温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

2018年 今年もありがとうございました

2018年12月29日 | その他
狂ったような猛暑に続いて天災が相次ぎ、挙句の果てには年末に株価の乱高下に見舞われるという、波乱万丈な2018年を、皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。「一年が経つのはあっという間ですね」なんて使い古された陳腐な歳の瀬のご挨拶をするまでもなく、あと数日で今年もおしまい。「平成最後の~」というコピーもあちらこちらで見かけますが、来年5月以降、私のような昭和の人間は3つの元号を生きることになり、自分が幼い頃に抱いていた「元号をいくつも跨ぐ明治生まれの人ってどんな感覚なんだろう」という疑問を、自らが体験して解決することになろうとは、夢想だにしていませんでした。



平家平温泉 こまゆみの里 (10月11日付記事)


前置きが長くなりましたが、今年も拙ブログにお付き合いくださり、誠にありがとうございました。
公私諸々の事情によって昨年から更新ペースが急に落ち、今年春頃からは1週間に1~2度にまで衰えてしまいましたが、それでも何とか更新を続けて今日に至っております。これもひとえに皆様もご支援の賜物であると感謝しております。



入湯2500湯記念 桜田温泉山芳園の露天風呂(9月20日付記事)


今年の我が温泉活動を回顧しますと、新規開拓できた温泉は33湯でした。この数値はここ数年で最も少なく、再訪した温泉を含めても40~50程度ですから、年に200~300近い温泉を巡っていた4~5年前と比べると、4分の1から5分の1にまでペースダウンしたことになります。もはやマニアとは称せないような状態です。しかもこれまで毎年必ず海外に出かけていた私が、今年はパスポートを使うことなく、ひたすら日本という小さな島国の中で暮らしておりました。これも私にとっては異例です。



【伊豆大川 伊豆AZUMA(来年掲載予定)】


毎年末に拙ブログでは、その年にワタシが巡った温泉の十傑を発表させていただいておりましたが、訪問箇所が50湯にも満たない状態で、その中から10を選ぶのは不本意であるため、今年の十傑発表は見送らせていただきます。

おそらく新年も今年同様、羽根を折られた鳥の如く、あまり羽ばたくことはできないでしょう。でも、まだまだ入ってみたい魅力的な温泉がたくさんありますので、できる限り時間を作り、このブログでご紹介できたらと思っております。
来年も引き続き変わらぬ御贔屓を賜りますようお願い申し上げます。
年末の寒波に体調を崩されませんようご自愛ください。

K-I

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七戸町 東八甲田温泉 その3(ヒバ風呂)

2018年12月23日 | 青森県
前回記事の続編です。

新幹線駅前温泉である「東八甲田温泉」には二つのお風呂があります。ひとつは前回記事で紹介した「大浴場」ですが、もうひとつが今回取り上げる「ヒバ風呂」です。「大浴場」がメインの浴場とするならば、この「ヒバ風呂」はサブ的な存在であり、お風呂自体は小さくて地味なのですが、その浴槽に注がれているお湯は「山椒は小粒でピリリと辛い」と表現したくなるようなパワーの持ち主。どんなお湯なのか、実際に述べてまいりましょう。



玄関の左前が「ヒバ風呂」の出入口。前回記事の「大浴場」と同様に番台があるホールに面しています。2つのお風呂は、公衆浴場としての営業時間内はいずれも不特定多数の入浴客が出入りするのですが、こちらに宿泊すれば、朝6:30から公衆浴場としての営業が始まる朝9時までなら、宿泊者専用となります。そして「ヒバ風呂」に限って言えば、公衆浴場営業終了の22:00から23:00までの1時間も宿泊者専用です(「大浴場」は公衆浴場営業終了時間と同時に宿泊者も利用できなくなります)。


 
棚と籠程度しかない質素な脱衣室を抜けてお風呂へ。
男女別のお風呂も至ってシンプルかつ実用的であり、特に飾り気と称せるようなものはありません。室内には浴槽がひとつ据えられ、壁に沿って洗い場が設けられています。洗い場にはシャワー付きカランが5基並んでいます。決して広いよは呼べない室内には、行き場を失った湯気が籠り、白く朦々と煙っていました。


