温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

塩原・古町温泉 ホテルおおるり

2022年11月23日 | 栃木県

(2022年1月訪問)
栃木県の塩原温泉郷は箒川に沿って複数の温泉地が点在していますが、その中でも最も旅館が多くてバスターミナルもある中心地のようなエリアが古町温泉です。以前にも拙ブログでは古町温泉のお風呂をいくつか紹介してまいりましたが、今回取り上げるのは当地の中でもリーズナブルに利用できることで有名な「ホテルおおるり」です。今回は日帰り入浴で利用させていただきました。一般的に旅館やホテルの日帰り入浴営業時間は、宿泊客利用の合間を活かすという事情があるため、日中の限られた時間になってしまうことが多いのですが、この「ホテルおおるり」はなんと早朝5時というかなり早い時間から深夜11時まで受付時間帯がかなり広いので、入浴だけでも利用しやすいかと思います。余談ですが、以前このホテルは「塩原リゾートホテル」だったらしく、建物の上部外壁にはかすかに旧名称が残っています。


玄関前には大きな貯湯タンクがあり、上からお湯をドボドボと落としていました。豊富な湯量をアピールしているのでしょうね。


ロビーはとても広く、フロントには日帰り入浴専用カウンターが設けられており、ここで料金500円を支払うと、小さなタオルが手渡されます。おおるりグループは確か各施設共通だったかと思いますが、500円の日帰り入浴料金でタオルが付いているとは驚きですね。なおフロントと同じフロアにはダンスホールや卓球場があり、昭和の温泉旅行の香りが強く漂っていました。


お風呂はロビーからひとつ下のフロアです。館内には複数のお風呂があり、館内だけで湯めぐりができちゃいます。今回の記事はその中でも私が利用したお風呂を紹介します。
館内のお風呂は全てかけ流しなんだそうです。期待しちゃいますよね。


・紅葉の湯

通路を進んだ先にある「紅葉の湯」。ウッディな脱衣室に入ると、屋内は結露や雪解けの水が天井からポタポタ垂れており、床がビショビショになっていました。建物がちょっとお疲れ気味なのかしら。


建物の躯体のみならず電気設備も心細く、ドライヤーを使うときは脱衣室内にあるヒーターを消さないと、ブレーカーが落ちてしまうそうです。冬季の利用時には注意を要しますね。


この「紅葉の湯」は内湯のみで、洗い場の床や浴槽内には鉄平石が採用されています。洗い場には混合水栓が8ヶ所並び、うちシャワー付きは6ヶ所です。窓の下にはホームベースのような形状をした浴槽が据え付けられ、10人以上は入れそうな容量を有しています。


上述のようにこのお風呂はかけ流しでお湯を供給していますが、訪問時は投入量が少なめでした。湯船のお湯は赤みを帯びた黄土色に笹濁っており、赤茶色の湯の花がたくさん浮遊していました。湯口から出てくるお湯を口に含んでみますと、淡い塩味と金気味、そして石灰のような味が感じられました。泉質名こそナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(含重曹-食塩泉)ですが、どちらかと言えば塩化土類泉のような特徴を有しているように思われます。


・露天風呂(大岩風呂)

「紅葉の湯」から上がって服に着替えて通路を戻り、今度は「露天風呂(大岩風呂)」へ向かいます。
この露天風呂(大岩風呂)は他の内湯のように体の汗や垢を洗い流すというより、景色を眺めながら湯あみを楽しむといった目的に特化しているように思われ、そのためか設備面はあまり充実していません。このため先に別の浴室で体を洗ってからこの露天風呂を利用するのが良いでしょう。


広い割には質素な更衣室を抜けると、目の前に大きな岩風呂がお出迎え。
手前側こそ建物の下に入り込んでいますが、多くの部分には屋根が掛かっておらず、これぞ"The 露天風呂"という感じで広々しており開放的です。


川の対岸に連なる山並みも綺麗ですね。


こちらお湯の投入量が多く、湯の花の量もそれほど多くないので、お湯が良好な状態を保っているように感じられました。しかも程よい湯加減なので長湯もでき、山の景色も相俟って、存分に湯あみを堪能できました。


