ようちえんがばけますよ/文・内田麟太郎 絵・西村繁男/くもん出版/2012年
みどころがありすぎ。おまけに行きつ戻りつみていくことになるので、取り合いになるというのもわかります。
キツネの子が「ようちえんがばけますよ」と呪文を唱えると、幼稚園の建物だけでなく、窓、靴箱、門、そして先生も子どもも動物に変身。それだけでなく昆虫、魚、おばけ、恐竜、骸骨風まで。
構図が一環していて、園舎、園庭、園庭の遊具、園庭にある三本の木。
これが昆虫風にばけると、門が蝶に、人間がトンボ、セミ、カマキリ、クワガタにばけます。
これがつぎつぎにかわっていきますから、前ページとの比較をしたくなります。いったん比較し始めたらなかなか前に進みそうにありません。
読み聞かせでは、こまかいところがわかりにくいので、手元に置いてさがすことになりますから、絵本の取り合いになるのはまちがいありません。
突然、下書きの絵がでてきて、びっくりすると、これは、キツネくんちょっとつかれて、変身が終了しなかったみたい。大人には、制作の過程を知ることができる貴重なページです。
ようちえんの名前は、「いかたこようちえん」。最初から気になったのですが、期待にたがわず、イカとタコのバトルもあります。
ラストは「だれでもどうぞのようちえんです。」「みんなおいでのようちえんです。」と、動物、昆虫、魚、お化け、骸骨風の面々が大集合です。