ロバのロバちゃん/ロジャー・デュボアザン:文・絵 くりやがわけいこ・訳/偕成社/1969年
ロバのロバちゃんはおともだちもおおぜいいます。ところが、うまのパットくんとならんで水をのんでいると、耳がパットくんよりながいことにきがつきます。
「ながくて ばかみたい」とおもったロバちゃんは とてもかなしくなり、もう なんにも たべたくありません。
いぬのヘクターくんは、耳はたらしておくもの
ひつじのムクゲは、やぎのフィーピー、うしのファニーちゃんをみても、耳はよこにあるものといいます。
耳をみんなのいうとおりにしてみますが、わらわれたり、けがをしたりと さんざん。
すずめのダニエルくんは「きみはいぬじゃない。ひつじじゃない。ぶたじゃない。きみはロバだ。ロバは ロバらしく 耳をぴーんと たてとけよ」といって、とんでいってしまいます。
もとのようにすると 女の子とお父さんがとおりかかり「ほら、おとうさん、かわいい ロバちゃんね。お耳がとっても すてき!」というじゃありませんか。
ロバちゃんはうれしくなります。そして、あざみもおいしくたべられるようになり、しあわせなロバに なりました。
ひとのまねをするより、ありのままの自分でいいというメッセージが明快です。
今から50年前の絵本ですが、どうぶつたちの姿をみていると、ほっこりします。