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(2022年1月訪問)
栃木県の塩原温泉郷は箒川に沿って複数の温泉地が点在していますが、その中でも最も旅館が多くてバスターミナルもある中心地のようなエリアが古町温泉です。以前にも拙ブログでは古町温泉のお風呂をいくつか紹介してまいりましたが、今回取り上げるのは当地の中でもリーズナブルに利用できることで有名な「ホテルおおるり」です。今回は日帰り入浴で利用させていただきました。一般的に旅館やホテルの日帰り入浴営業時間は、宿泊客利用の合間を活かすという事情があるため、日中の限られた時間になってしまうことが多いのですが、この「ホテルおおるり」はなんと早朝5時というかなり早い時間から深夜11時まで受付時間帯がかなり広いので、入浴だけでも利用しやすいかと思います。余談ですが、以前このホテルは「塩原リゾートホテル」だったらしく、建物の上部外壁にはかすかに旧名称が残っています。
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玄関前には大きな貯湯タンクがあり、上からお湯をドボドボと落としていました。豊富な湯量をアピールしているのでしょうね。
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ロビーはとても広く、フロントには日帰り入浴専用カウンターが設けられており、ここで料金500円を支払うと、小さなタオルが手渡されます。おおるりグループは確か各施設共通だったかと思いますが、500円の日帰り入浴料金でタオルが付いているとは驚きですね。なおフロントと同じフロアにはダンスホールや卓球場があり、昭和の温泉旅行の香りが強く漂っていました。
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お風呂はロビーからひとつ下のフロアです。館内には複数のお風呂があり、館内だけで湯めぐりができちゃいます。今回の記事はその中でも私が利用したお風呂を紹介します。
館内のお風呂は全てかけ流しなんだそうです。期待しちゃいますよね。
・紅葉の湯
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通路を進んだ先にある「紅葉の湯」。ウッディな脱衣室に入ると、屋内は結露や雪解けの水が天井からポタポタ垂れており、床がビショビショになっていました。建物がちょっとお疲れ気味なのかしら。
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建物の躯体のみならず電気設備も心細く、ドライヤーを使うときは脱衣室内にあるヒーターを消さないと、ブレーカーが落ちてしまうそうです。冬季の利用時には注意を要しますね。
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この「紅葉の湯」は内湯のみで、洗い場の床や浴槽内には鉄平石が採用されています。洗い場には混合水栓が8ヶ所並び、うちシャワー付きは6ヶ所です。窓の下にはホームベースのような形状をした浴槽が据え付けられ、10人以上は入れそうな容量を有しています。
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上述のようにこのお風呂はかけ流しでお湯を供給していますが、訪問時は投入量が少なめでした。湯船のお湯は赤みを帯びた黄土色に笹濁っており、赤茶色の湯の花がたくさん浮遊していました。湯口から出てくるお湯を口に含んでみますと、淡い塩味と金気味、そして石灰のような味が感じられました。泉質名こそナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(含重曹-食塩泉)ですが、どちらかと言えば塩化土類泉のような特徴を有しているように思われます。
・露天風呂(大岩風呂)
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「紅葉の湯」から上がって服に着替えて通路を戻り、今度は「露天風呂(大岩風呂)」へ向かいます。
この露天風呂(大岩風呂)は他の内湯のように体の汗や垢を洗い流すというより、景色を眺めながら湯あみを楽しむといった目的に特化しているように思われ、そのためか設備面はあまり充実していません。このため先に別の浴室で体を洗ってからこの露天風呂を利用するのが良いでしょう。
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広い割には質素な更衣室を抜けると、目の前に大きな岩風呂がお出迎え。
手前側こそ建物の下に入り込んでいますが、多くの部分には屋根が掛かっておらず、これぞ"The 露天風呂"という感じで広々しており開放的です。
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川の対岸に連なる山並みも綺麗ですね。
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こちらお湯の投入量が多く、湯の花の量もそれほど多くないので、お湯が良好な状態を保っているように感じられました。しかも程よい湯加減なので長湯もでき、山の景色も相俟って、存分に湯あみを堪能できました。
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ちなみにこの露天風呂の奥へ行ってしまうと、客室から丸見えになってしまうようです。
気になる方はご留意を。
・檜の湯
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最後に「檜の湯」にも入ってみましょう。階段を下った先に暖簾がさがっており、脱衣室にはロッカーとドライヤーが用意されています。
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上述の「露天風呂(大岩風呂)」が"The 露天風呂"ならば、この「檜の湯」は"The ホテルの大浴場"と表現して差し支えないような印象を受けました。館内に複数あるお風呂の中でも、この「檜の湯」はおそらくメイン浴場として位置づけられているでしょう。室内は明るくて広く、奥の方はサンルームのような造りになっています。男湯の場合、入って左手に大きな浴槽が、右手に洗い場が配置され、洗い場には9台もしくは10台シャワー付きカランが一列に並んでいます。
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浴場名の檜とは浴槽縁に用いられている檜材のことを指しているのでしょう。なお浴槽内にはグリーンタフ(緑色凝灰岩)が貼られていました。「紅葉の湯」と同じく湯船の中には赤茶色の湯の花がたくさん浮遊していました。ただ、清掃直後だったためか塩素臭が室内に漂っており、湯口のお湯からもカルキ臭が感じられたのですが、これって気のせいだったのでしょうか。とはいえ不特定多数のお客さんが利用する空間ですので、消毒による衛生管理は致し方ないところです。
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今回紹介した浴場の他、館内には貸切風呂もありますので、宿泊してゆっくり過ごせば、全てのお風呂を制覇できるかもしれません。これだけ複数のお風呂を楽しめるのに、ワンコイン(500円)で日帰り入浴できるのですから信じられません。しかも早朝から深夜まで利用可能ですから嬉しいですね。宿泊も日帰り入浴も、リーズナブルに利用できる有り難い施設かと思います。
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 湧出温度及びpH不明
Na+:302.7mg(68.3mval%), Ca++72.8mg(18.86mval%),
Cl-:374.5mg(53.42mval%), HCO3-:470.2mg(38.97mval%),
H2SiO3:174.3mg, HBO2:36.9mg, CO2:39.5mg,
(平成10年9月1日)
栃木県那須塩原市塩原815-3
0287-32-5500
ホームページ
日帰り入浴5:00~23:00
500円(小タオル付)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★