ヒルダさんと 3びきのこざる/クエンテイン・ブレイク・文 エマ・チェスター・クラーク・絵 むらおか みえ・訳/徳間書店/2017年
ヒルダさんがかっているのは、こざる。それも3びきです。こざるたちの健康のために、食事にも気を使い、大事にかわいがっていました。
ある日、ヒルダさんがでかけると、こざるたちはきょろきょろ あるきまわり、玄関にある傘をでたらめに ひらいてとじて、靴ひもは かたっぱしから ぬきとって、ヒルダさんの 一番上等な 帽子の羽を ぜんぶむしりとってしまいます。
次の日、ヒルダさんが新しい帽子をかうために、でかけると、3びきのこざるは、なにかおもしろいことはないかなと、応接間のくずかごを ひっくりかえし、ヒルダさんのあみかけのマフラーを ぐちゃぐちゃにし、新聞もひきつぎってしまいます。
台所、お風呂場もめちゃくちゃ。「わたしの しずかなくらしを かえしてちょうだい。こんな にくたらしい こざるなんて もう いらないわ!」と叫んだビルダさんでしたが、ほんとうに追い出すことはありませんでした。
ヒルダさんが、お母さんのお見舞いに行くとき 「こんどこそ おとなしく おるすばんしているのよ ぜったいぜったいよ。いいわね?わすれたら ただじゃおさまりませんからね」と最後通牒をのこしていきます。
その夜帰ってみると、玄関も応接間も台所も どこもかしこも きれいで ぴかぴか。こざるたちがみあたりません。
さんざん、いたずらばかりするこざるたちでしたが、いざ いなくなると、ヒルダさんは、目の前が真っ暗になり、涙が止まりません。
ハンカチがびしょびしょになったので、タオルを出そうと、戸棚をあけると、そこには3びきのこざる。
「こんなに 心配させて…。全く世話の焼けるいたずらっこね。でもすきよ」と、こざるをだきしめるとヒルダさんでしたが。でも、これだけではおわりではありませんでしたよ。
さんざん散らかっていても、ヒルダさんは一向にどうじません。ペットをかうためには、少々のことで驚いてはいられません。
またでかけるビルダさんを、窓で みおくる3びきのこざる、今度は、どんな騒動がまっているのでしょう。