久しぶりにみちのくの温泉をご紹介します。拙ブログは東北の温泉を取り上げることが多いのですが、さすがにここ最近は訪問する機会に恵まれず、関東やその周辺地域の温泉ばかりをご紹介してまいりました。とはいえ、やはり多少は関東以遠の湯処にも足を運びたいものです。そこで、自分なりに状況を判断した上で行動し、波が低くなった状況を見計らって、今春の某日、私の大好きな福島県のいわき湯本温泉へ出かけました。
まずは東京駅から特急「ひたち」に乗車し・・・
湯本駅で下車。この時は湯本駅からいきなり宿へ向かわず・・・
或る旅館へ立ち寄って、館内の展示を見学しております。そのことについては、また後日改めてお伝えするとして、その立ち寄り場所で目的を果たした後は、湯本の街を循環する路線バスに乗車しました。この車両はかつて小田急バスで使われていた中古なので、小田急バスの営業エリアで生活する私は、もしかしたら以前にこの車両に乗っていたかもしれません。そんなことを考えつつ10分ほどバスに揺られて・・・
「町下橋」というバス停で下車し、目的の宿へ向かいます。なおこの時は運行されるバスのタイミングの都合でこの「町下橋」で下車しましたが、今回のお宿の最寄りのバス停はこの次の「道下」です。これについては本記事の最後で再度触れます。
交通量が比較的多い県道から路地に入って坂を上がると・・・
今回のお宿である「住乃江」に到着しました。
建物は年季が入っているようですが、しっかりお手入れして綺麗に使っており、居心地に問題ありません。また宿のご主人も気さくで優しく温かい方なので、心穏やかに安心して過ごすことができました。なおこちらのお宿は宿泊のみで、日帰り入浴の営業は行っていないようです。。
●お部屋・お食事
今回1泊利用しましたお部屋は3階で、明るく綺麗な室内にはテレビやエアコン、冷蔵庫が用意されており、またトイレやユニットバスも設置されています。Wifiも利用可能です。
宿は小高い丘の上に立地しているため、窓からの眺めが良好で、湯本の街並みを一望できます。
訪問した日はちょうど八重桜も良い感じで咲いていました。
夕食は18:30から2階の大広間でいただきます。
お膳の真ん中には、主役である赤魚の煮付けが鎮座し、右手には鯛と海老の海鮮鍋が侍り、ご当地名産メヒカリの丸揚げ、イカの海鮮グラタン、ホタルイカの小鉢、タコ・鰹たたき・揚がったばかりの活かつお・ホッキのひもなどいかにもご当地らしいラインナップのお造りなどが彩を添える、海産物メインの献立となっていました。いずれも大変美味。やっぱり常磐ものの魚介は美味いですね。なお食後にはフルーツが供されました。
ちなみに私は予約する際、瓶ビールをプレゼントしてくれるプランを選択したので、追加料金なしで酔うことができ、美味しいものとビールで最高な気分でした。お腹いっぱいです。
朝食も同じ場所でいただきます。
鮭、なめこの味噌汁、サラダ、そして各種小鉢など、美味しいものをモリモリ食べて、一日分のエネルギーをしっかり充填することができました。
●お風呂
お風呂は1階の廊下を進んだ最奥にあり、男女別の内湯のみで露天風呂はありません。古く小ぢんまりしているのですが、リニューアルして内装をシックな感じに変えており、快適で気持ちよく使うことができました。
脱衣室からお風呂の戸を開けると、ぷんと焦げたような硫黄臭が漂ってきました。そうそう、この香りこそ、いわき湯本温泉ならではの芳香です。あぁ、嬉しいなぁ。
男湯の場合、浴室入って左側にシャワーが3つ並んでおり、水栓を開けるとボイラーの沸かし湯が出てきます。なお浴室の床には緑色凝灰岩(グリーンタフ)の石材が採用されており、足裏からはこの材質独特の気持ち良い感触が伝わってきます。。
浴槽は台形のような形(変形6角形)で、長辺は約3m、幅は1.8~2m、4人サイズと言ったところでしょうか。
硫黄分を多く含むいわき湯本のお湯は、湯温や気温、滞留時間、湯量などいろんな条件によってその見た目を変えるのですが、私が訪ねた時のこちらの湯船は、僅かに白濁しているものの、当地の他のお風呂と比べて比較的透明度があり、やや緑色っぽく見えたような気がします。
湯船に浸かると、絶妙な湯加減に思わず歓喜の唸り声をあげてしまいました。こちらのお風呂では水で薄めることなく、湯船へ投入する湯量の加減によって湯加減を調整しているようでした。
湯口の岩には、湯の花によって白い筋ができており、また湯船の中では細かい溶き卵のような白い湯の花が浮遊していました。湯口のお湯を手に取ってテイスティングしてみますと、焦げたようなたまご臭と薄い塩たまご味、少々の苦味、そして芒硝味が少々ながらも明確に感じられました。浴室の大きさや温泉投入量など様々な条件が上手く重なっているため、お湯の状態が良く、そしていわき湯本温泉ならではの湯の香も、他の浴場と比べて比較的強く嗅ぎ取ることができたように思います。なお湯中ではサラスベの滑らか且つ爽快な浴感が得られます。
