昨日は西谷から二俣川まで雨の中傘をさして歩く。
途中聴いた曲はイサシの交響曲第二番である。
イサシは、1890年スペインのビルバオで生まれた作曲家。
CDの英文による解説文では1910年にベルリンに行き、
フンパーディンクなどのクラスで学んだと書いてある。
交響曲第2番は1931年に作曲されたが、
第一楽章を聴いてみるとドイツ的な感じは出ている。
解説書にはリヒャルト・シュトラウス風もしくは、
初期のスクリャービン風に書かれていると書いてある。
初期のスクリャービン風かはわからないが、
リヒャルト・シュトラウス風というのはよくわかる。
アルプス交響曲のような作品を聴いているようで、
自然を謳った作品のようで、ロマンティックである。
クラリネットに始まり弦楽器に引き継がれる旋律の、
牧歌的でのどかな感じがいい。
アダージョの第二楽章で旋律として登場するのは、
鳥のさえずりあったりし、牧歌的な雰囲気がただよう。
しかし、突如としてその雰囲気が崩されたりもするが
この辺りもリヒャルト・シュトラウス的な展開である。
第三楽章の冒頭は、ヴァイオリンがピチカートと
コル・レーニョの奏法で演奏するが、
第一楽章や第二楽章とは違い、展開の仕方はおもしろい。
冒頭はサン・サーンスの交響曲第3番を聴いているようで、
全体的にはフランスの管弦楽曲を聴いているようでもある。
第四楽章の最初から登場する主題はロシア聖歌風旋律だという。
これはドイツ民謡「別れ(ムシデン)」に似ている。
逆にいえば、本当にこれをロシア聖歌風に思う人はいるのか?
6分50分からホルンにより演奏されるゆったりと主題を聴くと、
どうしたってこりゃ「別れ(ムシデン)」じゃないだろうか?
それはそれとして、この主題をもとにした展開はブラームス的だ。
「大学祝典序曲」を聴いているみたいであるし、
「ハイドンの主題による変奏曲」をも思わせる展開だ。
時々ワグナー的(あるいはブルックナー的?)になったりもする。
このように民謡ぽい(ロシア聖歌風でもいいが)旋律が、
ここまで大げさに展開されるのはどうなんだろう?
作曲者はとても気に入った旋律だったのだろうけどね。
イサシがこの作品を書いていた1930年代は聴衆の関心は、
ロマン派的な作品ではなく現代音楽の方にいっていただろう。
だからこそ音楽界の中で忘れさられてしまったのだろう。
この作曲家は結局時代の潮流には乗れなかったけれど、
それでもドイツのロマン派音楽が好きだったんだろうなあ。
今回取りあげたイタリア・スペイン・ポルトガルの作曲家の
交響曲に関するCDの情報は、私のHPの以下のアドレスに載せました。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/symphony-cd-shoukai.html
参考にしていただければ幸いです。
途中聴いた曲はイサシの交響曲第二番である。
イサシは、1890年スペインのビルバオで生まれた作曲家。
CDの英文による解説文では1910年にベルリンに行き、
フンパーディンクなどのクラスで学んだと書いてある。
交響曲第2番は1931年に作曲されたが、
第一楽章を聴いてみるとドイツ的な感じは出ている。
解説書にはリヒャルト・シュトラウス風もしくは、
初期のスクリャービン風に書かれていると書いてある。
初期のスクリャービン風かはわからないが、
リヒャルト・シュトラウス風というのはよくわかる。
アルプス交響曲のような作品を聴いているようで、
自然を謳った作品のようで、ロマンティックである。
クラリネットに始まり弦楽器に引き継がれる旋律の、
牧歌的でのどかな感じがいい。
アダージョの第二楽章で旋律として登場するのは、
鳥のさえずりあったりし、牧歌的な雰囲気がただよう。
しかし、突如としてその雰囲気が崩されたりもするが
この辺りもリヒャルト・シュトラウス的な展開である。
第三楽章の冒頭は、ヴァイオリンがピチカートと
コル・レーニョの奏法で演奏するが、
第一楽章や第二楽章とは違い、展開の仕方はおもしろい。
冒頭はサン・サーンスの交響曲第3番を聴いているようで、
全体的にはフランスの管弦楽曲を聴いているようでもある。
第四楽章の最初から登場する主題はロシア聖歌風旋律だという。
これはドイツ民謡「別れ(ムシデン)」に似ている。
逆にいえば、本当にこれをロシア聖歌風に思う人はいるのか?
6分50分からホルンにより演奏されるゆったりと主題を聴くと、
どうしたってこりゃ「別れ(ムシデン)」じゃないだろうか?
それはそれとして、この主題をもとにした展開はブラームス的だ。
「大学祝典序曲」を聴いているみたいであるし、
「ハイドンの主題による変奏曲」をも思わせる展開だ。
時々ワグナー的(あるいはブルックナー的?)になったりもする。
このように民謡ぽい(ロシア聖歌風でもいいが)旋律が、
ここまで大げさに展開されるのはどうなんだろう?
作曲者はとても気に入った旋律だったのだろうけどね。
イサシがこの作品を書いていた1930年代は聴衆の関心は、
ロマン派的な作品ではなく現代音楽の方にいっていただろう。
だからこそ音楽界の中で忘れさられてしまったのだろう。
この作曲家は結局時代の潮流には乗れなかったけれど、
それでもドイツのロマン派音楽が好きだったんだろうなあ。
今回取りあげたイタリア・スペイン・ポルトガルの作曲家の
交響曲に関するCDの情報は、私のHPの以下のアドレスに載せました。
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/symphony-cd-shoukai.html
参考にしていただければ幸いです。