Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

アーネスト・ジョン・モーランのオーボエと弦楽器のための幻想的四重奏曲、そしてコッツウォルズの村々

2008-08-24 13:03:29 | 古典~現代音楽イギリス編
昨日はコッツウォルズの村々の中を散策しました。
さすがに一人で行くには大変な場所なので、
某社のツアーに参加し、バスで三つの村をめぐった。
最初のバーフォードは、こじんまりとした村である。
村の教会は立派な建物で、当日の午後結婚式があるためか、
教会の関係者は忙しそうにしていた。
村のはずれにかかっている小さな橋は中世の面影を残している。
ちょっと村の中を入ると現在そこに住む人々の暮らしがみえてくる。

二つ目に入ったボートン・オン・ザ・ウォーターは、
「リトル・ヴェニス」とも呼ばれ、かなり観光化された場所である。
様々なものを売るお店や居酒屋が立ち並び、
その中は一種のテーマパークのようでもある。
食事を済ませ、色々な店を回るとあっという間に2時間が過ぎた。
三つ目のストウ・オン・ザ・ウォルドは、
昔市場があったであろう村の構造を分かりやすく教えてくれる。
中心にある教会、そしてその周りに設けられた市場のスペース、
そしてそれを取り巻くお店などの様々な家並み。
現在はアンティーク・ショップなどが多くなっている。
ここも周囲を散策し、店の中を少し覗いただけで、
1時間があっという間に過ぎてしまう。

ところで昨日散策中に聴いたのはモーランの作品。
オーボエと弦楽器のための幻想的四重奏曲は、
1946年に作曲された単一楽章による作品である
大戦後の1946年12月8日にカーター弦楽三重奏団と
献呈者のオーボエ奏者レオン・グーセンスによって初演された。
ノースフォークに住んでいた時に作曲されたこの曲は、
アレグロ・モデラートによる音楽は、ゆらめくような弦楽器の、
伴奏に乗ってオーボエが民謡風の主旋律を奏でて始まる。
その主題を中心に展開する曲は、のどかな感じであり、
あるところでは行進曲風になり、哀愁を漂わせながら、
刻々と変化していくイギリスの田園風景を描写している。
これを聴きながらコッツウォルズの村々を歩いていると、
BGMをしては最高のように思え、幸福感に満たされる。
民謡に基づくモーランの曲がコッツウォルズの風景に似合う。
そのあとホルストのコッツウォルズ交響曲も聴いたが、
コッツウォルズ交響曲については別な機会で触れたい。

コッツウォルズからロンドンに戻ってからは、
ピカデリー・サーカスからヴィクトリア駅まで地下鉄で行き、
翌日のストーンヘンジのツアーを申し込む。
そしてヴィクトリア駅からヴィクトリア・ストリートを歩きながら、
ウォータールー駅まで向かうが、その先の右手には、
ウェストミンスター大聖堂やウェストミンスター寺院、
そしてビックベンのある国会議事堂が見える。
ちょうど6時の鐘が鳴り始め、付近には観光客があふれていた。
(という私も一人の観光客ではあるが)
さすがにこのあたりはロンドン観光の名所といえる。
さすがに今日一日の散策で足も疲れたが、
帰ってゆっくり休んで明日のツアーに備えようと思った。
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グスタフ(グスターヴ)・ホルストのオーボエと弦楽四重奏のための3つの小品作品2を聴き、大英博物館まで

2008-08-23 12:36:07 | グスタフ・ホルストの室内楽曲・器楽曲
昨日はシェパード・ブッシュから大英博物館まで歩きました。
ホランド・パーク・アベニューを歩き、
ケンジントン・ガーデンズに入ってこの道に並行する道を歩き、
ハイドパークの中も歩きながら進む。
途中リスを見かけたりし、のどかな雰囲気を楽しむ。
さらにオックスフォード・ストリートに入り、
途中ボンド・ストリートにあるHMVに入り、
日本で見かけないホルスト関係のCDがないか探す。
ここまでが約1時間10分である。
左右にデパートが立ち並ぶこの場所を通過し、
さらに地下鉄のトテナム・コート・ロードの駅を通過し、
ミュージアム・ストリートに入ると目の前に大英博物館が見える。