 
カランから出てくるお湯は熱い源泉なのですが、それもそのはず、後述する浴槽の湯口と同じ配管から分岐しているのでした。


 
「ヒバ風呂」と称するだけあり、浴槽は総ヒバ造り。私が見たところでは2.5m×1.8mといった大きさで、5~6人サイズでしょうか。「大浴場」の主浴槽と同じくらいの入り応えがある深さを有しているので、肩までしっかり浸かれます。また湯口も「大浴場」と同様に浴槽内に潜っており、その先には濾し布が巻かれていました。

さて、この記事の冒頭でこのお風呂について「山椒は小粒で・・・」と申し上げましたが、その理由とは、熱い源泉をそのままの状態で供給していること。湯船が箆棒に熱く、しかも体が強烈に火照るのです。湯加減は私の体感で45~6℃あったかと思います。番台のおばちゃん曰く、入れなければ加水して、とのことでしたが、ここで加水しては温泉バカの名が廃りますので、意地を張って歯を食いしばり、全身を真っ赤にしながら熱さを堪えて、肩まで浸かってみることにしました。入りしなは脛がピリピリ痛く、あっという間に全身がトマト状態になってしまうのですが、でも臆せず肩まで一気に入ると、意外ともすんなり入れてしまうばかりか、不思議な気持ち良さに包まれるのです。度を越して感覚がおかしくなっているのかもしれませんが、この気持ち良さは、人によっては病み付きになることでしょう。ただし、単に熱いのみならず、体が非常に火照り、しばらくは熱で体がフラフラになるかもしれませんので、意地を張ってやせ我慢をせず、体調に合わせて適宜入るようにしましょう。

さて、こちらのお湯に関するインプレッションですが、「大浴場」「ヒバ風呂」とも同じ源泉を引いており、見た目はほぼ無色透明ながら微かに山吹色を帯びているように見えます。お湯を口に含むと僅かに銅のような金気の風味があり(鉄ではありません)、また出汁のような味も感じられます。お湯に関してお宿では「美人の湯」と謳っているように、特に源泉そのままの状態である熱い浴槽とヒバ風呂では、ツルツルスベスベの非常に滑らかな浴感がしっかり肌に伝わってきました。女性の方はもちろん、むさくるしいオッサンですらも美人気分になれること請け合いです。分析書によれば、溶存物質の値は0.5199g/kgと決して多くなく、そのほとんどは食塩であるものの、炭酸イオンを18.0mgも有しており、この炭酸イオンが入浴者を美人にしてしまうツルスベ浴感をもたらしているものと思われます。泉質名は単純泉ですが、決して単純ではなく、実に味わい深い良質なお湯です。しかも大量掛け流しなのですから、素晴らしいではありませんか。

新幹線の駅前という好立地でリーズナブルに宿泊できるうえ、良質な温泉に入ることができる、とても利用価値の高い温泉宿でした。


荒熊内温泉
アルカリ性単純温泉 47.5℃ pH不明 溶存物質0.5199g/kg 成分総計0.5214g/kg
Na+:102.2mg(94.29mval%),
Cl-:119.0mg(64.25mval%), SO4--:23.3mg(9.37mval%), HCO3-:39.7mg(12.43mval%), CO3--:18.0mg(11.47mval%),
H2SiO3:203.2mg,
(平成19年11月20日)

東北新幹線・七戸十和田駅より徒歩5分
青森県上北郡七戸町字荒熊内67-81
0176-62-6756
ホームページ

公衆浴場営業9:00~22:00
300円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸など販売あり(宿泊者はボディーソープ等の貸出有)

私の好み:★★★





 
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七戸町 東八甲田温泉 その2(大浴場)

2018年12月19日 | 青森県
前回記事の続編です。

東北新幹線の新青森開業によって突如として駅前温泉となった「東八甲田温泉」。前回記事では私が宿泊したお部屋などをご紹介しましたが、今回と次回はお風呂について触れてまいります。こちらの施設には「大浴場」と「ヒバ湯」という2種類の浴場があるのですが、今回記事で取り上げるのは「大浴場」です。


