昨日は、横浜から和田町まで歩きました。
途中聴いたのは1739年生まれのヴァンハルの作品。
ヨハン・バプティスト・ヴァンハルは、ボヘミア出身の作曲家で、
チェコ名ではヤン・クシュチテル・ヴァニュハルとなるようだが、
ウィーンに住んでからは、ウィーン中心に活躍した人物なので、
ドイツ・オーストリア編の中で触れておきたい。
しかも、モーツアルトやハイドンと同時代に活躍したヴァンハルは、
名は知られていないが無視できない作曲家であると思う。
農民の家庭に生まれた彼は、早くから音楽の教育を受け、
村のオルガン奏者などを経験し、1760年からウィーンに住み、
1780年頃からは作曲した作品の出版と音楽教師として、
生計をたてることができた最初の作曲家であるともいわれている。
交響曲ニ長調(Bryan D2)は1763年から1765年の間に
おそらく作曲されたであろうと推定されている。
第一楽章アレグロは、ダイナミックに軽快に始まる。
ティンパニ・トランペットが加わり、華やかな短い楽章である。
第ニ楽章アンダンテは、弦楽器のみの楽章で歌うような旋律が奏される。
その旋律は、モーツアルトの作品のフレーズにも一部似て優雅さがある。
第三楽章メヌエットは、ティンパニとトランペット、ホルンが加わり、
舞踏的であるだけでなく、ダイナミックさが加わっている。
中間部は対照的に弦楽器のみによる優雅な音楽である。
最後は再び冒頭の主題が現れ、華麗に終わる。
第四楽章アレグロは、軽快でダイナミックな音楽である。
転調もしながら主題を展開し、この手法はなかなかである。
交響曲ハ短調(Bryan c2)は1760年代半ばから
1770年代初頭にかけて作曲されたとされている。
第一楽章アレグロ・モデラートの短調で始まる主題は印象的であり、
その主題を基に展開されるところはハイドン風のところもあるが、
その作曲技法はハイドンと肩を並べるくらいの技術の高さを感じる。
ティンパニや金管楽器の扱い方がうまいなあと思わせる。
第ニ楽章アンダンテは、弦楽器のみによるゆったりとした楽章。
そのスタイルの旋律はバロック風な古風さを感じさせるが、
ハイドンの緩徐楽章を思わせる主題の展開の技法はあざやかである。
第三楽章メヌエット・モデラートは、旋律が短調であるため、
モーツアルトのト短調交響曲(第25番)との近さを感じる。
ティンパニと金管楽器が加わり、なかなか素晴らしい。
中間部はフルートが加わり、優雅な感じで対照的である。
作曲年代も近いのでモーツアルトもヴァンハルからの影響を
受けたのではないかとさえ思えるくらいである。
第四楽章アレグロ・モルトは、ティンパニと金管楽器が加わり、
ダイナミックに、しかし短調なので悲劇的な感じである。
駆け抜けるような軽快さは、モーツアルトに引けを取らないくらいだ。
主題を展開する技法はこの楽章でもあざやかであり、
全曲を通して聴いた感じは、インパクトのある傑作である。
モーツアルトの交響曲第25番を聴くときには、
作曲時期が近いこの交響曲ハ短調(Bryan c2)を
是非比較のために聴いてみてほしいと思う。
モーツアルトの交響曲群はもちろん素晴らしいのだが、
ヴァンハルの交響曲もなかなか素晴らしい。
途中聴いたのは1739年生まれのヴァンハルの作品。
ヨハン・バプティスト・ヴァンハルは、ボヘミア出身の作曲家で、
チェコ名ではヤン・クシュチテル・ヴァニュハルとなるようだが、
ウィーンに住んでからは、ウィーン中心に活躍した人物なので、
ドイツ・オーストリア編の中で触れておきたい。
しかも、モーツアルトやハイドンと同時代に活躍したヴァンハルは、
名は知られていないが無視できない作曲家であると思う。
農民の家庭に生まれた彼は、早くから音楽の教育を受け、
村のオルガン奏者などを経験し、1760年からウィーンに住み、
1780年頃からは作曲した作品の出版と音楽教師として、
生計をたてることができた最初の作曲家であるともいわれている。
交響曲ニ長調(Bryan D2)は1763年から1765年の間に
おそらく作曲されたであろうと推定されている。
第一楽章アレグロは、ダイナミックに軽快に始まる。
ティンパニ・トランペットが加わり、華やかな短い楽章である。
第ニ楽章アンダンテは、弦楽器のみの楽章で歌うような旋律が奏される。
その旋律は、モーツアルトの作品のフレーズにも一部似て優雅さがある。
第三楽章メヌエットは、ティンパニとトランペット、ホルンが加わり、
舞踏的であるだけでなく、ダイナミックさが加わっている。
中間部は対照的に弦楽器のみによる優雅な音楽である。
最後は再び冒頭の主題が現れ、華麗に終わる。
第四楽章アレグロは、軽快でダイナミックな音楽である。
転調もしながら主題を展開し、この手法はなかなかである。
交響曲ハ短調(Bryan c2)は1760年代半ばから
1770年代初頭にかけて作曲されたとされている。
第一楽章アレグロ・モデラートの短調で始まる主題は印象的であり、
その主題を基に展開されるところはハイドン風のところもあるが、
その作曲技法はハイドンと肩を並べるくらいの技術の高さを感じる。
ティンパニや金管楽器の扱い方がうまいなあと思わせる。
第ニ楽章アンダンテは、弦楽器のみによるゆったりとした楽章。
そのスタイルの旋律はバロック風な古風さを感じさせるが、
ハイドンの緩徐楽章を思わせる主題の展開の技法はあざやかである。
第三楽章メヌエット・モデラートは、旋律が短調であるため、
モーツアルトのト短調交響曲(第25番)との近さを感じる。
ティンパニと金管楽器が加わり、なかなか素晴らしい。
中間部はフルートが加わり、優雅な感じで対照的である。
作曲年代も近いのでモーツアルトもヴァンハルからの影響を
受けたのではないかとさえ思えるくらいである。
第四楽章アレグロ・モルトは、ティンパニと金管楽器が加わり、
ダイナミックに、しかし短調なので悲劇的な感じである。
駆け抜けるような軽快さは、モーツアルトに引けを取らないくらいだ。
主題を展開する技法はこの楽章でもあざやかであり、
全曲を通して聴いた感じは、インパクトのある傑作である。
モーツアルトの交響曲第25番を聴くときには、
作曲時期が近いこの交響曲ハ短調(Bryan c2)を
是非比較のために聴いてみてほしいと思う。
モーツアルトの交響曲群はもちろん素晴らしいのだが、
ヴァンハルの交響曲もなかなか素晴らしい。