ぼくのおおじいじ/ステイバンヌ・さく ふしみみさを・やく/岩崎書店/2013年
「もうすぐ死ぬの?」とひ孫にきかれて「そうかもしれんな」「だけど、死んだあともずっと おまえの そばにいるよ。やくそくだ」と、こたえる おおじいじ。
おおじいじは おやつの てんさい。チョコがたっぷり かかった とびっきりのワッフルをつくってくれます。
おおじいじは、ときどき、男の子を学校に迎えにいきますが、いつも授業が終わる前にきて、先生に「これから いしゃに いかなきゃならんもんで・・」とか なんとか いいわけ。でも、男の子に 一分でも早く あいたいだけ。
庭で一緒に星をながめていたとき、いきなり おおじいじが「ブルルルッ!」って おならを して「おや、雷だ。雨がふるまえに、いえに はいろうか」と、とりつくろうおおじいじと、おなかをかかえて わらったことが なんども。
男の子は、おおじいじと いると、たまらなく たのしいから すごく としとっていることを すっかり わすれていました。
ところが、ある日、「おおじいじが ねむっているあいだに しんじゃった」って ママとじいじに聞かされます。
二度とおおじいじに会えないのがわかって、すごくへんな気持ち。でも、泣きませんでした。
その晩、ぼくは、庭に出て、ひとりぼっちで 夜空を見上げます。
お月さまをみあげていると、きゅうに「ブルルルッ!」っておならが。そして ぴっかと いなずまが はしり、かみなりが とどろきました。
わーい、おおじいじだ! やっほー!、ぼくを見ててくれるんだ、そう思った瞬間、男の子は空にむかって手をふっていました。
おおじいじが、いつまでも思い出に残っていて、おならで、繋がりを確認できるというのも、湿っぽくなくて、いいですね。
絵はマンガ風で、やさしさがにじみでています。