、町おこし団体がキャッチコピーにしている「世界最古のヒスイ文明のまち」は明らかな誤りだし、文明と文化を取り違えているので日本語として如何なものか。
 
またマスコミに情報提供したり、市民講座で教えていたらしい「ヌナナワ姫は出雲の八千鉾神と結婚して連合国家を樹立して、北陸一帯から山形まで支配していた」という説は、学術的な根拠もないトンデモ説。
 
弥生時代に国家は存在せず、それほど広範囲な地域を支配していたなら卑弥呼に匹敵する権力者であるのに、糸魚川には大型墳丘墓も青銅器などの威信材の出土はなく、出雲勢力の進出が伺える四隅突出型墳丘墓の北限は富山市。
 
地域の歴史や文化を観光に利用するなら、Cool headとWarm heartを併せ持ち、ことによると1,700年近くも子々孫々と語り継がれてきた口碑を蔑ろにせず、考古学にも興味を持って欲しいものですと講演を終えたら、「いやぁ、知らなかった・・・」と何度もつぶやいて、ショックを隠せない人もいたようだ。
 
ウケさえすれば何でもアリという考え方は後から恥ずかしいことになるのデス。COOL!
 
 

 


歴史を地層と同じように捉える基層文化という概念・・・佐京さんの鹿角アクセサリー

2021年03月20日 08時55分29秒 | ぬなかわヒスイ工房

佐京さん作「鹿角ペンダント・楕円タイプ・麻紐仕様」

縄文晩期の亀ヶ岡文化圏から出土した線刻岩版をモデルにしているが、左京作品の文様はもっと複雑で精緻。
土器でも連続模様は、施文しているうちになにがなんだかわからなくなって頭を抱えるものだが、堅いものへの線刻だともっとむつかしい。
 
ましてやオリジナルデザイン作品だと、決まったカタチの中に文様を整えるのは簡単ではない。
 
麻紐も同じ素材で自在ストッパーが付いていて、好みの位置で長さが決められるとあっては、ホンモノの縄文人でも欲しがるに違いない。
歴史年表は横向きや、古い時代から上から下に描かれたりことが多いが、私は地層と同じく古い時代の上に後の時代を積み上げた縦向きで捉えている。
 
だから時代が弥生だろうが古墳だろうが、そして現代であろうが縄文文化は伏流水のように流れ続けていると考える。
 
すなわち「基層文化」という考え方である。
ぬなかわヒスイ工房の「縄文アクセサリー」カテゴリー、https://nunakawa.ocnk.net/product-list/27 で試験販売することになりましたゾ!
 
 
各地に縄文から湧き出る泉がある・・・佐京夫妻は間違いなく縄文ウオーターを飲んだ仲間、青森の縄文人(見習い)。
 
手先の器用さだけでは語れない、縄文の水の美味さに魅入られた現代人だけが作ることができるアクセサリー。
 
 

 

 


どこにも類例のない左京さんの鹿角アクセサリー

2021年03月18日 08時41分43秒 | ぬなかわヒスイ工房

青森の縄文仲間、左京さんの創作意欲がすごい。

コロナ禍で収入源のクラフト市が無くなってしまったので、ぬなかわヒスイ工房の通販サイトでテスト販売することになり、鹿角アクセサリーのサンプルが送られてきた。

どれも見事なのだが、ちっちゃな遮光器土偶イヤリングに笑ってしまった。
鹿角はものすごく堅く、これほど精密な彫刻は本場の北海道でもみたことないくらいの超絶技術。
商品としてのクオリティは十分だが、問題は販売層や商品開発、価格、宣伝文句などのコンセプト設定。
試しにイヤリング装着・・・最初は耳たぶに圧迫感があったが付けているのを忘れて1時間経っていたので合格!
 