2種類の浴場とも、番台があるホールに面しています。その番台には新幹線の八甲田トンネル貫通の際に採られた記念の「貫通石」が飾られていました。トンネルが開通し、新幹線が開業したからこそ、この温泉は駅前の至極便利な温泉宿に生まれかわったわけですね。



番台の目の前にある「大浴場」。
青森県の温泉銭湯らしい実用的で広い脱衣室には、衣類や荷物を収める棚のほかにコイン式のロッカーがあり、またドライヤーも備え付けられています。



浴室内も青森県の温泉銭湯らしい佇まい。広くて天井高く、ほぼ全面タイル貼りで、壁に沿って配置されている洗い場にはカランもたくさん取り付けられています。そして複数設けられている温泉浴槽からはお湯が大量に溢れ出し、室内には湯の香が充満していました。



男湯の場合、右側の壁に沿ってL字型に洗い場が配置されており、温泉のお湯が出るシャワー付きカランが計15ヶ所並んでいます。



浴槽は4つ。手前から順に、ぬるい寝湯のような槽、水風呂、源泉そのままの熱い湯、そして中央に構える大きな主浴槽という順です。なお主浴槽には「ぬる湯」と掲示されていますが実際には適温というべき湯加減であり、源泉そのままの熱い浴槽と比べて相対的にぬるいということで「ぬる湯」とネーミングされているのでしょう。



その主浴槽では熱い源泉に、後述する水風呂に用いられている井戸水と思しき冷水を加水して42~3℃に温度調整しています。湯口は湯面下に潜っていて、その先には固形物を漉すための布が巻かれています。いくらぬる湯と表現されているはいえ、42~3℃の湯加減ですら慣れない人ならば、主浴槽でも熱いと感じることでしょう。
なおこの主浴槽は、縁取りこそヒバ材が用いられていますが、浴槽内部はタイル貼りです。肩までしっかり浸かれる深さがあるので、湯舟に浸かった時には十分な入り応えが得られました。



一方、熱い浴槽と水風呂は全体がヒバ材で構成されています。上画像では2つの浴槽が並んでいますが、奥が熱い浴槽で、手前が水風呂です。いずれも主浴槽に比べるとかなり小さく、4人前後が入ればいっぱいになりそうな感じだったように記憶しています。



熱い浴槽は私の体感で45~46℃。入った瞬間から脛がピリピリしますが、グッと堪えて肩まで入ると、不思議な気持ちよさに包まれました。そして次回記事で詳しく述べる滑らかなツルスベ浴感が非常にはっきりと感じ取ることができました。さすがに長湯できませんが、源泉の良さを体感したければ、ピリピリを覚悟してでも熱い浴槽に入るべきでしょう。


 
一方、水風呂にはおそらく井戸水が張られているものと思われます。そして水風呂の水栓はメッキされたように金色に変色していました。その色合いに関係しているのか、実際に水風呂の水からは金気があるような感触が得られました。上述の熱い浴槽で体が火照った後にこの水風呂へ入ると、めちゃくちゃ爽快で気持ち良く、私は熱い浴槽と水風呂を何度も往復してしまいました。こちらに限らず、青森県の温泉銭湯は水風呂も良いんですよね。



全ての浴槽から洗い場へ大量にオーバーフローしており、その流路となっているタイルの上は、温泉成分の影響により茶色く染まっていました。そして床を流れるオーバーフローの上でトド寝するお客さんの姿も見られました。トド寝もまた青森県の温泉らしい光景であります。

さて、次回記事ではもう一つのお風呂である「ひば湯」を取り上げつつ、こちらの温泉のお湯に関するインプレッションにも触れてまいります。

次回に続く


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七戸町 東八甲田温泉 その1(宿泊)

2018年12月13日 | 青森県
東北地方、とりわけ青森県の温泉は鉄道など公共交通機関でのアクセスに難があるところが多く、とくにローカル線や路線バスの相次ぐ廃止によって、その度合いは年々悪化していますが、七戸町には例外的に近年突如として便利になった温泉があります。東北新幹線の七戸十和田駅開業により駅前温泉となった「東八甲田温泉」です。先日、所用があって青森県を訪れた際、この七戸十和田駅を拠点にして行動したかったため、「東八甲田温泉」で一泊お世話になることとしました。



