拙ブログでは以前、台湾におけるレンタカーの利用方法について記事にしたところ(その記事はこちら)、非常に多くの反響があり、有難いことに公開から7年経った今でもアクセス数が多い状態が続いています。そして私がその記事をアップして以降は、台湾のレンタカーを利用した旅行記や、別の切り口で紹介した台湾レンタカー利用情報などが、ネット上で多く見られるようになりました。台湾における日本人のレンタカー利用者数を増加させたのは拙ブログであると自負しております。もちろん私も毎年台湾でレンタカーを利用し、効率良く旅を満喫しております。
しかしながら、こんなことを偉そうに申し上げたところで、私はいつもトヨタのYARIS(旧Vitz)か同等クラス、つまり小さくて安いクラスの車しか借りていないため、台湾のレンタカーにおける車種については、あまり知識や経験がありません。あぁお恥ずかしい…。
そんな中、前回及び前々回記事で取り上げた高雄市の復興温泉へのアタックを計画した際、車で向かう道の一部が荒れているらしい、との情報を得たので、これを機にいつものYARISから脱却し、車高が高いSUVを借りてみることにしたのです。どうせ借りるのならば、台湾で圧倒的なシェアを占める日本車(約7割)ではつまらない。台湾には台湾オリジナルの「LUXGEN(裕隆)」というメーカーがありますから、台湾車で台湾をドライブしてみたくなりました。
いざ現地レンタカー業者に問い合わせてみると、上述のように日本車のシェアが圧倒的であるという状況ゆえ、なかなかLUXGENに巡り会えません。あったとしても台数が少なかったり、金額が中途半端だったりして、つい予約を躊躇してしまいます。そんな中で今回お世話になったのが台湾の大手レンタカー業者「格上租車」。私がこちらのお世話になるのは3回目で、前2回の利用時には、安定したサービスと早いレスポンスのおかげで安心して予約やピックアップができました。
さてこの格上租車の親会社は裕隆汽車。つまり私が乗りたいLUXGENを生産しているメーカーそのものです。つまり、台湾でLUXGENの車を借りたければ、まず格上租車に問い合わせるのが確実なんですね。ということで、格上租車の公式サイトから予約を済ませ、復興温泉へのアタック当日に営業所へと向かいました。
今回車をピックアップしたのは高鉄(台湾新幹線)左営駅の駅前にある格上租車の高雄営業所。
高鉄駅前という立地なので、てっきり外国人観光客に慣れているのかと思いきや、私を担当してくれたスタッフは華語オンリー。片言の華語しかわからない私はちょっと困ってしまいましたが、でも何とか借りることができました(前2回の時、スタッフは英語が話せたのですが…)。
今回借りたLUXGENのSUV"U5"。
なかなか精悍でスタイリッシュな外観ですね。フロントグリルや切れ長のライトなど、プジョーのSUVにちょっと似ているような気もしますが、ツートンカラーのボディーや独特な形状のルーフレールなど、U5ならではの個性もしっかり光っています。
こちらは後姿。ヨーロッパ車と中国車を足して2で割ったような雰囲気と表現したらよいのでしょうか。いずれにせよ、日本車にはあまり見られないデザインであり、もし日本で走らせたら注目を集めること必至でしょう。ご覧のように、ハッチバックが上の方へ出っ張っている形状をしているのですが、その分容量も大きく、ゴルフのキャディーバックなども心配なく積載できるでしょう。
運転席。革のステアリングの真ん中で、LUXGEN(裕隆)のロゴが燦然と輝いています。速度計はちょっぴり野暮ったいデジタルメーターですが、その他は当たり障りの無いデザインと申しましょうか、特に操作性や視認性で気になるところはなく、初めて運転しても、さほど戸惑うことなく運転・操作ができるかと思います。なおクルーズ機能が搭載されていますので、高速道路などでの定速運転が可能です。
このU5で目を引くのが、中央に設置された12インチのタッチパネル「THINK+」。台湾のスマホメーカーであるHTCと共同開発した情報端末であり、オーディオ、電話・通信のほか、タイヤ状態のモニタリング、走行中にも機能するバックモニターなどをこの画面で操作します。また、縦長であることから容易に想像できるように、スマホとの接続が可能となっており、「手機模式」にすれば車のタッチパネルでスマホを操作できるのです。いかにもIT先進国らしい機能ですね。
