どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おひめさまとカエルさん

2019年12月10日 | 絵本(外国)

   おひめさまとカエルさん/ハーヴ&ケーテ・ツェマック・文 マーゴット・ツェマック・絵 福本友美子・訳/岩波の子どもの本/2013年

 

 この本はツェマック家の合作といいます。ツェマック夫妻の長女のケーテが14歳のときに末妹に語り聞かせたのがもとになって、父親のハーヴが文にまとめ、母親のマーゴットが絵を描いた家族で作った素敵な絵本です。

 <いけに おちた ボール><なくした おつり><おうさまの あたまに とまった とり>の三つのおはなし。おひめさまとカエルがでてきますが、お姫さまといってもお城やきらびやかな衣装などはなく、純朴な子どもといった感じ。

 話もいたってシンプル。

 <いけに おちた ボール>では、ボールをなくし えーん えーん となく おひめさまのボールを カエルさんが さがしてくれ、おひめさまは カエルさんに あめをあげます。

 <なくした おつり>では、リンゴを買って もらったおつりを なくしてしまった おひめさまが えーん えーん とないていると カエルさんが さがしてくれ、おつりで カエルさんにも あめをかいます。 

 <おうさまの あたまに とまった とり>では、おうさまの あたまにとまった とりを なんども おっぱらっても とまってしまいますが カエルがおっぱらってくれます。こんどは、おうさまが おひめさまとカエルに あめをひとつづつくれます。

 ひめさまが えーん えーん と泣くのが、とっても子どもらしい発想です。

 大人が読むよりも、子どもが子どもに読んであげると雰囲気が出そうです。