おかしのまち/作・絵 青山邦彦/フレーベル館/2015年
お菓子屋さんに住みついているてつだいこびとのブラウニーが、お店の材料を全部使ってお菓子の家やお城をつくりはじめました。美味しそうな家とお城ができあがりました。
いざ、食べようとすると、突然ドアが開いて、ブラウニーたちは あわてて 逃げ出しました。
なぜブブラウニーは、お菓子のまちをつくることになったのでしょうか?
それは、腕自慢の店のご主人がでていくように、ブラウニー用のきれいな服をならべてあったのです。
誇り高いブラウニーたちは、かわそうに思われるのが大嫌い。ご主人をこまらせてやろうとお菓子の家をつくることにしたのでした。
前にも絵本を見て、お菓子の家を作ろうとしたのですが、主人が戸棚という戸棚にかぎをかけ、毎晩寝ないで 見張りをしてブラウニーにお菓子作りをさせないようにしていました。
ブラウニーたちは、こっそりお菓子を作るところはみていましたから、おてのものでした。
主人が寝ずの番で熱を出し、材料が全部なくなったので、お店を休もうとしますが、娘のメグは、お店に並べようと言い出します。
お菓子は大評判。お店はそれまでにない にぎわいになりました。
ご主人はお菓子の道具や材料を窓際においてから寝るようになりました、腕比べをしたくなったようです。
ブラウニーはもどってこないと、おくさんはいいますが、せっかくつくったお菓子の家を食べなかったんだもの、きっともどってくるわとメグはいって、窓をじっとみつめます。
その窓からのぞいていたのは?
12ページにわたって、お菓子の家をつくる様子がつづいていて、まあ美味しそうなこと。
絵も俯瞰したり、みあげたり。
ブラウニーには、二つの意味があって、ひとつはチョコレートケーキ、もうひとつはスコットランドや北部イングランドで伝承されている伝説上の妖精のことで、民家に住み着いてその家を栄えさせるなど、日本の座敷童子にちかい存在といいます。
絵本では、ブラウニーに対する礼として衣類を与えてしまうと、働かなくなり家を去ってしまうという伝説がいかされているようです。
ブラウニーの帽子は糸巻きがあったり、頭の布も個性的な巻き方に描かれています。