まずは七戸十和田駅で新幹線を下車。



夜の七戸十和田駅は、新幹線の駅前と思えないほど真っ暗で何もありません。
心細くなりつつ、手元の地図を見ながら、駅前の公園を突っ切って歩いてゆくと・・・



本当に1~2分もかからないうちに、目的地である「東八甲田温泉」へ到着しました。なお、上の画像は翌朝撮影したものです。駅に向かって立つ「素泊まり4,000円」と書かれた大きな看板が目印。掛け流しの温泉に入れて4,000円で宿泊できるのですからとってもリーズナブル。実際に泊まった私の感想を申し上げれば、そのあたりのチェーン系ビジネスホテルよりはるかにコストパフォーマンスが優れているように思うのですが、その理由については後述します。



こちらが入口。「東八甲田温泉」を訪れる多くのお客さんは公衆浴場としての利用であり、そうしたお客さんはこちらから出入りするのですが、宿泊客も同じくここから入り、入って右側の下足棚に靴を収めて、番台でチェックインを行います。



これが宿泊棟の外観。各室の窓のそばに室外機が設置されていることからもわかるように、各室エアコン完備です。浴場とは別棟ですが渡り廊下でつながっているので、館内移動で屋外に出ることはありません。



今回私が泊まったお部屋は1階6畳の部屋(上画像)。室内にはエアコンやテレビが完備されているほか、いかにも雪国らしくストーブも用意されています。私が当地を訪れたのは9月下旬なのですが、まだ残暑の厳しかった東京とは違って、青森県の南部地方は季節が一足早く進んでおり、日が沈むと肌寒く、9月下旬なのにもう毛布が用意されていました。



基本的に客室には布団が敷かれているだけと考えてよく、トイレや流しは共用のものを使います。画像左は共用洗面コーナーを写したもので、この部屋には冷蔵庫や電子レンジなどお勝手関係の備品も用意されていました。またこのスペースにはWifiも飛んでおり、有線LANのケーブルも引かれています。
一方、画像右は洗濯ルーム。クリーニング工場かと見まがうほど大きな室内には業務用の洗濯機が置かれており、コイン不要で洗濯機を利用することが可能です。またこの洗濯ルームの前には、温泉施設には欠かせないマッサージチェアもあります。



上述のように、こちらは公衆浴場を兼ねており、宿泊客が入浴する場合も公衆浴場のお風呂を使うのですが、浴場内にはアメニティーの備え付けが無い為、お風呂の棟へつながる渡り廊下には宿泊客用のシャンプーが用意されていました。
(お風呂に関しては次回以降の記事で取り上げます)

こちらのお宿では、お願いすれば有料で朝食をいただくことができるのですが、休日にかかる日の宿泊の場合は食事提供ができないらしく、今回まさにそのパターンになってしまったため、無条件で素泊まりとなりました。とはいえ、駅前には大きなスーパーマーケット(イオン七戸十和田)がありますから、食材やお弁当などそこで調達できますし、イオンの店内にはファミリーレストランの「まるまつ」もありますから、素泊まりでも食事に関して心配することはありません(「まるまつ」は朝食営業も行っています)

さて、次回記事ではお風呂へ向かいます。


次回記事へ続く
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栗原市築館 天然温泉たかもりの湯

2018年12月06日 | 宮城県
今回記事から拙ブログの得意エリアであるみちのく路の温泉を巡ります。

 
まずはじめは、宮城県栗原市の中核である築館の街からちょっと離れた高森地区に、数年前オープンした比較的新しい入浴専門施設である「天然温泉たかもりの湯」を訪ねることにしました。長閑な田園風景の中にあって目を惹くスタイリッシュな外観は、いかにも現代風といった佇まいです。


 
施設の目の前に広がる田んぼは休耕田なのですが、現在はビオトープとして活用を図っているようです。私の訪問時には蓮の花が咲いていました。



綺麗な玄関を入り、100円リターン式の下足箱に靴を預けます(鍵は自分で管理)。そして券売機で料金を支払い、チケットを受付に差し出します。


 
天井高くて明るい館内は小洒落ており、なかなか快適です。館内の中央には西洋風の暖炉も設置されていて、より一層瀟洒な雰囲気が醸し出されていました。この暖炉の向こう側は食堂スペース。お腹を満たしたい時には、食券を購入して利用します。私はお風呂上がりにソフトクリームをいただきました。お座敷の他にカウンター席もあるので、グループでもお一人様でも大丈夫。


