びくびくビリー/アンソニー・ブラウン・作 灰島かり・訳/評論社/2006年
ビリーは いろんなことが しんぱいで たまりません。
ぼうしのこと、くつ、くも、雨のこと。巨大なとりに さらわれるかも しれないこと。
パパは、かんがえすぎ。ママは「パパと ママがまもってるから こわいことなんかおこらないわ」というのですが。
他人からみると、なんだと思うことでも、気になりだしたら ずっと ひきずります。
ぼくは よわむしだ と おもったけれど、ねむれないって おばあちゃんに いいに いくと おばあちゃんは 「おばあちゃんも こどものころは 心配ばっかりしていたもんだよ」といってくれます。
おばあちゃんが、さがして もってきてくれたのは「しんぱいひきうけにんぎょう」でした。
まくらの したの人形に しんぱいごとを打ち明けると ビリーは、ぐっすり ねむりました。
次の夜も 次の夜も ぐーぐー ねむりました。
ところが しんぱいひきうけにんぎょうが 心配をひきうけたから、にんぎょうたちが こわがっているという心配が はじまりました。
そこで ビリーが作ったのは しんぱいひきうけにんぎょうの ための、しんぱいひきうけにんぎょう でした。
それだけでなく、ともだちにも ひきうけにんぎょうを つくってあげましたから、ビリーも ともだちも、びくびくすることは なくなりました。
しんぱいひきうけにんぎょう(ウォーリー・ドール)は、中央アメリカ グアテマラに昔から伝わる人形で、木ぎれにくず布と糸を巻きつけてつくったものといいます。
ビリーは、マッチ棒一本ほどの名前のついた人形を何本も何本もつくりました。
おばあちゃんさすがです。どこの国にも、おなじような まじないが ありそうです。