ねずみのよめいり/田中尚人・再話 アンヴィル奈宝子・絵/玉川大学出版部/2021年
インドにつたわるおはなしとあります。
立派な相手を探して、太陽、雲、山、ねずみと、探していくお馴染みの話。この原典は、インドの「パンチャタントラ」といいますが、再話でどこまで原典に沿ったものかはわかりません。
ねずみと同行者が、探し当てていくというのが多いですが、この話では、ねずみが娘に姿をかえています。
なぜ、ねずみが娘になったのかが、冒頭部にでてきます。
”せんにん”が、タカに襲われたねずみを助け、ねずみを人間の女の子に変えて育て、としごろになると結婚相手を探します。
タカはネズミを助けようとする”せんにん”にいいます。「ひとが むぎや こめを たべるように、ねずみが むしを たべるように、いきものには それぞれの たべものが きまって いるのですよ。それなのに、あなたは わたしが たべものを つかまえるのを じゃまするのですか」
タカの言い分は、ほかのものにはみられません。
擬人化された太陽、雲、山の表情、いかにも”せんにん”らしい人物の描き方、むすめの民族衣装などの色合いにも注目です。
ねずみのけっこん/マヤ族の昔話/ジュデス・デュプレ・文 ファビリシオ・ヴァンテン・ブレイク・絵 晴海耕平・訳/童話館/1994年
絵本ですが、メキシコマヤ族の昔話です。
太陽、雲、風、壁の表情が楽しい。
ねずみのよめいり/小澤 俊夫・再話 金井田英津子・絵/くもん出版/2007年
ちょっと渋い?大人好みの絵本でしょうか。
「猫にご用心」の張り紙があったり、最後の満月の日、提灯行列で嫁入りする場面がいいですね。
本文にはないのですが、大工のおとうさんが、あかんぼうを優しく見つめています。