縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

イラン映画「少女の髪どめ」・・・沈黙するアフガンの女たち

2020年07月30日 05時29分51秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
マジッド・マジディ監督のイラン映画「少女の髪どめ」は、イランに移民したアフガン難民の少女と、少女に淡い恋心を抱きつつ、やがてアフガン難民への無償の愛に目覚めていく貧しいイラン青年の物語。
内戦、ソ連侵攻、タリバン支配で村が壊滅したアフガン難民は、隣国に逃れても労働許可がなく、違法で低賃金な肉体労働で命を繋ぐ。
少女もその一人で、家族を養うために男装して、建設現場や冷たい河の中から石を拾って日銭を稼ぐ。
最初は男の子だと思って邪険にする粗野なイラン青年を狂言回しにし、アフガン難民の悲惨な生活が淡々と描かれていく。
 
映画の中で少女は、肉体労働の苦痛に顔をゆがめることはあっても、感情を一切顔に出すことも口を開くこともない。
過酷な運命を「アッラーの導くままに」と言わんばかりに、従容と受け入れるアフガン女性を象徴しているのかのようだ。
 
ラスト近く、アフガンに残った親戚の面倒をみるため、少女の家族はタリバン残党がはこびる故郷に戻ることを決意する・・・民族衣装に身を包み、チャドル(顔の覆い)を被る時の少女の顔は、誇りに満ちている。
 
世界で最も女性差別が酷いとも伝え聞くアフガン、興味と勇気があったら検索すれば正視に堪えない画像が出てくる。
 
鼻と耳を削がれた女性、硫酸を顔にかけられた女性などなど・・・あの少女はアフガンで無事に生きているのか?と切なくなってくる。
 
「教えられなかった戦争」のフィリピンもそうだが、アフガン難民問題も出口が見えない闇。
 
主人公のイラン青年はイラン人の良心、闇の一隅を照らす微かな灯明。
 
多弁に過ぎることなく、淡々と映像を紡いでいく手法をとるマジッド・マジディ監督は、インドのサタジットレイ監督や黒澤、小津安二郎監督に匹敵する偉大な映画人だ。
 
最近の日本映画は、大仰な表情やリアクション、セリフで説明し過ぎるから浅薄で観ていられない。
 
多くの人に観て頂きたい映画。

 


糸魚川に遊びに来るならギョサンがおすすめ

2020年07月27日 08時17分25秒 | 糸魚川自慢

毎年のように新製品を開発するパール工業のギョサンシリーズの、2020年版「ベンハー」がすごくいい。

ギョサンとは、パール工業製の一体成型の合成樹脂製のサンダルが、鼻緒が抜けず、磯で滑りにくいと小笠原の漁師たちが愛用して、口コミで広まったために、「漁業従事者サンダル」と呼ばれ、いつしかギョサンとして売られるようになったサンダルである。

これまで愛用していたスタンダードな2本鼻緒の「カリプソ」と違い、踵が浮かない草鞋に近い履き心地で、でっかい石がゴロゴロ転がっている糸魚川の河原や海岸歩きに最適。
 
私の糸魚川ガイドツアーは、長者ヶ原遺跡でさえ水遊びの要素があるので、スニーカーではなく、濡れてもすぐ乾いて足元のグリップのいいサンダル履きを推奨しているが、スポーツサンダルやクロッグサンダルより、鼻緒のあるサンダルが踏ん張りが利いて断然いい。
 
ウレタン製のビーチサンダルは、鼻緒が抜けたり、雨の時にマンホールや排水溝の鉄製蓋の上で滑ったりするので、底にギザギザが刻まれているギョサンの方が安心できる。
特にベンハーは、私の足型だと小指が少し外に出るので、足指でガシッと掴む感じで凸凹の不整地歩きができるし、木登りだってできる。
 
踵が浮かないので長距離歩行も平気だから、真夏のゲリラ豪雨が心配な東京や、暑い地域の海外旅行でも活躍しそうだ。
 
そんな時は靴づれ対策と、エアコンがきつい電車内の保温のためにも、5本指ソックスをポケットに忍ばせておけば安心。
 
これまで色んなサンダルを試してきたが、ベンハーは最優秀サンダル。
 
ただし2本鼻緒のカリプソの脱ぎ履きしやすさも捨てがたく、家の周辺ではカリプソ、アウトドアではベンハーと使い分けている。
 
興味ある人は、「マツシタ靴店」や「ギョサンネット」というホームページを検索してくださ~い!
 