お風呂の利用者は宿泊客に限られ、日帰り入浴客がいないため、お湯が鈍らずに良い状態が維持されているように思われます。また加温加水循環消毒なしという完全掛け流しの湯使いであり、湯船からしっかりとオーバーフローしていましたので、新鮮なお湯の投入具合も良好です。
お湯の状態が特に良かったのが早朝。早起きして朝のお風呂を見たところ、湯船のお湯はちっとも白濁しておらず、寧ろ透明で、ほんのり黄色もしくは緑色を帯びているようでし。夜中は誰も入っていなかったものと思われ、私が湯船に入ると、誰にも触れていなかった朝一番のクリアなお湯が御影石の縁から豪快に溢れ出し、それとともに独特の湯の香がより濃い状態で室内に充填していきました。最高です。
いつまでもこのお湯に浸かっていたかったのですが、当日の予定がありましたので、後ろ髪を引かれる思いで泣く泣くお風呂から出て、チェックアウトの支度をしたのでした。この日、私がどこへ向かったのかについては、後日改めて記事に致します。
お宿の最寄りバス停は「道下」。宿から歩いて2分程度でしょうか。翌朝私はこのバス停から湯本駅へと向かったのでした。なおこのバス停の前にはスーパーマーケットがあるため、もし素泊まりで利用しても、ここでお弁当等を調達できます。とっても便利なお宿でもあるんですね。
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 59.0℃ pH8.1 溶存物質1.740g/kg 成分総計1.743g/kg
Na+:523.0mg(86.66mval%), Ca++:59.8mg(11.39mval%),
Cl-:556.6mg(59.37mval%), Br-:2.1mg, HS-:9.5mg, S2O3--:0.6mg, SO4--:390.3mg(30.78mval%), HCO3-:106.9mg, CO3--:6.0mg,
H2SiO3:45.0mg, HBO2:15.2mg, H2S:0.8mg,
(平成12年11月29日)
加温加水循環消毒なし
常磐湯本温泉の分析表はもっと新しいものがあるはずですが、館内には平成12年のものが掲示されていましたので、今回はそれを抄出します。
福島県いわき市常磐下湯長谷町勝善77
0246-42-2332
ホームページ
日帰り入浴なし(宿泊のみ)
私の好み:★★★
まずは東京駅から特急「ひたち」に乗車し・・・
湯本駅で下車。この時は湯本駅からいきなり宿へ向かわず・・・
或る旅館へ立ち寄って、館内の展示を見学しております。そのことについては、また後日改めてお伝えするとして、その立ち寄り場所で目的を果たした後は、湯本の街を循環する路線バスに乗車しました。この車両はかつて小田急バスで使われていた中古なので、小田急バスの営業エリアで生活する私は、もしかしたら以前にこの車両に乗っていたかもしれません。そんなことを考えつつ10分ほどバスに揺られて・・・
「町下橋」というバス停で下車し、目的の宿へ向かいます。なおこの時は運行されるバスのタイミングの都合でこの「町下橋」で下車しましたが、今回のお宿の最寄りのバス停はこの次の「道下」です。これについては本記事の最後で再度触れます。
交通量が比較的多い県道から路地に入って坂を上がると・・・
今回のお宿である「住乃江」に到着しました。
建物は年季が入っているようですが、しっかりお手入れして綺麗に使っており、居心地に問題ありません。また宿のご主人も気さくで優しく温かい方なので、心穏やかに安心して過ごすことができました。なおこちらのお宿は宿泊のみで、日帰り入浴の営業は行っていないようです。。
●お部屋・お食事
今回1泊利用しましたお部屋は3階で、明るく綺麗な室内にはテレビやエアコン、冷蔵庫が用意されており、またトイレやユニットバスも設置されています。Wifiも利用可能です。
宿は小高い丘の上に立地しているため、窓からの眺めが良好で、湯本の街並みを一望できます。
訪問した日はちょうど八重桜も良い感じで咲いていました。
夕食は18:30から2階の大広間でいただきます。
お膳の真ん中には、主役である赤魚の煮付けが鎮座し、右手には鯛と海老の海鮮鍋が侍り、ご当地名産メヒカリの丸揚げ、イカの海鮮グラタン、ホタルイカの小鉢、タコ・鰹たたき・揚がったばかりの活かつお・ホッキのひもなどいかにもご当地らしいラインナップのお造りなどが彩を添える、海産物メインの献立となっていました。いずれも大変美味。やっぱり常磐ものの魚介は美味いですね。なお食後にはフルーツが供されました。