大英博物館に入るのは久しぶりだが、
昔に比べるとさらに展示物などが整理されていた。
相変わらず訪れる観光客は多いのだが、
まんべんなく回ってみるがさすがにここまで歩いてきたので、
長い時間一つのところに立ち止まる気にはなかなかなれないが、
一つだけシュメール文明のところで、私は立ち止まった。
以前行った時に見かけることができなかった書板があったのである。
有名なギルガメシュ叙事詩の洪水伝説の書かれた粘土板に
今回出会えただけで私は満足した気持ちになった。
それにしても実物は想像したものより小さいものであった。

途中聴いた曲は1874年生まれのホルストの作品である。
室内楽曲の分野ではそれほど多くの作品を残していないが、
その中でも聴いた曲は彼が20代の頃の初期の作品である。
オーボエと弦楽四重奏のためのエアと変奏曲は1896年に作曲された。
短い曲だが、聴いていてオーボエの音色が暖かく聴こえる。
ゆったりとしたエアに続き、変奏曲では弦楽の軽快な伴奏にあわせ、
オーボエが優雅に歌い、ところどころにイギリスの舞踏を感じさせる。

オーボエと弦楽四重奏のための3つの小品作品2も、
彼が王立音楽院の学生であった22歳の時に作曲されている。
1896年に完成したのだが、その後1910年に改訂が加えられている。
第1楽章行進曲は、三部形式によって書かれているようである。
主題はゆったりとした行進曲風の足どりの曲である。
第2楽章メヌエットは、何度も登場する主題は、ブラームスを思わせる。
主題は何となくハイドンの主題による変奏曲と似ていているが、
途中出てくるもの悲しげな旋律やイギリス風の旋律もあるので、
必ずしもそれだけではないが、叙情的な味わいのある楽章である。
第3楽章スケルツォは、軽快で流れるような音楽だ。
途中にトリオが入る三部形式の作品である。
曲の最初は明るい長調で始まるのだが、
最後は名残惜しいかのように短調で終わる。

CDの解説書をみるとオーボエと弦楽四重奏のためのエアと変奏曲は、
オーボエと弦楽四重奏のための3つの小品作品2が1911年に初演される時、
この作品群から外され、3つの小品集として世に出されたようである。
だからこの曲だけは存在が知られなくなっていたようだが、
比較して聴いてみるとそれはわかるなあという気がする。
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ハマースミスからピカデリーサーカスまで歩く、そしてフレデリック・ディーリアスの弦楽四重奏曲

2008-08-22 17:23:35 | 古典~現代音楽イギリス編
21日から一週間の滞在予定でイギリスのロンドンに来ました。
昨日はハマースミスからピカデリーサーカスまで歩きました。
ハマースミス・アベニューからケンジストン・ハイ・ストリートに入り、
そのまま東に向かい、ハイド・パークを左手に見ながら、
ロイヤル・アルバート・ホールを通過し、ナイツブリッジ、
そして右手にグリーンパークを見ながらピカデリーを北上、
ピカデリーサーカスのエロスの像のところまで来て、
その日のウォーキングの目的地にたどりつく。

今回から器楽曲・室内楽曲はイギリス編に入る。
今回聴いたのは1862年のディーリアスの弦楽四重奏曲だ。
弦楽四重奏曲は1916年に作曲された作品である。
初演は1919年ロンドン弦楽四重奏団により行われたらしい。
第1楽章「いきいきと」は、穏やかな感じの主題から始まる。
ソナタ形式で書かれたこの楽章は表情豊かな音楽で、
円熟期のディーリアスの最良の時期を感じさせる。
第2楽章「速く快活に」は、軽快で明るい旋律で始まる。
三部形式で書かれた短いスケルツォ楽章のようで、
中間部のやさしい音楽も幸福感を伝えているような音楽である。