 

フィリピン産バナナが安い訳・・・「教えられなかった戦争 フィリピン編」

2020年07月22日 18時05分09秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
フィリピン産の安いバナナやパイナップルが、どのように作られ、日本のスーパーに並ぶのか?
 
ミンダナオ島のジャングルでつつましく狩猟採集生活をする人々が、ある日突然に軍隊から立ち退きを命じられる。
 
問答無用にジャングルが開墾され、ドールやデルモンテなどのアメリカ企業のプランテーションができる。
 
財源は日本のODAだ。
「教えられなかった戦争 フィリピン編」の書籍版
 
生活の糧を奪われた人々は、やむなく低賃金のプランテーションで働くが、パイナップルの苗を一人当たり1万株を移植するのが一日のノルマで、先進国で使われることのない猛毒の農薬に曝され、1年をまたず廃人となる過酷な状況。
 
まさしく使い捨ての奴隷だ。
 
生活手段を失った人々はマニラのスラムに移住し、女は夜の街へ、子供は裸足でゴミの山に登り、資源ごみを漁る日々・・・。
 
抗議する勇敢な人は、フィリピン国軍の特殊部隊に次々と暗殺されていく。その訓練先は「思いやり予算」という名の日本の国家予算がつぎ込まれている、沖縄のキャンプハンセン、すなわちグリーンベレーの極東基地。
 
人々の血と涙にまみれた果物は、日本の商社が輸出入を独占し、スーパーで売られる仕組み。
 
現地の人は、日本は鉄砲を使わない戦争を続け、未だに我々から収奪している!と涙ながらに訴える。
 
日本政府と商社、アメリカ企業、フィリピン政府がグルになった巧妙な侵略戦争・・・生活を奪われた人々の共通認識だ。
 
20年ほど前に、この映画をフィリピン当局の眼を盗んで命がけで撮影したのは、日本の高岩仁監督。
 
プレスリリース試写会ではマスコミ各社の記者が騒然となり、「これほど酷い大問題を知らなかった!是非とも記事に!」との声をあげるが、全てデスクの段階でボツ。
 
政治家やスポンサー企業を告発することになるからだ。
 
消沈した高岩監督は上映してくれる映画館を探すが、映画の価値は認めてもらっても、どの映画館も抗議を恐れて上映自粛。
 
だからこの空前絶後の渾身のドキュメンタリー映画は、一般に知られることがなく、有志の草の根運動で細々と上映され、ビデオ販売で拡散しているのみ。
 
失意のうちに高岩監督は亡くなったが、この映画は世界遺産として遺し、少しでも多くの人に知って欲しい。
 
年間で700万tもの食べられる食材が捨てられている、我が飽食日本の裏側の事情である。
 
「教えられなかった戦争」はシリーズになっていて、他に中国編、マレー半島編、沖縄編がありますが、興味のある人、タイトルで検索すれば書籍が購入できます。
 
下記はその抜粋のYouTube動画

編集済 教えられなかった戦争

 

#日本の侵略戦争は終わっていない #教えられなかった戦争フィリピン編 #安いバナナがスーパーに並ぶ仕組み

 


ひすいこたろうさんのYouTubeラジオに出演しました。

2020年07月21日 07時28分02秒 | ぬなかわヒスイ工房

昨年のイベントで遺跡ガイドを務めた縁で意気投合して、今年はすでに2回も糸魚川に遊びに来てくれた、新潟出身のベストセラー作家、コピーライターの「ひすいこたろう」さんが、ご自身の運営する「ひすいユニバース」のYouTubeラジオに出演しましたので、興味ある方は視聴ください!

