どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

サヤエンドウじいさん・・ポーランド

2025年01月28日 | 昔話(ヨーロッパ)

   世界の民話/サヤエンドウじいさん/内田莉莎子ほか作 むらかみ ひとみ・絵/日本標準/2007年

 

 ある、村に、イェジーじいさんという、おじいさんが、孫たちと いっしょに くらしていました。ただ、おじいさんは、こまったことに、ほらをふくくせがあって、いつも、でたらめばかりいっていました。口癖は、「わしは、こんな、貧乏暮らしをしているが、いつでも大金持ちになれんだ。サヤエンドウじいさんという 魔法使いがいてな、わしの、言いつけなら、なんでもきいてくれるからさ。」

 さてある日、イェジーじいさんは、畑の番をたのまれ、ちょっと番をしただけで、あげまんじゅうと、スイカと、上等のハムがもらえると いばりました。ところが、もらったのは、小さなキャベツが三つ。そのとき、イェジーおじいさんは、サヤエンドウじいさんにたのめば いいと思い出し、サヤエンドウじいさんをよぶと、なんと、エンドウの花が、ゆらっと ゆれて、こびとのおじいさんが、とびだしてきました。サヤエンドウじいさんは、もう二度とうそをつかないなら、しあわせをさがしにいこうと、旅にでました。

 サヤエンドウじいさんは、小麦でやいたもちをもっていました。旅をするうち、やいたもちは、だんだんへって、あとふたつきりになりました。「今夜は、がまんして、朝まで のこしておこう。」と、サヤエンドウじいさんは、そう言ってねましたが、イェジーじいさんは おなかが、すいてねむれず、とうとうやいたもちをひとつ、食べてしまいました。

 よくあさ、サヤエンドウじいさんは、「ふたつあった、もちのひとつを食べてしまっただろう」と聞きましたが、イェジーじいさんは、食べないと しらを切りました。

 旅を続けているうち、イェジーじいさんは、「わしは、火の中にだって とびこむことができる。火事のときには、いつも、火をくぐって 財産を助け出してやるんだ。あつくも、何ともない。火事だって けしてやるのさ。」と、でイェジーじいさんはまかせをいいました。そのとき、村で火事がおこり、火事を消してくれるようたのまれたイェジーじいさんでしたが、このとき、サヤエンドウじいさんは「たすけてやろう。だが、その前に、本当のことを言いなさい。もちをたべなかったとか、火事をけせるとか、うそをついただろう。」といいますが、イェジーじいさんは、「もちはたべていない、火事を消せるといったおぼえもない。」と、いいはります。それでも、サヤエンドウじいさんは、おおきなじょうろで、水を火にかけました。

 その後も、イェジーじいさんは、「一日中だって、水の中にもぐれる」といって、おぼれそうになったり、「おきさきさまの、はたおりむすめの病気をなおせる」といって、首を切られそうになったりします。そのたびに、サヤエンドウじいさんは、「もちを 食べたと、正直に いうかね」といいますが、イェジーじいさんは、ほらをふいていないと 言い続けます。それでも、サヤエンドウじいさんは、イェジーじいさんをたすけました。

 やがて、サヤエンドウじいさんは、金貨をあげて、「これからは うそをついているうちは、たすけてやらない。」と、ねんをおします。

 村の近くに来ると小山のような、あばれウシが 走ってきて、赤い上着をきた孫めがけて、ツノをふりたてて、おそいかかろうとしました。イェジーじいさんが、サヤエンドウじいさんを大声でよぶと、サヤエンドウじいさんは、「もちを食べたと、正直に言うか」とききます。

 孫が大事なイェジーじいさんが、もちを食べたことを白状すると、・・・。

 

 サヤエンドウじいさんは、うそをついているのがわかっていても、イェジーじいさんを助けてあげる ふところの広いかた。

 自分のことはともかく、孫が 大事というオチに納得。イェジーじいさんは、どこかの国のえらい方と重なりますが、このかたが、嘘を認めることがあるのでしょうか。


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