第3楽章「おそいつばめ(ゆっくりと、あこがれをもって)」は、
叙情的な美しいディーリアスらしい音楽である。
フランスのフォンテーヌブロー付近のグレ・シュレール=ロアンに
ディーリアスは妻イェルカとの結婚生活を楽しんでいたが、
第一次世界大戦の時にはドイツの侵入を恐れロンドンに住んだ。
だからそのグレの生活を懐かしんでいたようだ。
その邸宅の音楽室に巣を作ったつばめのことを思い出し、
憧れをもって音楽にしたのだろう。
第4楽章「非常に速く活気をもって」は、
軽快な感じで始まる明るい曲である。
それにしてもディーリアスの音楽は詩的な趣のある曲で、
フランス印象主義派とも共通して絵画風な感じがするのである。
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アントン・ルービンシュタインの練習曲ハ長調作品23の2「スタッカート」、二俣川から緑園都市まで

2008-08-21 05:21:08 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は二俣川から緑園都市駅まで歩きました。
二日間ウォーキングを休んだこともあって、
歩いても足の痛みは少なくなった感じがする。
途中聴いたのは1829年生まれのルービンシュタインの作品。
ピアニストとして活躍していただけでなく、
サンクトペテルブルク音楽院を創設した人物である。
作風はドイツ・ロマン派主義的で保守的といわれている。

練習曲作品23は1849年から1850年にかけて作曲され、
6つある練習曲のうち「スタッカート」は、2番目の曲にあたる。
聴いたCDはボレットが演奏しているものである。
短い曲であるが、アンコール曲として演奏するには、
軽快なピアノの演奏技術をみせることのできる華麗な曲で、
三部形式風の曲で、最初の主題をもとに展開しながら、
中間部にゆったりとした感じの叙情的な部分が出てくる。
その後再び最初の主題による展開が続き、
最後は圧倒的な華やかな感じで終わる曲である。

しばらく個人的には1週間くらいお休みをとり、
充電をしようと思っています。
今回をもって器楽曲・室内楽曲のロシア編は終わりにします。
次回からはイギリス編に入りたいと思います。
なお、前回とりあげた器楽曲・室内楽曲のロシア編に関する
CD等の情報は、以下のアドレスに載せてあります。http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/chamber-music-cd-rusia.html
を参考にしていただければ幸いです。
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アルフレット・シュニトケのチェロ・ソナタ第2番、二日連続お休みのウォーキング

2008-08-20 07:03:09 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日も足の指に豆ができているので、少し歩くだけで痛く、
一日多忙であったこともあり、ウォーキングは休みました。
2日連続の休みは私にとっては珍しいといえば珍しい。
今回取り上げるのは1934年生まれのシュニトケの作品。
ソ連のヴォルガ・ドイツ人自治共和国のエンゲリスに生まれた彼は、
ヴァイマル共和国から移住してきたユダヤ系ドイツ人を父に持つ。
(ちなみにエンゲリスという都市の名は、
思想家エンゲルスの名前から由来しているということだ。)
第二次世界大戦後のウィーンで音楽教育を受け、
その後モスクワ音楽院でラーコフに学んでいる。
彼の作風は色々な前衛音楽の影響を受けながら、
やがて「多様式」とよばれる作曲様式へと移ったようだ。

チェロ・ソナタ第2番は1994年に作曲された作品で、
ロストロポーヴィチに献呈された曲である。
もちろん聴いたCDのチェロの演奏はロストロポーヴィチである。
第一楽章「自由なテンポで」は、重苦しいピアノの一音で始まる。
そのあとチェロの自由な独奏が続き、
ピアノの伴奏は時々一つの音を控え目に奏していく。
チェロはそれに応え、旋律を歌うように奏していく。
第二楽章アレグロは、前楽章とはうって変わった激しい音楽で、
ピアノ伴奏の部分に前衛的な部分が見られ、シュニトケらしい。
第三楽章ラルゴは、再び沈鬱な感じの音楽になる。
音楽は途中情熱的な感じになるが、最後再び静かな感じで終わる。
第四楽章アレグロは、テンポの速い激しい音楽で、
十二音技法的な音楽を感じさせる曲で、
チェロの技巧的な演奏が目立つ曲である。
第五楽章レントは、前楽章から切れ目なく入る。
時々チェロが長く引き伸ばすような持続音を奏し、
チェロに応えるような音をピアノが奏する。
独白のようなチェロの演奏は最後になると
やがて持続音を繰り返し奏するようになり、
その静かな音楽のうちに全曲は終わる。
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