ひすいこたろう第201回ひすい職人山田修さんから縄文の感性を思い出し届けたい今の時代へのメッセージWe have a dream!

収録はお互いの自宅からZOOMで収録で、便利な時代になったもんです。

他に動画も撮影して、こちらは8月にアップロード予定。

すでに年内中の糸魚川ツアーが企画段階に入った模様・・・ありがたいですなぁ。

 

#ぬなかわヒスイ工房 #糸魚川ヒスイ #長者ヶ原遺跡 #ヒスイ峡 #ひすいこたろう #ひすいユニバース

 


孤独を愉しむ・・・曽利式土器の隆帯紋をヒスイに線刻

2020年07月18日 07時45分49秒 | ぬなかわヒスイ工房

ヒスイはマットな質感だと市場価値が低くい。

そこでマットな質感でも濃い色相のヒスイの場合は、その特徴を逆手にとって線刻ペンダントを作っているが、仕事として非常に面白い。

しかし土器の文様を線刻モチーフにしてみると、素材の違いが如実に現れ、また全体で完璧にバランスされている文様の部分だけ取り出すと、貧相になってしまう問題がある。
 
もちろん量産は絶対にできない手間のかかる仕事。
毎度のごとく敗残兵の悲愁を味わって仕事を終えるのだが、地道に挑み続けて曽利式土器の隆帯紋を線刻してみた。
 
オリジナルの流麗さにはほど遠いが、継続して試行錯誤することが肝要。
 
誰もやっていない分野を開拓しているのだから、孤独とヒリヒリと痺れるような快感のふたつ我にあり。
 
オデは、ヒスイ界のカモメのジョナサン、孤高を愉しむのでR!
 
 

 


皮膚感覚で糸魚川を味わう・・・ビーチサンダルは必需品!

2020年07月17日 09時25分14秒 | 糸魚川自慢

新潟出身のベストセラー作家、「ひすいこたろう」さんが、仲間を連れて2ヶ月連続で遊びに来てくれた。

観光地ではない糸魚川では、インスタ映えする位置や時間帯に案内したり、雑学もまじえた説明が不可欠。

東西の断層の境目で、「欧州と北米を股にかける遊び」は必須!

例えばヒスイ峡に案内したら、流れのゆるい浅瀬に足を浸してもらい、安全なルートで飛沫があがる下流の落ち込みに誘導すると、みなさん無言になって流れを見入って、軽い瞑想状態となる( ´艸`)
 
糸魚川に遊びに来るなら、ビーチサンダルは持って来てほしい。
 
海や川で足を水に浸してもらい、飛沫を顔に浴びてもらえば、皮膚感覚を通して体験は一層に深くなる。
 
ちなみに私が推奨するビーチサンダルは、鼻緒が抜けず滑りにくいギョサンです。
 
ヒスイは水に縁が深く、個人的には水底の色だと感じている。
 
 

チビでも蜂は蜂・・・刺されたら逃げるべし!

2020年07月14日 09時02分51秒 | 整体・動法・稽古会・体験会

ちっちゃくてかわいい蜂でも侮ってはいけません!

明日の体験会で使う竹を竹藪で伐っている時、半袖・半ズボン姿の私は小さな蜂にチクチクと何度も刺されておりました。

 
蚊に刺されるより痛いが、かわいらしい蜂なので我慢しながら作業を続けておったのですが、車に積む時には酩酊状態。
 
最初の兆候は、後頭部から首にかけて熱くなり、次いで息切れ・眩暈・動悸・ろれつが回らないという見事な蜂アレルギー反応。
 
バックミラーで顔を観たら、顔色はどす黒い男前に変貌(笑)
 