ちなみにこの露天風呂の奥へ行ってしまうと、客室から丸見えになってしまうようです。
気になる方はご留意を。


・檜の湯

最後に「檜の湯」にも入ってみましょう。階段を下った先に暖簾がさがっており、脱衣室にはロッカーとドライヤーが用意されています。


上述の「露天風呂(大岩風呂)」が"The 露天風呂"ならば、この「檜の湯」は"The ホテルの大浴場"と表現して差し支えないような印象を受けました。館内に複数あるお風呂の中でも、この「檜の湯」はおそらくメイン浴場として位置づけられているでしょう。室内は明るくて広く、奥の方はサンルームのような造りになっています。男湯の場合、入って左手に大きな浴槽が、右手に洗い場が配置され、洗い場には9台もしくは10台シャワー付きカランが一列に並んでいます。


浴場名の檜とは浴槽縁に用いられている檜材のことを指しているのでしょう。なお浴槽内にはグリーンタフ(緑色凝灰岩)が貼られていました。「紅葉の湯」と同じく湯船の中には赤茶色の湯の花がたくさん浮遊していました。ただ、清掃直後だったためか塩素臭が室内に漂っており、湯口のお湯からもカルキ臭が感じられたのですが、これって気のせいだったのでしょうか。とはいえ不特定多数のお客さんが利用する空間ですので、消毒による衛生管理は致し方ないところです。


今回紹介した浴場の他、館内には貸切風呂もありますので、宿泊してゆっくり過ごせば、全てのお風呂を制覇できるかもしれません。これだけ複数のお風呂を楽しめるのに、ワンコイン(500円)で日帰り入浴できるのですから信じられません。しかも早朝から深夜まで利用可能ですから嬉しいですね。宿泊も日帰り入浴も、リーズナブルに利用できる有り難い施設かと思います。


ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 湧出温度及びpH不明
Na+:302.7mg(68.3mval%), Ca++72.8mg(18.86mval%),
Cl-:374.5mg(53.42mval%), HCO3-:470.2mg(38.97mval%),
H2SiO3:174.3mg, HBO2:36.9mg, CO2:39.5mg,
(平成10年9月1日)

栃木県那須塩原市塩原815-3
0287-32-5500
ホームページ

日帰り入浴5:00~23:00
500円(小タオル付)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント (5)
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熱川温泉 熱川プリンスホテル

2022年11月16日 | 静岡県

(2022年1月訪問)
海へ向かってストンと落ちるような急傾斜地沿いに温泉街が広がり、そのあちこちから真っ白な湯煙があがっている熱川温泉。その独特なランドスケープは、温泉地が多い伊豆の中にあってもかなり印象的であり、伊豆急行の特急「踊り子」に乗っていると、車窓に広がる熱川独特の景色に驚く声がかなりの高確率で車内からあがります。
そんな熱川には多くの温泉宿がありますが、今回は国道沿いに位置している「熱川プリンスホテル」で日帰り入浴を楽しんでまいりました。なおプリンスホテルといっても旧西武系のホテルグループとは関係無いようです。


ホテルは国道に面して大きな建物で、フロントも大変立派です。日帰り入浴利用も歓迎してくださいますが、訪問時はコロナ対策のためか所定の用紙へ名前や電話番号の記入を求められました。記入と支払いを済ませると、持ち帰れるフェイスタオルとレンタルのバスタオルを受け取ります。そしてスタッフの方の案内に従ってフロント前を進み階段を下って・・・


道なりに左へ折れて通路を進んだ先に浴場の入口がありました。日帰り入浴で入れる浴場は2つあり、訪問時は「海色」という浴場に男湯の暖簾がさがっていました。脱衣室は綺麗で使いやすく、快適に利用できました。


広々としている内湯には多様な浴槽が並んでいます。更衣室の出入口側から逆時計回りに紹介しますと、まず打たせ湯。続いて水風呂とサウナ・・・


檜風呂、露天出入口、お茶風呂・・・


そして普通浴槽というような感じでバラエティ豊かに配置されており、どこから入ったら良いか迷ってしまうこと間違いないでしょう。お子さんのみならず年輩の方でも気分が高揚するのではないでしょうか。


内湯を楽しんだ後は、露天風呂へ出てみましょう。露天には2つの浴槽があり、まず出てすぐのところにあるのが、庭園の池を思わせる岩風呂です。


そして奥には、檜と伊豆青石で造られた眺め良好の望島風呂があります。
この望島風呂はとにかく眺めが素晴らしく、どのお客さんもこの露天風呂に入って、その眺めに感動していらっしゃいました。


熱川温泉街でも国道沿いの高い位置にあるため、湯けむりたなびく温泉街を見下ろすのみならず、大島、利島、三宅島、新島などが一望できるんですね。

さてこちらのお宿で使われている温泉は自家源泉です。見た目は無色透明でほぼ無臭、口に含むとほんのりとした塩味が感じられます。湯中では優しいツルスベ感が肌に伝わり、しっとりとした浴感を楽しめます。分析表によれば炭酸イオンが33mgも含まれていますが、実際に入浴するとその数値ほどツルスベ感が無いのは、おそらく加水の影響ではないかと思われます。源泉温度が熱湯に近い熱川温泉では多くの施設で加水が行われていますが、こちらのお宿でもそれは同様であり、致し方ないところです。
湯船によって湯使いが異なり、望島風呂などは放流式の湯使いですが、内湯の一部浴槽と露天の岩風呂(手前側の浴槽)では循環ろ過が行われています。ろ過岩風呂では50度以上の熱いお湯が注がれていたので、てっきりかけ流しかと思いきや循環されていたのは意外でした。とはいえ決して悪いお湯ではなく、寧ろ湯船自体は入り応えがある造りをしているので、私個人としては岩風呂も比較的好みのタイプでした。

館内にはこの他にも屋上露天風呂など魅力的且つ多様なお風呂が多くあり、宿泊すれば今回紹介できなかったお風呂にも入れるわけですから、次回訪問時には一泊お世話になって、じっくりと館内で湯めぐりを楽しみたいものです。


熱川15号
ナトリウム-塩化物温泉 92.9℃ pH8.4 成分総計2.570g/kg
Na+:634mg, Ca++:118.2mg,
Cl-:828.7mg, SO4--:479.1mg, HCO3-:182.4mg, CO3--:33.0mg,
H2SiO3:197.5mg,
(平成26年8月25日)
加温なし
加水あり(温度が高いため)
一部浴槽で循環あり(展望風呂(内風呂)、展望露天風呂(岩風呂))
消毒あり(塩素系薬剤を使用)

静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1248-3
0557-23-1234
ホームページ

日帰り入浴15:00~20:00(最終受付19:00)
1200円(タオル付き)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★

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稲取温泉 竜宮の使い

2022年11月10日 | 静岡県

(2022年1月訪問)
毎日の寒さに身を縮めていた2022年1月の某日。東京よりも伊豆半島の方がいくらか暖かいだろうと考え、日帰りで温泉をハシゴすることにしました。まず向かったのは稲取温泉「竜宮の使い」です。以前こちらの施設は「KKR稲取」でしたが、近年規模を拡大させている関西資本の専門学校「滋慶学園グループ」が買い取って建物をリニューアルし、2018年に現在の形でオープンさせました。

今回の訪問で私は伊豆急の電車に乗って稲取へ向かい、往路は駅から路線バスに乗り継いで最寄りバス停から歩いてアクセスしましたが、帰路はバスに乗らずてくてく歩いて駅まで戻りました。つまり駅から徒歩でもアクセスできる圏内に位置しています。


建物は海岸沿いにあり、目の前は真っ青な大海原が広がっていてとても爽快です。


敷地内にはダイビング練習用のプールもあるんですね。


日帰り入浴を積極的に受け入れていますので、今回日帰り利用で訪問することにしました。フロントは2階にあり、所定の料金を支払うと、大小タオル1枚ずつを貸してくれます。訪問時、カウンターではミャンマーの女性が働いていらっしゃったのですが、この方の応対が実に丁寧で物腰が柔らかく、大変好感が持てました。ホテルや旅館で日帰り入浴をお願いすると、しばしば邪険に扱われてしまうことがあり、特に伊豆エリアではその傾向が強いのですが、こちらのように丁寧に応対してくださると、それだけでありがたく好印象を受けます。


風呂は3階の奥です。お風呂は大浴場と中浴場があり、訪問時の男湯は中浴場でした。おそらく男女は入れ替え制なんだと思われます。なお脱衣室はシンプルながら綺麗で比較的使いやすく、快適に着替えることができました。


大と中の浴場のほか、貸切風呂が2室あり(上画像)、そして屋上には水着で入るインフィニティ露天風呂もあるんだそうです。宿泊すればいろんなお風呂を楽しめるんですね。


さて中浴所に入ってみましょう。
内湯のみで露天風呂はありませんが、明るくて清潔感があり、快適に湯あみできます。しかも窓から青くてだだっ広い相模灘の海原を眺められます。


洗い場にはシャワー付きカランが5個並んでいます。堅牢な造りの仕切が設けられているため、隣客を気にすることなく体を洗えますね。


石が細かく埋め込まれた浴槽は大小1つずつが連なっており、それぞれ優しい曲線を描いています。大小で湯加減が異なり、大きな方はぬるめの温度設定で5人サイズ、小さな方は熱めの設定で約3人サイズです。両方の浴槽に湯口があり、そこから出るお湯はぬるかったり熱かったりしていましたので、間歇的に加水することで温度調整しているのかもしれません。なお熱い湯船と言っても極端に熱いわけではなく、一般的な湯船よりちょっと熱い程度でした。
お湯は無色透明でほぼ無臭。淡い塩味があり、苦汁のような味もうっすら感じられる他、芒硝的な風味も少々ありました。湯中ではツルスベの滑らかな浴感がメインでありながら、引っ掛かる感触も拮抗しており、単なる食塩泉ではない面白い特徴を有しているようでした。


2源泉(稲取7号・稲取8号)及び井水の混合泉(混合泉D)
ナトリウム-塩化物温泉 62.6℃ pH7.31 蒸発残留物5.775g/kg
Na+:1742mg(76.44mval%), Ca++:328.8mg(16.55mval%),
Cl-:3202mg(87.81mval%), Br-:7.4mg, SO4--:547.7mg(11.09mval%),
(平成21年9月28日)

静岡県賀茂郡東伊豆町稲取1957-1
0557-95-0141
ホームページ

日帰り入浴13:00~21:00(受付終了20:00)
1100円(大小貸しタオル付き)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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塩原・塩の湯温泉 明賀屋本館 その3(露天風呂)

2022年11月04日 | 栃木県
前回記事の続編です。


内湯で汗と垢を洗い流した後は、露天風呂へと向かいましょう。露天風呂は渓流の岸にあるため、一気に谷底へ下ってゆきます。
まずは一旦内湯から出て、B1階の廊下を奥へ進み、専用のドアを開けて表に出ます。


屋外へ出てスノコの上を歩いていると、地面に埋め込まれている蓋の下からお湯が溢れ出ていました。
これって源泉からの湧出なのか、あるいは中継枡からお湯がこぼれているだけなのか・・・。


スノコ敷きが終わると、谷底へ向かって一気に下ります。膝や腰が悪い方だと行き来がちょっと厳しそうなほどの急傾斜です。急なだけではなく、階段そのものも危なっかしい。古くて床板を踏み抜きそうなほど古い木造の階段は気を付けないと転落してしまいそうなほど急で、しかも薄暗く、初めて目にした時にはちょっとした恐怖感をおぼえました。なおこの階段の途中左手に有料の貸切風呂があります。


谷側の視界が開けたところで左手に古い木造建築を見下ろしますが、これは昔の農民用湯治棟なんだとか。この旧湯治棟の上を下る階段は88段あるそうですが、これはお百姓さんが湯治するのでお米の八十八にかけたのではないかとのこと。真偽のほどはさておき、引き続き歩みを進めることに不安をになるほど古くて暗い階段を下ってゆきます。


せせらぎが聞こえてくるとやがて簡素な脱衣所(男女別)に入り・・・


そこからさらに下りきると、半洞窟みたいな感じで黒ずんだ浴槽に行き着きます。これは単純泉である明賀屋源泉のお風呂です。


湯口には白い析出が付着していました。単純泉とはいえ、しっかり成分がお湯に溶けている証と言えましょう。


こちらは、温泉ガイドの書籍やネット上などでよく見られる川岸の露天風呂です。四角い浴槽が二つ並んでいますが、いずれも塩の湯温泉のお湯が注がれており、川の下流側は適温であるのに対し、上流側はややぬるいもののじっくり長湯できる湯加減でした。なおこの両浴槽は温泉成分によりコーティングされているのですが、剥げているところでは内部の材木が姿を見せていました。湯船の中では赤茶色い湯の花がたくさん浮遊しており、お湯自体も赤みと少々の緑色を帯びた黄土色に濁っています。
そういえば「とちぎ濁り湯の会」に所属する35宿のうち、34は硫黄の濁り湯ですが、ここ明賀屋だけは塩化土類泉の黄土色濁りなんですね。


更に上流側には岩盤を刳り抜いてつくったような洞窟的な岩風呂があり、こちらにも塩の湯源泉が注がれているのですが、河原の四角い湯船と違ってここはちょっと熱く、あまり長湯できないものの、しっかり温まりたい場合にはもってこいです。ただ、訪問時は塩化土類泉の成分付着によりモルタルの床がヌルヌルしており、滑って川にすぐ落ちてしまいそうな場所なので、少々怖かったです。なおこの岩風呂のお湯はエメラルドグリーンを帯びていました。


この塩の湯源泉(刈子の湯)は、泉質名こそ食塩泉ですが、事実上は典型的な塩化土類泉に含めて良いかと思われます。塩味がかなりはっきり感じられる他、金気味、出汁味、ほろ苦み、炭酸味など、箒川沿いに点在する塩原温泉郷のお湯らしい特徴が見られる塩化土類泉の濁り湯なのですが、塩原の他の温泉よりも濃く、塩味もはっきり表れています。もちろん浴槽廻りのあちこちに鱗状の析出が付着しています。湯中ではキシキシと引っかかる浴感ですが、肌をさすっていると食塩泉っぽいツルスベがひょっこり現れたりするので面白い湯あみが味わえます。この手の温泉は、ちょっと放置するだけですぐに温泉藻やヘドロが発生してドロドロになってしまいますので、お宿の方の管理はさぞご苦労なさっているのではないかとお察しします。しかもただ清掃するだけではなく、あの急な傾斜を登り下りしなければならないのですから、相当のご苦労ではないでしょうか。お宿の方に心から御礼申し上げます。

渓流のせせらぎを目の前にして、白い雪を目にしながら、あるいは頭に雪を積もらせながら、濁り湯に浸かって過ごすひと時。こんな幸せなことはありません。最高の湯あみを堪能させていただきました。


刈子の湯
ナトリウム-塩化物温泉 55.8℃ pH6.0 290L/min(掘削自噴) 溶存物質4.423g/kg 成分総計5.049g/kg
Na+:1179.3mg(73.97mval%), Ca++:254.7mg(18.33mval%), Fe++:3.1mg,
Cl-:2184.4mg(89.17mval%), SO4--:61.2mg, HCO3-:373.1mg(8.85mval%),
H2SiO3:128.4mg, HBO3:99.0mg, CO2:625.9mg,
(平成23年12月1日)

明賀屋源泉(1)
単純温泉 52℃ pH6.8 135L/min(自然湧出) 溶存物質0.6305g/kg 成分総計1.1045g/kg
Na+:64.0mg(53.38mval%), Ca++:15.8mg(15.12mval%),
HCO3-:286.8mg(91.24mval%),
H2SiO3:191mg, CO2:474.0mg,
(平成25年1月15日)

栃木県那須塩原市塩原353
0287-32-2831
ホームページ

日帰り入浴不可

私の好み:★★★



コメント (2)
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