 
脱衣室は決して広くありませんが、綺麗で使い勝手も良好です。なおロッカーはコイン不要でした。
お風呂も綺麗です。真ん中のパーテーションにより室内はコの字に区切られており。奥に当たるコの字の内側に洗い場が配置されています。この内湯の壁面は、一見するとコンクリ打ちっぱなしのように感じられますが、実際にはそのような模様がプリントされているタイルの建材なんですね(タイルの上から貼っているのか、元々プリントしたように加工されているのか不明です)。


 
洗い場にはシャワー付きカランが5個設置されています。なお、カランから出てくるお湯はボイラーの沸かし湯です。各シャワーブースの前には、それぞれ異なった種類のアメニティーが用意されていました。


 
内湯の浴槽は大きなL字型に象られているのですが、2つの辺は同じ大きさではなく、奥の方が幅広で手前が細い形状になっています。具体的には奥側(目測で)8.5m×3m、手前側の長辺は7m×2mといったような寸法です。


 
内湯では壁の湯口からお湯を投入しており。出入口側と最奥にあるオーバーフロー用の口から排湯しています。近年の温浴施設ではやや浅めの浴槽を導入するのが主流ですが、この大きな内湯の浴槽はいまどき珍しくちょっと深めの造りになっており、入り応えがあって私は気に入りました。


 
浴槽の一部に架けられている木の橋を渡ると露天へ出られます。屋外へ出てすぐのところでは上述のビオトープが見られますが、浴槽はステップを下ったところに設けられており、その周りを塀で囲っているため、浴槽に入ると景色は全く見えません。周囲は道路や駐車場なので仕方ありませんね。露天の浴槽はタイル貼りで四角い4人サイズ。奥に湯口あり、手前から溢れ出ています。内湯よりも浅めの現代的な造りです。



こちらで使われているお湯の源泉名は、その名も「たかもりの湯」。駐車場内に大きなタンクが屹立しており、汲み上げられた温泉はここで一旦ストックされた後、お風呂へと導かれてゆくのでしょう。
お湯の見た目は無色透明。かなりしょっぱく、出汁の味や、若干モール泉のような風味も有しています。また湯口ではアブラ臭が嗅ぎ取れるほか、うっすら出汁の香りや土気の匂いも感じられます。館内表示によれば塩素消毒が行われており、その記載の通りに塩素の臭いが少々確認できるのですが、とはいえ気になるほどではありませんでした。湯中では食塩泉らしいツルスベと若干の引っかかる浴感が得られます。そしてよく温まります。
消毒されているものの、れっきとした放流式の湯使いで、加水や循環は行われていません。冬季は加温されますが、それ以外のシーズンは加温されません。私が訪れた2018年秋の某日、湯加減は内湯で41.6℃、露天はもう少し熱めでした。露天は浴槽の容量が小さいのに内湯と同じような投入量なので湯温が高くなるのでしょう。

綺麗な施設でのんびりとした時間に抱かれながら、しょっぱい温泉で体を温められる、とても素敵な温泉施設でした。


たかもり温泉
46.5℃ pH8.1 溶存物質4600mg/kg 蒸発残留物4428mg/kg
Na+:1546mg(93.68mval%), Ca++:59.9mg,
Cl-:2505mg(93.94mval%), Br-:7.7mg, I-:2.6mg, SO4--:105.3mg, HCO3-:133.0mg,
H2SiO3:149.5mg, HBO2:35.7mg, CO2:2.7mg
(平成27年9月30日)
加水・循環なし
冬季湯温低下時のみ加温あり、消毒あり(浴槽の衛生管理のため塩素系薬剤を使用)

宮城県栗原市築館字上高森下24-1
0228-24-7161
ホームページ

9:30~21:00(入館20:30まで) 第一月曜定休
700円(平日17:00~20:30は530円)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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