普通なら緊急搬送レベルなのですが、私は整体者(野口整体デス)なので慌てず騒がず、竹藪の地主さんと世間話をしつつも整体流の毒消しを試みたら、酩酊状態から胸から周囲に痒みが広がる展開をみせ、解毒を確認。
 
昨年も同じ事態になったのだけど、今年は10ヶ所以上も刺されているので尋常ではなく、なんと口の中まで痒いぞ( ´艸`)
 
我慢できない痒みに、帰宅途中にズボンのまま海に入りデトックスを試みるも、海水が冷たすぎて30分も海に入っておられず、自宅で毒出し風呂に入って痒みは8割ほどおさまった。
 
「毒出し風呂」とは、ぬるいお湯に鳩尾まで入り、急激に温度を上げて汗が出始めたら風呂から出て水を飲む民間療法で、覚えておくと便利です。
 
お陰様をもって今朝は快調で、腕の腫れは僅かで、痒みは断続的に出るものの程度は1割くらい。
 
あと二日もすれば経過するでしょう。
 
今年の教訓
①1回刺されたら逃げろ!
②蜂が繁殖期の夏には、竹藪に入る時は長袖・長ズボンが基本!  以上報告おわり!
 
 

 


縄文土器つくりのついでに土鈴つくり!

2020年07月13日 07時36分18秒 | ぬなかわヒスイ工房
工房を整理していて出てきたのが、20年程前に土器作りの時にあまった粘土で作った土鈴。
紐で束ねて振るとシャラシャラとかわいらしい音がする。
 
たまたま遊びに来た女性からカワイイ!と絶賛されていい気になり、作業机の横に飾ることにした。
 
何も考えない手遊びで作るから面白いが、同じものは二度と作れないのデス。
 
次回のオカリナ作りから再開しようと思う。
 

土偶オカリナのディスプレイサービス開始!

2020年07月12日 09時37分41秒 | ぬなかわヒスイ工房

糸魚川駅すぐちかくの民泊「ひすいの海」さんが、縄文オカリナを売りたいと名乗りをあげてくれ、有難い限り。

マダムはガラスケースに入れてディスプレイすると言っていたが、興味を持った人に手に取って観て欲しいし、各種の土偶の由来、すなわちモノガタリを知って欲しいので、出土地と遺跡名、出土年代を記載した簡易なディスプレイを作成。
ジャズが大好きでライブカフェでもある「ひすいの海」の町澤マダム。糸魚川駅から徒歩10分弱なので、新幹線で訪れる「ぬなかわヒスイ工房」のお客さんに利用者が多いのでありマス。
 
カワイイの琴線に触れるのか、売りたいという人は女性が多いので、今後は要望さえあれば無料で作りますぜね。
 
塗装が必要なら、各自で好きにやって頂ければよろしい。
 

 


女子の団体が遊びに来るのでウエルカム土偶焼成!

2020年07月10日 08時05分41秒 | ぬなかわヒスイ工房

先月の縄文体験会に参加した都会の人たちが、楽しかったので仲間にも体験させたいと再訪することになったので、晴れ間をぬってウエルカム土偶オカリナを焼成。

今度は都会の女性ばかりの団体さんらしいので、「うわぁ~カワイイ!」とウケてくれたら嬉しい。

カワイイから自分も売りたい!という注文も多くなった縄文オカリナ。

燻し焼きの技術も、均一に黒いタイプと濃淡有りのタイプの色付けがある程度は自在にできるようになったし、さらに真鍮ブラシで擦ることで色に深みを出すことができるということを発見!
大事なことは、最新の石笛の技術をフィードバックして、オカリナの性能が向上したこと。

燻し焼きをする晩期の土偶と、赤っぽい焼き肌のハニワを分けて焼いてみたら、作業が忙しくなくていいですな。
 
趣味の遊び仕事がお金になるのも嬉しいが、ヒスイのみならず「縄文文化が栄えた糸魚川」を認識した人が増えて、今度は仲間を連れてきたいと喜んでもらえるのが最大の喜びデス。