なお、この「THINK+」ではスマホの情報をそのまま取り入れられるため、日本の車のようなカーナビ機能は搭載されておらず、地図が見たければ、スマホでGoogle Mapなどを起動させ、この大型タッチパネルに映し出すことになります。
またこの大型タッチパネルが果たす大きな機能のひとつが、アラウンドビューモニター。
日産が2007年に世界で初めて商品化に成功した運転支援機能であり、具体的には、車に搭載された複数のカメラにより、自車を真上から見下ろしたような映像をモニターに映し出し(疑似表示し)、これにより自車の全方向の死角をなくして、駐車時や後進時などの運転操作を楽にする素晴らしい機能です。
さて、この有難い機能は今や日産車を中心にして各メーカーも相次いで採用しているのですが、なぜLUXGEN(裕隆)がこの機能を採用しているのか、いや採用できているのか…。それはLUXGENが長年にわたって日産の技術提携を結んでおり、開発には日産の影響が非常に強いからではないかと想像します。実際、今でもLUXGENの車のうちいくつかは日産GT-Rの生みの親である元日産・水野氏が携わっていますし、そもそもLUXGENのディーラーは必ずと言ってよいほど日産の隣に店を構えています。要するにLUXGENってほとんど日産の台湾現地生産版みたいなものですが、日産の技術を活かしつつ、台湾らしさや独自性を打ち出すことにより、その結果としてなかなか面白い車に仕上がっているのです。
実際に運転してみても、いわゆる車の味付けは日産車に近く、「あれ、俺はいま日本の車を運転しているのかな」と勘違いしそうになるほど。とはいえ上述のように独自性もしっかり発揮されています。程々に重くて安定性がありながらいざ操作すると意のままに軽快な反応を見せてくれるハンドリング、多少無理してもしっかり守ってくれる安定した車体剛性、1.6Lながらパワフルに加速してくれるエンジンなどなど、実にスポーティな車なのです。もし日本で販売してくれるならば、買ってみたいと思うほど、なかなか素晴らしい乗り心地を提供してくれました。
台湾へ旅に出かけたら、台湾らしいグルメをいただき、台湾らしい景色を眺め、台湾らしい人情や優しさに触れることに楽しみや充実感を覚えますが、COVID-19による制限が解除され、従来のように自由に旅ができるようになったら、次回の台湾旅行は是非台湾らしい車を運転してみてください。
しかしながら、こんなことを偉そうに申し上げたところで、私はいつもトヨタのYARIS(旧Vitz)か同等クラス、つまり小さくて安いクラスの車しか借りていないため、台湾のレンタカーにおける車種については、あまり知識や経験がありません。あぁお恥ずかしい…。
そんな中、前回及び前々回記事で取り上げた高雄市の復興温泉へのアタックを計画した際、車で向かう道の一部が荒れているらしい、との情報を得たので、これを機にいつものYARISから脱却し、車高が高いSUVを借りてみることにしたのです。どうせ借りるのならば、台湾で圧倒的なシェアを占める日本車(約7割)ではつまらない。台湾には台湾オリジナルの「LUXGEN(裕隆)」というメーカーがありますから、台湾車で台湾をドライブしてみたくなりました。
いざ現地レンタカー業者に問い合わせてみると、上述のように日本車のシェアが圧倒的であるという状況ゆえ、なかなかLUXGENに巡り会えません。あったとしても台数が少なかったり、金額が中途半端だったりして、つい予約を躊躇してしまいます。そんな中で今回お世話になったのが台湾の大手レンタカー業者「格上租車」。私がこちらのお世話になるのは3回目で、前2回の利用時には、安定したサービスと早いレスポンスのおかげで安心して予約やピックアップができました。
さてこの格上租車の親会社は裕隆汽車。つまり私が乗りたいLUXGENを生産しているメーカーそのものです。つまり、台湾でLUXGENの車を借りたければ、まず格上租車に問い合わせるのが確実なんですね。ということで、格上租車の公式サイトから予約を済ませ、復興温泉へのアタック当日に営業所へと向かいました。
今回車をピックアップしたのは高鉄(台湾新幹線)左営駅の駅前にある格上租車の高雄営業所。
