どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

てんぐだいこ

2019年12月14日 | 絵本(昔話・日本)

    てんぐだいこ/神沢利子・文 赤羽末吉・絵/偕成社/1982年

 

 たたくと鼻がのびちぢみするふしぎな太鼓を拾った源五郎さん。

 おかねもちのむすめさんの鼻をのばして、もったいぶって 七日間かけて、もとどおりにすると、金持ちから たくさんの 小判を手にいれ、あそんでくらします。

 どこまで 鼻がのびるか ためしたくなった源五郎さん。鼻はのびてのびて天まで。

 天ではちょうど天の川に橋を架ける工事中。いいところに棒がつきでたわいと、天の男は、鼻を欄干にくくりつけてしまいます。源五郎さんが、鼻を短くしようとすると、体は どんどん上に。

 天につくと、雨を降らすのにてんてこまいの鬼に 手伝いをさせられます。

 雨をふらすのがおもしろくなった源五郎さん。突然の夕立で、お祭りの最中の人々が、あわててにげだすありさまが おかしくて あはは わらって のぞくうち 足をすべらせ 真っ逆さまにおちたところが琵琶湖。

 むちゅうになって およぐうち 手足がひれになり、からだに うろこが 生えて源五郎さんは、とうとう ふなになってしまいます。

 この絵本ではありませんが、同様の語りを聴きました。鼻が低い人を、ちょっとだけ高くしてあげる善行?もありました。語り手の方が工夫されていたようです。

 「ぽんぽこ ぽんぽこ と太鼓をたたく」「にょき にょき と 鼻がのびる」「あれ まあ、手足が ひれになり あれ まあ からだに うろこが はえて・・。」と、神沢さんの文もとてもリズミカルです。

 ところで、琵琶湖における本来の小型ゲンゴロウブナは絶滅危惧類に指定されているようです。