縄文人が欲しくなる縄文人(見習い)が作るアクセサリー。
 
ネットワークが広がってきた。
 
 

 

 


夢の中へ・・・カレル・ゼマンの「前世紀探検」

2021年03月17日 07時48分28秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

チェコの人形アニメ作家、カレル・ゼマンの大ファンで、「前世紀探検」の中古DVDを買った。

4人の少年がボート遊びして怪しい洞窟を発見、食料や毛布を用意して洞窟の向こうに行ってみたら、恐竜が棲む不思議な世界だった!というワクワクする物語。
1955年の映画だからもちろんCGなどなく、人形アニメの合成と望遠レンズの特性を駆使した特撮なのだが、速度感や映像解像度が脳ミソの処理能力に合っていて実にいい。
トリケラトプスの背中に乗っている場面など、映画館で観た時は気にならなかったが、後日にメイキング映画を観て、実際には奥行きのない描き割りに少年が乗っている所を望遠レンズで撮影しただけと判明して驚いた。
ゼマン映画は少年時代の夢想や夢の再現として共感できて、子供みたいに口をポカンとあけて見入ってしまう。
 
子供の好奇心を持ったまま、情熱と知恵、技術を持った映像の魔術師、それがゼマン。
 
我もかくありたし、と思うのデス。
 

販売から50年目にして初のモデルチェンジしたウインドサーファー艇、買うた!

2021年03月16日 07時55分02秒 | 田舎暮らし
販売から50年目にして初モデルチェンジした「ウインドサーファー艇」の詳細をメーカーさんに質問メールしたら、新潟市のショップ、ワークスさんに話が回って電話をもらった。
 
この業界は、メーカーさんと販売店さんの連絡が緊密なのは昔から( ´艸`)
私が新潟在住時にお世話になっていたショップで、新品同様の中古があるよという願ってもないおはなし。
 
旧モデルより20リットルのボリュームアップと5キロの軽量化に成功したとあっては、SUPとしても使い勝手がよくなった訳だ。
風速1mでも走るが、3mもあればプレーニング(滑空)して快走してくれる艇。
 
沖から岸に戻る時にウネリの背に乗れるとグインと加速、帆走と波乗りの相乗効果は悦楽・快感、ニカニカするしかない。
新モデルは他メーカーのリグ(帆走用具)も使えるが、強風時でも風を逃がしやすい設計の専用の帆がベストマッチするのデス。
 
仕事の息抜きにSUPで海上散歩、沖に向かってセーリング、日帰りトリップ、来客の海遊び用に・・・蘇るボクの青春・・・買った!
 
90年代には糸魚川にも20人くらいはウインドサーファーがいたしクラブもあったが、今は絶滅。
 
この夏、再びヒスイ海岸にセールが浮かぶ。

ヤップ島の石貨から、太古のヒスイ交易について考える

2021年03月14日 08時15分50秒 | 民俗学ごっこ

太古のヒスイ交易の実態について色々と考えるのだが、上越市のNPO法人「くびき野カレッジ天地びと」にて、元東京電機大学教授の石塚正英先生の講座を聴講。

石貨とは石製のお金と認識されているが、経済法則を体現する貨幣ではなく、宗教的儀礼を体現する貨幣なのだというのが先生の捉え方。

「民間信仰の基底をアミニズム(身体と霊魂の分離)ではなくフェティシズム(身体と霊魂の非分離)に見出す」という先生の文化論も、ヒスイは希少鉱物だから尊いという価値観から脱却して、ヒトとヒスイの物語へと見出す私の考え方に理論的な整合性を示唆してくれて、話が尽きない。
 
思想や哲学といった抽象論は好みではなかったが、具象論や経験値だけでは限界があると感じ、このところ実存主義に興味を持っているので、東京に帰る先生を新幹線駅まで送って質問責め!
 
昔の書生や芸人が、師匠のカバン持ちを勝ってでて、少しでも吸収しようとするのと同じですな。
 
大学教授の講座を無料で聴講できるのに、若い参加者がいなかったのは実にもったいないぞ、上越方面の人たち。