※「関晴館」としての営業はすでに終了しています。2017年4月より経営者が変わり「星ヶ岡山荘」としてリニューアルしています。
尻焼温泉の「関晴館」で日帰り入浴してきました。こちらは以前「関晴館別館」という屋号でしたが、近所の花敷温泉にあった本館が休業してしまったため、2010年4月に別館という語句が取り払われ、界隈で「関晴館」と名がつくお宿はこちら1軒のみとなりました。
玄関を入ると、帳場前のロビーにはお馴染みの大きな提灯がぶら下がっていました。秘湯を守る会の会員宿なんですね。日帰り入浴の場合は、この帳場にて料金を支払った後、一旦玄関を出て、後方の勝手口へと向かうことになります。
こちらがその勝手口でして、その右手には湯気抜きが目立つ浴場棟が続いています。宿泊客は館内移動できますが、日帰り客は浴場に近いこちらの入口を利用するわけです。なるほど、こうして分けたほうが玄関がゴチャゴチャしなくて良いかもしれません。
お風呂へ向かう途中、休憩室の前を通過。
紅と紺の暖簾がさがる浴室入口前には貴重品用ロッカーが設置されています。さすがにちゃんとした旅館だけあって、建物こそ古いものの、脱衣室内やその周辺(洗面台など)は綺麗に手入れされており、気持ちよく使うことができました。
浴室に入ったその瞬間、清らかに澄んだお湯が目に入り、燻されたようなタマゴ臭と石膏臭が香ってきました。そして滝のように勢い良く湯船へ落ちるお湯の轟が室内に響いており、浴槽からは惜しげも無くお湯が溢れ出ていました。それらの光景をひと目見ただけで、このお風呂にギュっとハートを掴まれました。
お湯の轟が室内の空気を支配する浴室は、ほんのり暗くて落ち着いた佇まい。清潔感があって居心地佳し。浴槽や床には石材が敷き詰められており、その上を流れる温泉のお湯が石の美しさをより際立たせているとともに、天然石の色調によって無色澄明なお湯も一層その清らかさを増しているようでした。湯船は8人同時に入れそうな大きなものですが、お湯の投入量が多いためか湯船の中では常に流れが生まれており、鮮度が非常に良好です。また薄い膜状の小さな湯の花(白色系)がそんな湯船のお湯の流れに身を任せてゆらゆらと浮遊していました。
洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されており、そこに用意されているボディーソープやシャンプーは、秘湯を守る会オリジナルのくまざさシリーズです。
湯船の中央壁際で屹立する岩やそこから突き出た竹筒よりお湯が落とされており、その岩には硫酸塩の白い析出がモコモコと付着しています。傍に置かれていた柄杓でお湯を口にしてみますと、薄い塩味とほろ苦いタマゴ味、そして石膏味と粉っぽい味が感じられ、この室内を満たしていた上述の香り(燻されたようなタマゴ臭と石膏臭)が鼻孔へ抜けて行きました。キシキシとした硫酸塩泉らしい浴感ですが、湯上りは全身がサラサラスベスベの爽快感に包まれます。
日本庭園風の露天風呂は川に向かってオープンなつくりになっており、目下を長笹沢川が流れ、対岸には森林が広がっています。露天から眺める景色には宿以外に目立った人工物が見当たらず、いかにも山奥の秘境にいる空気を味わえるのが嬉しいところ。内湯よりひと回りも二回りも大きな石風呂は、内湯同様絶え間なく新鮮な源泉が注がれており、この時は私以外に誰もお客さんがいないというのに、惜しげも無くザブザブとお湯がオーバーフローしていました。広い湯船と鮮度の良いお湯、そして開放的なロケーションゆえ、ゆったりのびのびと寛げてとっても爽快です。
石が積まれた湯口からは、直手で触るのが躊躇われるほど熱いお湯が落とされているのですが、その右側から冷たい水が同時に注がれており、これによって湯船では丁度良い湯加減が保たれていました。湯口右側の水が合流する箇所の石は苔で覆われその上方では蕨も生えていました。
浴槽の脇にはこのような東屋もあるので、もし天気が今一つだったり、あるいは強い日差しが降り注いでいる時には、ここに腰掛けて山を眺めながら一休みするのもいいでしょう。
露天風呂から建物側を見てみますと、湯屋の屋根に屋号の頭文字である「関」の字が配された鬼瓦が葺かれているのを発見。風格あるお宿なんですね。
内湯・露天ともに源泉投入量が多くて鮮度感が素晴らしく、上品で落ち着きのある浴室も、渓流を眺める開放感のある露天風呂も、いずれも綺麗で雰囲気が良いので、わずか1時間程度の日帰り利用でしたが非常に印象に残りました。
営林署源泉
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 54.6℃ pH7.9 358.3L/min(自然湧出・150m引湯) 溶存物質1.45g/kg 成分総計1.46g/kg
Na+:189mg(39.28mval%), Ca++:249mg(59.26mval%),
Cl-:223mg(30.28mval%), SO4--:673mg(67.50mval%),
H2SiO3:60.6mg,
源泉温度が高いため加水
JR吾妻線・長野原草津口駅より中之条町営バス(六合地区路線バス・ローズクィーン交通)で花敷温泉下車、徒歩10分(1km弱)
群馬県吾妻郡中之条町大字入山1539 地図
0279-95-5121
ホームページ
10:00~16:00(受付15:30まで)
500円
ロッカー(貴重品用・無料)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