ちなみに私は予約する際、瓶ビールをプレゼントしてくれるプランを選択したので、追加料金なしで酔うことができ、美味しいものとビールで最高な気分でした。お腹いっぱいです。
朝食も同じ場所でいただきます。
鮭、なめこの味噌汁、サラダ、そして各種小鉢など、美味しいものをモリモリ食べて、一日分のエネルギーをしっかり充填することができました。
●お風呂
お風呂は1階の廊下を進んだ最奥にあり、男女別の内湯のみで露天風呂はありません。古く小ぢんまりしているのですが、リニューアルして内装をシックな感じに変えており、快適で気持ちよく使うことができました。
脱衣室からお風呂の戸を開けると、ぷんと焦げたような硫黄臭が漂ってきました。そうそう、この香りこそ、いわき湯本温泉ならではの芳香です。あぁ、嬉しいなぁ。
男湯の場合、浴室入って左側にシャワーが3つ並んでおり、水栓を開けるとボイラーの沸かし湯が出てきます。なお浴室の床には緑色凝灰岩(グリーンタフ)の石材が採用されており、足裏からはこの材質独特の気持ち良い感触が伝わってきます。。
浴槽は台形のような形(変形6角形)で、長辺は約3m、幅は1.8~2m、4人サイズと言ったところでしょうか。
硫黄分を多く含むいわき湯本のお湯は、湯温や気温、滞留時間、湯量などいろんな条件によってその見た目を変えるのですが、私が訪ねた時のこちらの湯船は、僅かに白濁しているものの、当地の他のお風呂と比べて比較的透明度があり、やや緑色っぽく見えたような気がします。
湯船に浸かると、絶妙な湯加減に思わず歓喜の唸り声をあげてしまいました。こちらのお風呂では水で薄めることなく、湯船へ投入する湯量の加減によって湯加減を調整しているようでした。
湯口の岩には、湯の花によって白い筋ができており、また湯船の中では細かい溶き卵のような白い湯の花が浮遊していました。湯口のお湯を手に取ってテイスティングしてみますと、焦げたようなたまご臭と薄い塩たまご味、少々の苦味、そして芒硝味が少々ながらも明確に感じられました。浴室の大きさや温泉投入量など様々な条件が上手く重なっているため、お湯の状態が良く、そしていわき湯本温泉ならではの湯の香も、他の浴場と比べて比較的強く嗅ぎ取ることができたように思います。なお湯中ではサラスベの滑らか且つ爽快な浴感が得られます。
お風呂の利用者は宿泊客に限られ、日帰り入浴客がいないため、お湯が鈍らずに良い状態が維持されているように思われます。また加温加水循環消毒なしという完全掛け流しの湯使いであり、湯船からしっかりとオーバーフローしていましたので、新鮮なお湯の投入具合も良好です。
お湯の状態が特に良かったのが早朝。早起きして朝のお風呂を見たところ、湯船のお湯はちっとも白濁しておらず、寧ろ透明で、ほんのり黄色もしくは緑色を帯びているようでし。夜中は誰も入っていなかったものと思われ、私が湯船に入ると、誰にも触れていなかった朝一番のクリアなお湯が御影石の縁から豪快に溢れ出し、それとともに独特の湯の香がより濃い状態で室内に充填していきました。最高です。
いつまでもこのお湯に浸かっていたかったのですが、当日の予定がありましたので、後ろ髪を引かれる思いで泣く泣くお風呂から出て、チェックアウトの支度をしたのでした。この日、私がどこへ向かったのかについては、後日改めて記事に致します。
お宿の最寄りバス停は「道下」。宿から歩いて2分程度でしょうか。翌朝私はこのバス停から湯本駅へと向かったのでした。なおこのバス停の前にはスーパーマーケットがあるため、もし素泊まりで利用しても、ここでお弁当等を調達できます。とっても便利なお宿でもあるんですね。
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 59.0℃ pH8.1 溶存物質1.740g/kg 成分総計1.743g/kg
Na+:523.0mg(86.66mval%), Ca++:59.8mg(11.39mval%),
Cl-:556.6mg(59.37mval%), Br-:2.1mg, HS-:9.5mg, S2O3--:0.6mg, SO4--:390.3mg(30.78mval%), HCO3-:106.9mg, CO3--:6.0mg,
H2SiO3:45.0mg, HBO2:15.2mg, H2S:0.8mg,
(平成12年11月29日)
加温加水循環消毒なし
常磐湯本温泉の分析表はもっと新しいものがあるはずですが、館内には平成12年のものが掲示されていましたので、今回はそれを抄出します。
福島県いわき市常磐下湯長谷町勝善77
0246-42-2332
ホームページ
日帰り入浴なし(宿泊のみ)
私の好み:★★★