先日湯田川温泉へ訪れた際には、未湯だった共同浴場「田の湯」を訪問したかったのですが、時間帯を調べずに赴いた結果、運悪く清掃時間帯にかち合ってしまったためにその願いは叶いませんでした。でも捨てる神あれば拾う神ありと言うべきか、もうひとつの共同浴場である「正面湯」は清掃が終わったばかりで一番湯に入れる好機であったため、このチャンスを逃すなんて勿体無いですから、以前入浴している「正面湯」を再訪問することにしました。なお前回訪問時の様子は、拙ブログの初期に取り上げております(その際の記事はこちらです)。
前回取り上げた記事でも紹介しておりますが、外来者が湯田川温泉の共同浴場を利用する際には、指定の商店で入浴券を購入の上、お店の方に浴場入口のカギを開けてもらいます。この日も前回同様、温泉街の入口付近にある船見商店で券を購入し、上記の手続きをお願いしました。
お店の方と一緒に「正面湯」へ向かいます。私が入口の入浴券入れに券を投入すると、お店の方は男湯の扉の電磁ロックを開錠してくれました。
清掃直後ですので脱衣室にはどなたもいらっしゃいませんでした。よし!期待通りに一番風呂に入れるぞ! この脱衣室は共同浴場の一般的なレイアウトであり、室内には棚がたくさん並んでいますが、下足場は狭いので、靴はちゃんと下足入れへ収めましょう。
こちらのお風呂はいつ訪問しても綺麗に維持されていますね。管理なさっている方々のご苦労には頭が下がります。
入室時はまだお湯が溜まりきっておらず、嵩は7分目くらいでしたが…
かけ湯をしながら15分ほど待っていたら、大きな浴槽に湛々とお湯が張られて、縁の全辺からふんだんにオーバーフローするようになり、浴室隅の排水溝へ流れ落ちるお湯の音が絶えず室内に響きつづけました。
黒光りする石の湯口から、マーライオン状態でお湯がドバドバ注がれており、その顎にあたる部分には硫酸塩の白い析出が付着していました。こちらに引かれているお湯は前回取り上げた「甚内旅館」と同じく1号源泉であり、清らかに澄んだ無色透明で、芒硝と石膏の味や匂いが半々に感じられ、トロミのあるお湯に浸かると肌に引っかかる浴感が得られました。共同浴場は時間帯によってかなり混雑し、それに伴ってお湯も鈍ってしまうことがありますが、この時は清掃直後の一番風呂でしたから、お湯の鮮度は抜群でしたし、何しろ誰にも触れていない、まっさらなお湯を独り占めできるという事実がこの上なく最高じゃありませんか。そんな喜びに満たされてニヤニヤしながら、調子に乗って何度も何度も湯船に浸かっていたら、体が茹で上がって逆上せてしまい、湯上がりには脱衣室に備え付けられていた団扇を仰いで、自分の体をクールダウンさせました。
なお洗い場にはお湯と水の水栓が3組設けられており、お湯のカランからは温泉が出てきますが、備え付けられている桶は3つしかありませんので、もし自家用車で訪問の際は、桶を持参なさった方がよいかもしれません。
湯田川1号源泉
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉 42.6℃ pH8.4 蒸発残留物1256mg/kg 溶存物質1287mg/kg
Na+:224.1mg, Ca++:176.3mg,
Cl-:56.4mg, SO4--:737.7mg,
H2SiO3:52.6mg,
加水加温循環なし
衛生管理のため源泉貯湯タンクに次亜塩素酸薬剤を注入
鶴岡駅より庄内交通バスの湯田川温泉・坂の下・越沢行で「湯田川温泉」バス停下車、徒歩1分
山形県鶴岡市湯田川乙46 地図
0235-35-4111(湯田川温泉観光協会)
湯田川温泉観光協会ホームページ
8:00~9:00、11:00~19:00 無休
200円
備品類なし
私の好み:★★★