高鉄駅前という立地なので、てっきり外国人観光客に慣れているのかと思いきや、私を担当してくれたスタッフは華語オンリー。片言の華語しかわからない私はちょっと困ってしまいましたが、でも何とか借りることができました(前2回の時、スタッフは英語が話せたのですが…)。
今回借りたLUXGENのSUV"U5"。
なかなか精悍でスタイリッシュな外観ですね。フロントグリルや切れ長のライトなど、プジョーのSUVにちょっと似ているような気もしますが、ツートンカラーのボディーや独特な形状のルーフレールなど、U5ならではの個性もしっかり光っています。
こちらは後姿。ヨーロッパ車と中国車を足して2で割ったような雰囲気と表現したらよいのでしょうか。いずれにせよ、日本車にはあまり見られないデザインであり、もし日本で走らせたら注目を集めること必至でしょう。ご覧のように、ハッチバックが上の方へ出っ張っている形状をしているのですが、その分容量も大きく、ゴルフのキャディーバックなども心配なく積載できるでしょう。
運転席。革のステアリングの真ん中で、LUXGEN(裕隆)のロゴが燦然と輝いています。速度計はちょっぴり野暮ったいデジタルメーターですが、その他は当たり障りの無いデザインと申しましょうか、特に操作性や視認性で気になるところはなく、初めて運転しても、さほど戸惑うことなく運転・操作ができるかと思います。なおクルーズ機能が搭載されていますので、高速道路などでの定速運転が可能です。
このU5で目を引くのが、中央に設置された12インチのタッチパネル「THINK+」。台湾のスマホメーカーであるHTCと共同開発した情報端末であり、オーディオ、電話・通信のほか、タイヤ状態のモニタリング、走行中にも機能するバックモニターなどをこの画面で操作します。また、縦長であることから容易に想像できるように、スマホとの接続が可能となっており、「手機模式」にすれば車のタッチパネルでスマホを操作できるのです。いかにもIT先進国らしい機能ですね。
なお、この「THINK+」ではスマホの情報をそのまま取り入れられるため、日本の車のようなカーナビ機能は搭載されておらず、地図が見たければ、スマホでGoogle Mapなどを起動させ、この大型タッチパネルに映し出すことになります。
またこの大型タッチパネルが果たす大きな機能のひとつが、アラウンドビューモニター。
日産が2007年に世界で初めて商品化に成功した運転支援機能であり、具体的には、車に搭載された複数のカメラにより、自車を真上から見下ろしたような映像をモニターに映し出し(疑似表示し)、これにより自車の全方向の死角をなくして、駐車時や後進時などの運転操作を楽にする素晴らしい機能です。
さて、この有難い機能は今や日産車を中心にして各メーカーも相次いで採用しているのですが、なぜLUXGEN(裕隆)がこの機能を採用しているのか、いや採用できているのか…。それはLUXGENが長年にわたって日産の技術提携を結んでおり、開発には日産の影響が非常に強いからではないかと想像します。実際、今でもLUXGENの車のうちいくつかは日産GT-Rの生みの親である元日産・水野氏が携わっていますし、そもそもLUXGENのディーラーは必ずと言ってよいほど日産の隣に店を構えています。要するにLUXGENってほとんど日産の台湾現地生産版みたいなものですが、日産の技術を活かしつつ、台湾らしさや独自性を打ち出すことにより、その結果としてなかなか面白い車に仕上がっているのです。
実際に運転してみても、いわゆる車の味付けは日産車に近く、「あれ、俺はいま日本の車を運転しているのかな」と勘違いしそうになるほど。とはいえ上述のように独自性もしっかり発揮されています。程々に重くて安定性がありながらいざ操作すると意のままに軽快な反応を見せてくれるハンドリング、多少無理してもしっかり守ってくれる安定した車体剛性、1.6Lながらパワフルに加速してくれるエンジンなどなど、実にスポーティな車なのです。もし日本で販売してくれるならば、買ってみたいと思うほど、なかなか素晴らしい乗り心地を提供してくれました。
台湾へ旅に出かけたら、台湾らしいグルメをいただき、台湾らしい景色を眺め、台湾らしい人情や優しさに触れることに楽しみや充実感を覚えますが、COVID-19による制限が解除され、従来のように自由に旅ができるようになったら、次回の台湾旅行は是非台湾らしい車を運転してみてください。