Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

グスターヴ・ホルストのサーヴィトリ(savitri)を聴き、横浜から和田町まで歩く

2007-05-16 07:07:52 | グスタフ・ホルストの声楽曲・合唱曲
昨日は横浜から和田町まで歩いた。
もちろん、いつもどおりのコースを歩く。

途中聴いた曲はホルストのサーヴィトリ(サヴィトリ)(savitri)である。
この作品は、一幕ものの室内オペラであり、
1907年から1908年に作曲された作品である。
編成は12人の演奏者による管弦楽と3人の独唱者、
そして舞台裏に配置される女声合唱からなる。
古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」に基づいた作品で、
登場人物は3人しかいないし、演奏時間は30分程度と短い。

作品のあらすじは、妻サーヴィトリが、
きこりの夫サティアヴァンの帰りを待っていると、
目には見えないが死神の声が聞こえてくる。
死神は、「私は汝の夫を迎えに来た」といい、
死者のための門が開かれていると妻に伝える。

死神の魔の手から夫を救い出すために、
妻サーヴィトリは必死になる。
夫サティアヴァンが「おまえはどこにいる。
私の目はぼやけていて、おまえの姿が見えない」というと、
サーヴィトリは「私はあなたとともにいます。
私の腕はあなたの周りにあります」と答える。
(ちょっと直訳調だが、あなたを守っているということだろう)
その後は死神とサーヴィトリの対話を中心に物語は展開し、
死神はサーヴィトリの素朴な優しさを知り、聖性を認め、
夫を死から助けたいという彼女の望みが
最後にはかなえられるという話である。

ホルストが若い時期古代インドの文学や思想に
興味を持っていたことは、前回も述べたとおりだが、
この作品でホルストは作曲家としての評価を初めて得たようだ。

もちろん、この曲は組曲「惑星」とは違って、地味ではある。
しかし、舞台裏に女声合唱を配置するのは、
「惑星」の「海王星」にみられるやりかたである。
また、ストラヴィンスキーが小編成の管弦楽と、3人の語りによる
「兵士の物語」を1918年に作曲したことを考えると、
その10年前に(ここでは語りではないが)3人の歌い手による作品を
作曲したということが、重要な気もする。
ホルストが「イギリスのストラヴィンスキー」と評されるゆえんだ。
私が中学の時の合唱部で演じた日本の創作オペラ「鷹の泉」も、
独唱者3人と合唱団とピアノによるものだった。
管弦楽ではなくピアノというところは違うが、似ているなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする