温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

深耶馬渓温泉 岩戸湯

2017年02月27日 | 大分県
 
前回記事の「折戸温泉」から西へ進んで、深耶馬渓の核心部へと近づいてまいりました。深耶馬渓を南北に貫く県道28号線沿いには、温泉浴場が点在していますが、その中のひとつである「岩戸湯」で入浴してまいりました。民家と見紛う小さな建物なので、注意しないと見逃してしまうかもしれません。



看板の下にある小屋は、温泉のポンプ小屋かな?


 
上で「民家と見紛う」と申し上げましたが、経営しているファミリーのものと思しき靴がたくさん並んでいる玄関は、まさに民家そのもの。そんな玄関の前で靴を脱ぎ、ドアを開けて中へ入ります。入ってすぐ左手にカウンターがあり、声をかけると、奥の居間と思しき部屋からおばちゃんがやってきて対応してくださいました。玄関があるフロアには有料のお座敷があり、だんご汁などの軽食がいただけるようですが、今回は入浴のみの利用としました。
お風呂は階段で1フロア下ったところ。暖簾をくぐった先の脱衣室もやはり民家然としているのですが、フローリングの室内は綺麗に維持されているので、使い勝手に問題ありません。私がこの脱衣室で着替えていると、サッシの向こう側にある浴室から、ボコボコとお湯が噴き出る音が響いてきました。勢いよく温泉が吐出されているのでしょうね。その音を耳にすると、お湯への想いが否応無く前のめりになってしまいます。


 
お風呂は男女別の内湯のみですが、白く塗られた壁と床に敷かれた黒い石板のコントラストが鮮やかで、また2方向が窓ガラスになっているため、室内は明るくて開放的です。窓と並んで配置されている洗い場には、シャワー付きカランが2基取り付けられており、コックを開けると真湯が出てきました。


 
浴室の窓外に広がる景色がとっても長閑で美しい。小さな耕作地の向こうには、深耶馬渓の絶景をつくりだしている山移川のせせらぎが流れ、そして川の対岸に青々とした山が広がっています。私が訪れた日には心地よい微風が吹いていたので、窓を全開にして半露天風呂状態にし、風を体で感じながら湯浴みさせていただきました。


 
脱衣室まで響いていたボコボコ音の正体は、言わずもがな温泉の湯口です。上画像では水平方向に伸びる細いパイプが写っているのみですが、浴槽内にもうひとつ投入口があり、そこから勢いよく噴出されるお湯がボコボコという音を立てていたのでした。また画像に写っているパイプから吐出されるお湯も、まるで間欠泉のように時折ドバッと大量にお湯を噴き出すこともありました。エアリフトポンプでお湯を汲み上げているのか、送湯される過程でエアを噛んでしまうのでしょうね。


 
台形の浴槽は4〜5人サイズで、浴槽内はタイル張りですが、縁は緩やかな曲線を描く洗い出しになっており、ちょっと古風ながら柔らかな印象をもたらしていました。そしてその縁の切り欠けから湯船のお湯が惜しげも無く捨てられていました。おそらく完全放流式の湯使いかと思われます。お湯は淡い紅茶色の透明で、浮遊物や泡つきなどは見られませんでした。お湯を口に含むと、木材を焦がしたような香りとほんのりビターな味わいが感じられます。湯加減は40℃前後という長湯仕様。ツルツルスベスベの滑らかな美人湯。体への負担が少ないので、時間を忘れていつまでも浸かっていられます。また湯上がりもさっぱり爽快。長閑な景色を眺めながら爽快系の湯浴みを楽しめた、とっても気持ち良い一湯でした。


単純温泉 40.0℃ pH7.7 18L/min(自噴・掘削450m)
その他のデータは不明
(平成元年12月22日)

大分県中津市耶馬溪町大字深耶馬3216-2  地図
0979-55-2923

10:00~20:00 水曜定休
300円
備品類なし

私の好み:★★★




コメント (2)
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深耶馬渓 折戸温泉

2017年02月25日 | 大分県
 
深耶馬渓エリアは、深山幽谷の風光明媚な景色のみならず、琥珀色の滑らかで優しい温泉が点在する隠れた温泉の宝庫。今回はそんな温泉のひとつである共同浴場「折戸温泉」を訪れました。2015年にリニューアルしたそうですが、それでも民家のような木造の湯屋を目にすると、その渋い佇まいに心を奪われてしまいました。


 
温泉がある折戸地区は、山あいに棚田が広がる実に長閑で麗しい仙郷。共同浴場が面した県道の向かい側にはお宿「つきのほたる」があり、宿泊客は「折戸温泉」へ無料で入れるようです。この上ない清らかな環境ですから、宿の名前のように、日が暮れると夜空の皓月が田んぼを照らし、また初夏には蛍が淡い光を綾なしながら飛び交うのでしょうね。



宿の前には中津市コミュニティーバスの停留所が立っていたのですが、その時刻表を見てビックリ! 3往復の時刻が記されていたのですが、なんとこのバスは火曜日しか運行されないのです。吉幾三『おら東京さ行ぐだ』の歌詞では「バスは1日1度来る」でしたが、ここでは週に1日しか来ないんですから、故郷を自虐的に歌った吉幾三も真っ青。路線バスの旅を引退した太川陽介や蛭子能収でも、これでは流石にお手上げでしょう。


 
湯屋の裏手にはコンクリの躯体や背の低い小屋が建っていました。源泉関係の設備なのかな。
その右手には、河川・道路・急斜面の各改修工事竣工を記念した石碑が建立されており、その前にベンチが設置されていました。長閑で麗しい環境ですが、そんな場所で生活してゆくことは様々な困難を伴うのであり、先人の苦労と努力の積み重ねのおかげで、美しい景観が護られているんですね。


 
外観のみならず内装も綺麗に改修されました。番台のお爺さんに湯銭を支払ってから、男女別の脱衣室へ。
館内はとってもコンパクト。脱衣室は2畳半ほどしかありませんが、階段下のスペースに棚を設けることによって、スペースを有効活用しており、また壁には段違いの小棚が取り付けられ、改修を機に小洒落た空間へと生まれ変わっていました。


 
浴室も綺麗そのもの。身長170cm未満の私でも手を伸ばせば届いてしまうほど低い天井に建物の古さを感じますが、内装はきっちりと改修されており、白く塗られたモルタル壁の下半分には御影石調のタイルが貼られ、四角い大きな浴槽が一つ据えられていました。


 
室内の道路側には洗い場が配置されており、シャワー付きカランが向かい合わせに2基取り付けられていました。このシャワーもリニューアルに伴って新設された設備。カランから出てくるお湯は温泉です。


 

(目測で)1.8m×2mの浴槽には淡い焙じ茶色を帯びた透明のお湯が湛えられており、竹筒を模したパイプより温泉が勢いよく出ています。窓の外からはポンプの駆動音が響いてくるのですが、おそらくエアリフトポンプなのでしょう、湯口のお湯はエアを噛んでボコッボコッと音を立てながら間欠状態で吐出されていました。湯使いは完全放流式。温泉が絶え間なく注がれ、惜しげもなく溢れ出てゆくので、湯船のお湯はとっても新鮮です。
湯中では茶色い浮遊物がチラホラ舞っており、お湯を口に含むと、木材を焦がしたようなビター感のある匂い(モール泉系の匂い)と清涼感のある弱い苦味が感じられました。気泡の付着は無いものの、ツルツルスベスベの大変滑らかな浴感が楽しめ、この湯に入れば誰しもが美人美男になること請け合いです。しかも湯上がりは粗熱の抜けが良いため、さっぱり爽快です。
ロケーション・佇まい・お湯の三拍子が揃ったブリリアントなお風呂でした。


単純温泉 44.8℃ pH8.4 48L/min(動力揚湯・掘削500m) 蒸発残留物0.601g/kg
その他のデータは見当たらず
(昭和62年11月17日)
加水加温循環消毒なし

(所在地・電話番号・公式サイトは「小さなお宿 つきのほたる」のものです)
大分県中津市耶馬溪町大字深耶馬2142-1  地図
0979-55-2259
ホームページ

10:00〜21:00(受付20:30まで)
200円
ドライヤーあり、他備品類なし

私の好み:★★★
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玖珠町(豊後森) 椿温泉

2017年02月23日 | 大分県
 
玖珠盆地の中に市街地が広がる玖珠町中心部の豊後森周辺には、渋いながらも良質の温泉浴場が点在しており、しかも個人的な好みに合う重曹泉系のお湯が多いため、私が積極的に湯めぐりをしたくなるエリアでもあります。今回はそんな浴場のひとつであり、懐石料理店「茶房花椿」に併設されている「椿温泉」を訪ねることにしました。周辺には特に温泉の存在をアピールするような看板は立っていないため、途中までは本当に温泉に出会えるのか不安だったのですが、料理屋さんの駐車場に「椿温泉」の看板が立てかけられており、ここに至ってようやく温泉の存在を確認することができました。でも私の訪問時、料亭の玄関は閉まっていましたし、そもそもその佇まいはとても温泉らしくありません。


 
料理屋さんの脇から路地に入って裏手にまわってみますと、「営業中」と記された小さな立看板を侍らせている離れの小屋を発見。小屋には窓口があるので、どうやらここが温泉の受付のようです。でも窓口でいくら声をかけても返答がない…。もしやと勘付いて表の料理屋さんの玄関から声をかけたところ、ようやくスタッフの方が気付いてくださり、改めてこの小屋に戻って受付を済ますことができました。なお、路地のさらに奥には、温泉名とイラストが描かれた貯湯タンクが設置されていたので、いまから入るお風呂にはここでストックしたお湯を引いているのでしょう。こちらの温泉は自家源泉です。


 
こちらには男女別浴場のほか、貸切風呂が数部屋用意されており、それぞれが離れとなって細い通路沿いに建てられていました。どうやら懐石料理店では、食事と温泉の貸切入浴をセットにしたプランがあるようです。訪問時は私以外にお客さんがいなかったため、今回は男湯の「さつき」を実質的に貸切利用させていただきました。


 
質素な民芸調というべきか、田舎の農機具小屋を思わせるウッディーな脱衣室には、カゴや腰掛け、洗面台などが備え付けられていましたが、ドライヤーは見当たりませんでした。壁の張り紙には運営経費の関係で石鹸類の備え付けを中止したという旨が説明されていたので、石鹸類以上に経費を要するドライヤーは用意できないのでしょう。


 
脱衣室と引き戸一枚だけで仕切られているお風呂は露天風呂のみ。坪庭みたいな和風の空間に岩風呂がひとつ設けられています。露天とはいえ、浴槽の大部分には庇が伸びており、また日よけの簾もかけられているので、多少の風雨や陽射しが強い日でも、支障なく湯浴みすることができるでしょう。竹垣の向こう側には長閑な田園風景が広がり、盆地を取り囲む緑の山々がその稜線を左右に伸ばしていました。


 
お風呂全てが露天ですので洗い場も吹きさらし。シャワー付きカランが2基並んでおり、お湯のハンドルを開けると温泉が出てきました。


  
石板敷きの床の隅には細長いスペースがあり、たくさんのマツボックリに埋もれながら2つのバルブが頭を覗かせていました。それぞれのバルブの先は浴槽に伸びていたので、てっきり温泉の配管かと思っていたのですが、マツボックリの上に頭を出していたバルブを開けてみたところ、温泉ではなく水が出てきました。そこで、もうひとつのマツボックリの中に埋もれているバルブを開けてみたら、こちらからはれっきとした温泉が吐出されました。


 
温泉の供給口はもう一つあり、マツボックリの湯口のちょうど対照位置(つまり反対側)の浴槽縁に並べられた岩の間から、赤いテープが巻かれたパイプが一本突き出ており、バルブを開けると50.3℃というなかなか熱いお湯がドバドバと放出されました。スタッフの方から、湯加減は自分で調整してくださいと説明を受けましたので、私はこれら2つの温泉バルブを全開にし、大量掛け流し状態にさせてもらいました。おかげで浴槽のお湯は一気に入れ替わり、とってもフレッシュなお湯で満たされました。


 
岩風呂は4人サイズで、浴槽内はコンクリですが、一般的な浴槽よりも若干深めに造られているため、肩まで湯に浸かった時には十分な入り応えが得られます。お湯は無色透明で、湯の花のような浮遊物は見られません。清涼感を伴う弱い苦味があり、薄いけれどもはっきりとしたモール臭を放っています。湯中では泡つきこそ無いものの、重曹泉のようなツルツルスベスベの大変滑らかな浴感を楽しめましたので、湯浴みしている最中、私は何度も自分の肌をさすって、その滑らかさを満喫させていただきました。泉質名こそ単純泉ですが、そうした特徴は重曹泉そのものです。湯上がりも粗熱の抜けがよいのでさっぱり爽快。こんな素敵な露天風呂が、なんと200円で利用できるのですから、コストパフォーマンスの素晴らしさには脱帽です。おすすめの一湯でした。


単純温泉 51.3℃ pH8.3 湧出量測定不能(動力揚湯・掘削600m) 溶存物質0.535g/kg 成分総計0.535g/kg 
Na+:86.9mg(79.30mval%), Ca++:9.5mg,
Cl-:54.7mg(30.29mval%), Br-:0.2mg, HCO3-:214.0mg(68.84mval%),
H2SiO3:150.0mg,
(平成14年11月19日)
加水加温循環消毒なし

JR久大本線・豊後森駅より徒歩30分(約2.2km)、もしくは豊後森駅より玖珠観光バス(路線バス)の宝泉寺方面行きで「長野」バス停下車
(バスの時刻は「九州のバス時刻表」で検索してください)
大分県玖珠郡玖珠町大字塚脇長野764  地図
0973-72-3940

11:00~21:30(受付21:00まで)
200円
備品類なし

私の好み:★★★

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湯の森くす

2017年02月21日 | 大分県
 
玖珠町の中心部(豊後森)から深耶馬渓へ向かって県道28号線を北上している途中、道の左手にポツンと建っている温泉宿「湯の森くす」で立ち寄り入浴してまいりました。ここ数年の九州各地でよく見られる、いわゆる黒川温泉っぽい民芸調の佇まいですが、和風のペンションを思わせる小ざっぱりした外観からは、安心して利用できそうな雰囲気が伝わってきます。


 
中に入って声をかけますと、帳場から朗らかなおばちゃんが出てきて、お風呂の説明をしてくださいました。こちらには男湯の「切石風呂」、女湯の「岩風呂」、そして3室の家族風呂があるんだそうですが、いつものように私は一人旅であり、貸切風呂ではスペースを持て余してしまいますので、今回は貸切ではなく男湯の「切石風呂」を利用させていただくことにしました。なお帳場の前には小上がりが設けられているので、お風呂上がりにここで休憩できますね。


 
建物の裏側に出て、花々で彩られたお庭を右に見ながら、貸切風呂棟の前を通過します。


 
アプローチの突き当たりに男女別浴室のドアが並んでいました。男湯「切石風呂」は「山桐」、女湯「岩風呂」は「山藤」とネーミングされているんですね。


 
ウッディーでシックな脱衣室は黒川温泉のお宿みたい。綺麗な室内には季節の花が飾られ、落ち着いたで使い勝手もまずまずです。棚に収められた籐の籠や洗面所、そして扇風機など、ひと通りの用品は備え付けられていますが、室内にロッカーは無いので、貴重品は帳場の脇にあるロッカーへ預けましょう。


 
お風呂は露天が1つあるばかりで、全体的にコンパクトなサイズです。四方は板塀や竹垣風の化成品エクステリアで囲まれていますが、塀の高さが程々に抑えられているため、周囲の山々が借景となって、山の綺麗な空気を胸いっぱいに吸いながら、美しい緑を眺めて湯浴みすることができました。湯の森という名前に納得です。
切り出した石材を並べて作り上げられた浴槽は、寸法としては3m×3.5mの四角形で、決して大きなものではありませんが、コンパクトなお風呂とは思えないほど、その石材からは立派な風格と重厚感が伝わってきます。また、浴槽内の中央にも切り出し石が沈められており、これが腰掛け代わりになって、もたれて湯浴みしたり、また上に座って半身浴することができました。


 
浴槽と脱衣室に挟まれた隙間に洗い場が配置されており、シャワー付きカランが3基並んでいました。カランから出てくるお湯は温泉です。


 
石積みから突き出た竹筒よりお湯が吐出されていました。湯使いは完全放流式であり、脱衣室側の切り欠けからお湯の全量が溢れ出ています。脱衣室には2つの異なる源泉の分析書が掲示されていたのですが、どうやらこちらでは2本の源泉を所有しており、それをブレンドして適温に調整してから各浴槽へ供給しているようです。湯船のお湯は淡い飴色(薄い紅茶色)を帯びており、湯の花など浮遊物は見られませんが、長湯していると体に気泡がうっすらと付着しました。モール泉のような色合いの湯船に浸かると、まさにモール泉的なツルツルスベスベの大変滑らかな浴感に包まれました。湯口のお湯をテイスティングしてみますと、清涼感を伴うビターテイストが口の中に広がり、僅かながら塩味が舌に乗っかってきます。泉質名こそ単純泉ですが、2つの源泉のうち、53.2℃のお湯は食塩泉のような特徴を有し、もう一方(42.8℃)はあとちょっとで正々堂々と重曹泉を名乗れるほどの成分を有していますので、決して単純ではなく、モール泉のような浴感と、食塩泉や重曹泉のような知覚的特徴を有する、実に個性的で面白いお湯なのであります。



入りやすい湯加減であり、且つマイルドで優しいお湯なので、長湯しても体への負担が少なく、時間を忘れていつまでも浸かっていられます。また重曹泉的な特徴が働いて粗熱の抜けが良いため、湯上がりはさっぱり爽快。肌がサラスベになりました。
お風呂上がりに、帳場前の小上がりに腰掛けて、ソフトクリームを食べながら、宿のおばちゃんと軽くおしゃべり。中庭でせっかく育てた花を、山から下りてくるシカが食べちゃうから困っちゃうと嘆いていらっしゃいました。おばちゃん曰く、こちらのお宿やお風呂は、できる限りハンドメイドで作り上げ、完成まで2年もの年月を費やしたんだそうです。お風呂から伝わってくる温もりは、そんな手作りゆえのハートがもたらしてるのでしょうね。


湯の森くす(湧出地:玖珠町大字森5122-6)
単純温泉 53.2℃ pH7.9 湧出量測定せず(動力揚湯・掘削700m) 溶存物質0.734g/kg 成分総計0.739g/kg 
Na+:205.0mg(90.65mval%), Ca++:11.0mg,
Cl-:227.0mg(66.60mval%), Br-:0.5mg, HCO3-:180.0mg(30.70mval%),
H2SiO3:88.7mg, CO2:5.7mg,
(平成25年5月14日)

湯の森くす(湧出地:玖珠町大字森5123-10)
単純温泉 42.8℃ pH7.8 湧出量測定せず(動力揚湯・掘削598m) 溶存物質0.921g/kg 成分総計0.928g/kg 
Na+:176.0mg(83.08mval%), NH4+:1.3mg, Ca++:7.4mg, Fe++:0.4mg,
Cl-:46.0mg(13.93mval%), Br-:0.2mg, HCO3-:486.0mg(85.32mval%),
H2SiO3:165.0mg, CO2:6.6mg,
(平成22年7月1日)

JR久大本線・豊後森駅から玖珠観光バスの深耶馬渓方面行きで「須山」バス停下車すぐ
(バスの時刻は「九州のバス時刻表」で検索してください)
大分県玖珠郡玖珠町森5122-2
0973-72-6466
ホームページ

立ち寄り入浴 5月〜10月:11:00〜22:00、11月〜4月:11:00〜21:00 火曜定休
400円(貸切風呂1500円/50分)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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院内老人憩の家 余温泉

2017年02月19日 | 大分県
 
初夏の麗らかな陽気に恵まれた2016年の某日。私は車の窓を全開にして、青々とした稲の香りを胸いっぱいに吸い込みながら、のんびりと「日本一の石橋の町」と称される大分県宇佐市の旧院内町をドライブしていました。町内にある余地区の谷頭へ向かって坂道を登ってゆくと・・・


 
巨樹が見守る公営施設「院内老人憩の家」に到着です。といっても、老人福祉のサービスを受けるわけではなく・・・


 
老人福祉施設に内包されている入浴施設「余(あまり)温泉」が今回の目的地です。


 
駐車場の片隅には、源泉関係施設と思しき円形のコンクリ躯体があり、その傍らには色褪せた古い分析書の看板が立っていました。


 
玄関から館内に上がって右手にある窓口脇の券売機で料金を支払います。地域のご老人が憩う施設ゆえ、玄関ロビーにはソファーが置かれ、その向こうにはお座敷の広間が続いていました。そして別室ではマッサージが行われており、施設受付担当の方が施術師を兼任なさっているようでした。
玄関ロビーには地域の景勝を写した写真パネルと共に、ガラスケースの中でオオサンショウウオのレプリカが展示されていました。宇佐市の公式サイトによれば「宇佐市院内町南院内地区はオオサンショウウオの九州唯一の生息地であり、生息地域の南限」なんだとか。


