みずとはなんじゃ?/かこさとし・作 鈴木まもる・絵/小峰書店/2018年
かこさんがなくなられたのは昨年5月。
NHKの番組で絵本作りのこだわり、子どもたちによせる思いがつたわってきました。
最後の絵本となった「みずとはなんじゃ?」にも「かこさとしさんからのおくりもの」という鈴木さんのエッセーが別冊としてのっているのですが、ここからも、かこさんの思いがつたわってきました。絵本の製作過程で、どれだけのエネルギーをついやされているかは、なかなかうかがい知れませんが、一端を垣間見させていただきました。
いわゆる科学絵本ですが、固体、液体、気体と変化する水を忍者や役者にたとえたり、生き物の命をささえる働きを、料理人や医者にたとえるなどわかりやすくえがかれています。
人間の体の6、7割ほどが水というのはよく知られていますが、そのほかにも新鮮な発見もありました。その一つは、水がないと地面の温度が125度の熱さになるということ。水が水蒸気になるとき、たくさんの熱をうばっていくので地球はそれほど熱くならずに生きていけるというのです(クーラーの働きに例えています)。もう一つは太陽の熱がとどかない夜の温度は そのままだと零下170度になるが、空気や水蒸気が布団の役割をして、それほど寒くもならず、生き物が凍えて死んでしまうことがないということです。
最後はたくさんの動物がえがかれ、環境汚染を防ごうと、メッセージも明快です。