尻焼温泉の「関晴館」で日帰り入浴してきました。こちらは以前「関晴館別館」という屋号でしたが、近所の花敷温泉にあった本館が休業してしまったため、2010年4月に別館という語句が取り払われ、界隈で「関晴館」と名がつくお宿はこちら1軒のみとなりました。
玄関を入ると、帳場前のロビーにはお馴染みの大きな提灯がぶら下がっていました。秘湯を守る会の会員宿なんですね。日帰り入浴の場合は、この帳場にて料金を支払った後、一旦玄関を出て、後方の勝手口へと向かうことになります。
こちらがその勝手口でして、その右手には湯気抜きが目立つ浴場棟が続いています。宿泊客は館内移動できますが、日帰り客は浴場に近いこちらの入口を利用するわけです。なるほど、こうして分けたほうが玄関がゴチャゴチャしなくて良いかもしれません。
お風呂へ向かう途中、休憩室の前を通過。
紅と紺の暖簾がさがる浴室入口前には貴重品用ロッカーが設置されています。さすがにちゃんとした旅館だけあって、建物こそ古いものの、脱衣室内やその周辺(洗面台など)は綺麗に手入れされており、気持ちよく使うことができました。
浴室に入ったその瞬間、清らかに澄んだお湯が目に入り、燻されたようなタマゴ臭と石膏臭が香ってきました。そして滝のように勢い良く湯船へ落ちるお湯の轟が室内に響いており、浴槽からは惜しげも無くお湯が溢れ出ていました。それらの光景をひと目見ただけで、このお風呂にギュっとハートを掴まれました。
お湯の轟が室内の空気を支配する浴室は、ほんのり暗くて落ち着いた佇まい。清潔感があって居心地佳し。浴槽や床には石材が敷き詰められており、その上を流れる温泉のお湯が石の美しさをより際立たせているとともに、天然石の色調によって無色澄明なお湯も一層その清らかさを増しているようでした。湯船は8人同時に入れそうな大きなものですが、お湯の投入量が多いためか湯船の中では常に流れが生まれており、鮮度が非常に良好です。また薄い膜状の小さな湯の花(白色系)がそんな湯船のお湯の流れに身を任せてゆらゆらと浮遊していました。
洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されており、そこに用意されているボディーソープやシャンプーは、秘湯を守る会オリジナルのくまざさシリーズです。
湯船の中央壁際で屹立する岩やそこから突き出た竹筒よりお湯が落とされており、その岩には硫酸塩の白い析出がモコモコと付着しています。傍に置かれていた柄杓でお湯を口にしてみますと、薄い塩味とほろ苦いタマゴ味、そして石膏味と粉っぽい味が感じられ、この室内を満たしていた上述の香り(燻されたようなタマゴ臭と石膏臭)が鼻孔へ抜けて行きました。キシキシとした硫酸塩泉らしい浴感ですが、湯上りは全身がサラサラスベスベの爽快感に包まれます。
日本庭園風の露天風呂は川に向かってオープンなつくりになっており、目下を長笹沢川が流れ、対岸には森林が広がっています。露天から眺める景色には宿以外に目立った人工物が見当たらず、いかにも山奥の秘境にいる空気を味わえるのが嬉しいところ。内湯よりひと回りも二回りも大きな石風呂は、内湯同様絶え間なく新鮮な源泉が注がれており、この時は私以外に誰もお客さんがいないというのに、惜しげも無くザブザブとお湯がオーバーフローしていました。広い湯船と鮮度の良いお湯、そして開放的なロケーションゆえ、ゆったりのびのびと寛げてとっても爽快です。
石が積まれた湯口からは、直手で触るのが躊躇われるほど熱いお湯が落とされているのですが、その右側から冷たい水が同時に注がれており、これによって湯船では丁度良い湯加減が保たれていました。湯口右側の水が合流する箇所の石は苔で覆われその上方では蕨も生えていました。
浴槽の脇にはこのような東屋もあるので、もし天気が今一つだったり、あるいは強い日差しが降り注いでいる時には、ここに腰掛けて山を眺めながら一休みするのもいいでしょう。
露天風呂から建物側を見てみますと、湯屋の屋根に屋号の頭文字である「関」の字が配された鬼瓦が葺かれているのを発見。風格あるお宿なんですね。
内湯・露天ともに源泉投入量が多くて鮮度感が素晴らしく、上品で落ち着きのある浴室も、渓流を眺める開放感のある露天風呂も、いずれも綺麗で雰囲気が良いので、わずか1時間程度の日帰り利用でしたが非常に印象に残りました。
営林署源泉
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 54.6℃ pH7.9 358.3L/min(自然湧出・150m引湯) 溶存物質1.45g/kg 成分総計1.46g/kg
Na+:189mg(39.28mval%), Ca++:249mg(59.26mval%),
Cl-:223mg(30.28mval%), SO4--:673mg(67.50mval%),
H2SiO3:60.6mg,
源泉温度が高いため加水
JR吾妻線・長野原草津口駅より中之条町営バス(六合地区路線バス・ローズクィーン交通)で花敷温泉下車、徒歩10分(1km弱)
群馬県吾妻郡中之条町大字入山1539 地図
0279-95-5121
ホームページ
10:00~16:00(受付15:30まで)
500円
ロッカー(貴重品用・無料)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★