 
建物の裏手から屋外に出て渡り廊下の階段を下り、湯屋へと向かいます。


 
六角堂の湯屋はとってもウッディーですが、公営だからか脱衣室は実用的で、温泉風情はいまひとつ。室内には各浴槽の温度が手書きで表示されていました。老人が客層のメインですから、湯加減の調整には慎重なのでしょうけど、内風呂43℃に対して露天が37℃以下と、両者に大きな開きがあるのがちょっと気になります。


 
六角堂を男女で半分ずつに分けた内風呂は天井が高くて開放的。太くて立派な梁がその高い天井を支えていました。石板敷きの室内には五角形を平たく潰したような形状の浴槽が一つ据えられ、窓側に配置された洗い場にはシャワー付きカランが5基並んでいます。黒い石板張りの浴槽は、最も長い辺で10m弱はあり、15人近くは入れそうなほど大きくてゆとりのある立派なもの。脱衣室側に設けられた円筒形の湯口よりお湯が注がれ、その反対側の切り欠けからオーバーフローしており、その構造から推測するに、循環の無い放流式の湯使いを実践していると思われるのですが、私の訪問時は浴槽容量の対して温泉投入量が少ないように思われました。投入量を絞ることによって湯加減を調整していたのでしょうか。
丸い湯口の湯壷には、茶色いモヤモヤしたものがユラユラしていたのですが、これって湯の花? あるいは固形物を濾すためのネットの破片? またこの湯口でちょっと残念だったのは、湯壷の中にカルキの錠剤が思いっきり見える形で沈められていたこと。老人向けのお風呂なので、消毒を実施するのは理解できますが、せめて錠剤は隠してほしいなぁ…。ちなみに湯船の温度は、脱衣室の手書き表示では43℃でしたが、私の実感では41〜2℃という実に入りやすい湯加減がキープされていました。


 
ウッディな内湯とは対照的に、露天風呂はコンクリと石板といった無彩色を多用し、且つ直線的なデザインが印象に残る近代建築っぽいレイアウト。周囲は目隠しの塀で囲まれていますが、周囲の山々の緑はちゃんと目に入ってきます。浴槽は先が尖ったL字型をしており、その中で3分割されているのですが、後述する湯口に近い浴槽ですら35℃前後(脱衣室に書かれていた数値は本当でした)。しかもそれ以外の残り2つはさらにぬるく、初夏とはいえお風呂としては機能していませんでした。これって私が訪れた時だけのことで、季節によって温度が変わるのでしょうか。なおこの露天ゾーンには、浴槽の奥に小屋が建っており、そこにはトイレと「打たせ湯」と称された小部屋が設けられていたのですが、果たして使えるのでしょうか?


 
露天風呂では、配管で引いてきた温泉や水を一旦円筒形の湯壷へ落とし、そこから溢れさせて浴槽へと注いでいます。また湯口のほか、内湯から流れてくるお湯も受けているようです(それだからぬるいのでしょうね)。内湯同様、こちらの湯壷でもカルキの錠剤があからさまに沈められていました(涙)。お湯は無色透明で、褐色の綿埃みたいな浮遊物がチラホラと浮遊しています。少々の塩味とほろ苦み、そして僅かにミシン油っぽい風味が感じられますが、そうした特徴を根こそぎ取っ払うかのように強いカルキ臭が放たれていたのが残念なところ。なお、泉質名は単純泉ですが、分析書によれば溶存物質0.980g/kgとのことですから、あとちょっとで食塩泉を名乗れますね。惜しい! 実際、湯上がりには食塩泉と同等の温まりを得られ、いつまでも体がポカポカし続けました。


単純温泉 65.8℃ pH8.3 湧出量測定せず(動力揚湯・掘削800m) 溶存物質0.980g/kg 成分総計0.981g/kg
Na+:250.2mg(81.26mval%), Ca++:25.0mg(9.34mval%),
Cl-:400.4mg(79.01mval%), Br-:2.0mg, HCO3-:86.6mg(9.94mval%), CO3--:18.6mg,
H2SiO3:111.3mg, HBO2:23.5mg,
(平成21年12月22日)

大分県宇佐市院内町上余157-1  地図
0978-42-7048

4月〜9月→12:00〜21:00、10月〜3月→12:00〜20:00 水曜定休
300円
ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり、石鹸類なし

私の好み:★★
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