
やまがあるいたよ/長新太・作/亜紀書房/2018年
ある朝、タヌキのオジサンが散歩していると、きもちのわるいわらいごえが(ここで8コマ漫画にかわりオジサンがいろいろ空想)。
おじさんは笑い声の主が山であることを知ってポンポコやまから、ころげおちてしまいます。
オジサンがやまをくすぐると、どしんどしんと、あるきはじめます。
ここでまた8コマ漫画で、山についていくオジサンの苦労が続きます。
山は、「ちょっと、おなかがすいた」と、手を海の方にのばし、くじらをつかまえ、むしゃむしゃ。
夜にはねむり、翌朝になると、元気いっぱい。どんどんあるいていくと、トンガリやまがみえてきます。
ポンポコやまがやってきたのはトンガリやまとプロレス勝負することでした。見事に勝利したポンポコ山は、また元の場所にもどっていきます。
タヌキのオジサンさんが、「プロレスはこれからもやるの?」ときくと、山は「やりますよ」と、いいます。それも、「たかい、たかい ビルと、プロレスをやりたい」といいます。
タヌキのオジサンは、そんなことになったら、人間たちは大変ですねえ とひとごとのようです。
「ようちえんがばけますよ」と、幼稚園がばける絵本にであったばかりですから、山に足があって、手があり、口があるというのも不思議ではありません。
山と山が争う昔話絵本もありますから、トンガリ山とプロレスするあたりも違和感はないのですが、何を目的にしたのか?と考えるとややこしくなります(というか、考えても無理です)。
さすがに山がクジラをむしゃむしゃ食べるのには!
これだけ奇想天外の絵本が、子どもの想像力をどう刺激するでしょうか。
2018年の発行ですが、「長新太 幻の絵本・復刻第2弾!」とありますから、初版はもっと前。