どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

とらばあちゃんのうめしごと

2019年12月09日 | 絵本(日本)

   とらばあちゃんのうめしごと/文・いちかわけいこ 垂石眞子・絵/アリス館/2010年

 

 とらばあちゃん、しり込みする孫に、木登りを伝授。

 まずはあたりをみわたすようにいい、あじさい、おとなりのねこ、モチノキの鳥の巣、郵便屋さんをみつけ落ち着いた孫に、梅の実をもぐようにいいます。

 そう うめぼしを作るのです。

 実を洗い、竹ぐしでヘタを取り、天日干し、大きなかめで うめ、塩、うめ、塩の順に何回か塩漬けしてなかぶたをして、しっかり重しをのせます。

 それから二月後、三日三晩 お日さまと夜風にあてて、うめぼしのできあがり。

 おばあちゃんのうめしごとには、昔からの言い伝えがあります。

 ・ほそいえだのさきの梅の実は、かみさまの取り分。

 ・青うめぐいの はらくだし

 ・まっているあいだも ごちそうのうち

 「ねえまだ?」「ねえまだ?」と何度もいう孫に「まっているのも ごちそうのうち」というおばあちゃんと孫の距離がなんともいえない近さ。

 家族のありかたが、かわって おばあちゃんの知恵も 子どもにつたわりにくくなりました。