Mars&Jupiter

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愛らしいグスターヴ・ホルストのフーガ風協奏曲

2007-05-13 06:55:33 | グスタフ・ホルストの交響曲・管弦楽曲
昨日はカーサ・クラシカの昼のライブに行った。
ウォーキングについては、お休みしました。

今日からはホルストの作品をいくつか紹介していきたい。
ホルストというと組曲「惑星」があまりにも有名なのだが、
他の作品を録音したCDはあまりレコード店では見かけない。

今日とりあげるフルートとオーボエのために書かれた
フーガ風協奏曲作品40-2もその一つである。
今回はホルストの娘イモージェンが、
イギリス室内管弦楽団を指揮したCDで、
リリタ(Lyrita)のレーベルのものを紹介したい。

この作品自体は演奏時間8分くらいの小品であるが、
簡素で愛らしい魅力ある作品である。
フルートはウィリアム・ベネットが吹いており、
彼の演奏がこの曲にとてもあっているのでお薦めである。

第一曲のモデラートは弦楽器が奏する親しみやすい主題を
オーボエが引継ぎ、それをフルートがさらに引継ぎ、
弦楽器とオーボエとフルートのかけあいにより、
曲は展開される新古典主義的な簡素な曲である。

第二曲のアダージョはフルートが主題を吹いて始まる。
オーボエがそれを引き継いで曲は展開していく。
ベネットのフルートの演奏が素晴らしいし、
それに応えるオーボエの演奏も美しい。
叙情的な曲であり、曲は切れ目なく第三曲に入る。

第三曲のアレグロでは最初に弦楽器の中で主題が
フーガ風的に扱い、続いてその主題をオーボエ、フルートが
引継ぎながらフーガ風に曲が展開していく。
そのうち民謡風のもう一つの主題がフルートに現れるが、
これは17世紀の舞踏曲の旋律らしく、
‘If all the world were paper’曲の旋律らしい。
それら二つの主題を使用し、弦楽器とフルートとオーボエが
フーガ風な展開をして、最後はあっさり終わる。

イモージェン・ホルストが書いたCDの解説文によると、
この曲が作曲された1923年はホルストが以前好んでいた
対位法に復帰した年で、「新古典主義」ということばが、
当時のヨーロッパの音楽評論家の中で使われ始めた年でもあった。
本人は「バッハに帰れ」と呼ばれる運動を耳にしていなかったが、
それに先駆けてこのような新古典主義的な作品を書いたようだ。

ホルストの作品も「惑星」だけではなく、隠れた名曲が多い。
次回は五重奏曲イ短調を取りあげようと思います。
コメント
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