※残念ながら2014年8月末を以て閉館しました。
羽州街道(国道7号)の矢立峠(秋田・青森県境)近くに位置する、日本秘湯を守る会会員の一軒宿です。周りを静かな秋田杉の美林に囲まれ、建物はいくつかの棟に分かれた趣のある大きな木造、一見すると外来入浴客に冷たいのかと思いきや、料金は400円で入浴可能時間は朝8時から夜9時までと、とても敷居の低い設定となっています。
日景とはこの宿の創業者の名前に由来しており、温泉は明治22年の磐梯山噴火の際に発生した地震によって湧き出したんだそうです。温泉成分の濃さから「三日一廻りの名湯」、つまり他の温泉ならば一週間以上は逗留しないといけない湯治がここなら三日で治ってしまう効能を有しているとアピールし、創業時から現在に至るまで湯治客を受け入れています。
玄関を潜り帳場で料金を払って左へ進み(右手には自炊部というところがあり、そこにもお風呂があることを後日知りました)、看板の指示通りに廊下を進んだ突き当たりに大浴場があります。引き戸を開けると立派な杉の壁や柱、ヒバ造りの浴槽、石敷きの床、そして優しい硫黄の香りが迎えてくれます。頭の上にわたされている梁の太さからは、秋田杉の産地ならではの、これぞ伝統的日本旅館の湯屋という風格が漂ってきます。そして窓の外から聞こえるカジカ蛙の鳴き声が湯屋に自然のさりげない風流さをもたらします。
雰囲気だけではなくお湯も頗る良好で、きれいな乳白色に濁っており、お湯を手にとってよく見てみると細かな白い粒子状の湯の華が無数に舞っていることがわかります。湯口にはコップが置かれているので飲んでみると、意外にもはっきりとした塩味にたまご味、そして渋みを帯びて口腔内に残る苦味が感じられました。上で湯治に有効な温泉成分が濃いと述べましたが、硫黄分や塩のナトリウム分から考えるに皮膚の疾患や症状に効能がありそうです。また、脱衣所の説明掲示によれば熱交換により加熱しているそうですが、それでも湯温は若干ぬるめで、かえってこの湯加減が浸かっている者に長湯を促し、お湯の質の良さも手伝って、なかなかお湯から離れることができません。
浴槽は男女別の内湯に大小の湯船がそれぞれ一つずつ、屋外に混浴の露天がひとつありますが、露天風呂は一応庭園風になっているものの、どこかとってつけてこさえたような感が否めず、私は風格があって無駄な設備の無い静かな内湯の方が心地よく寛ぐことができました。
脱衣所も浴室内も手入れが行き届いており、清潔感が溢れています。こんな立派なお風呂に400円で入れるとは、なんともありがたいことです。
内湯
内湯の湯口も木製
混浴の露天
玄関右手に立つ、懐かしい赤銅のポスト
旅館脇を流れる川の岸に咲いていました
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)
41.3℃ pH6.4 成分総計8.78g/kg
秋田県大館市長走37 地図
0186-51-2011
8:00~21:00
400円
※残念ながら2014年8月末を以て閉館しました。
私の好み:★★★
羽州街道(国道7号)の矢立峠(秋田・青森県境)近くに位置する、日本秘湯を守る会会員の一軒宿です。周りを静かな秋田杉の美林に囲まれ、建物はいくつかの棟に分かれた趣のある大きな木造、一見すると外来入浴客に冷たいのかと思いきや、料金は400円で入浴可能時間は朝8時から夜9時までと、とても敷居の低い設定となっています。
日景とはこの宿の創業者の名前に由来しており、温泉は明治22年の磐梯山噴火の際に発生した地震によって湧き出したんだそうです。温泉成分の濃さから「三日一廻りの名湯」、つまり他の温泉ならば一週間以上は逗留しないといけない湯治がここなら三日で治ってしまう効能を有しているとアピールし、創業時から現在に至るまで湯治客を受け入れています。
玄関を潜り帳場で料金を払って左へ進み(右手には自炊部というところがあり、そこにもお風呂があることを後日知りました)、看板の指示通りに廊下を進んだ突き当たりに大浴場があります。引き戸を開けると立派な杉の壁や柱、ヒバ造りの浴槽、石敷きの床、そして優しい硫黄の香りが迎えてくれます。頭の上にわたされている梁の太さからは、秋田杉の産地ならではの、これぞ伝統的日本旅館の湯屋という風格が漂ってきます。そして窓の外から聞こえるカジカ蛙の鳴き声が湯屋に自然のさりげない風流さをもたらします。
雰囲気だけではなくお湯も頗る良好で、きれいな乳白色に濁っており、お湯を手にとってよく見てみると細かな白い粒子状の湯の華が無数に舞っていることがわかります。湯口にはコップが置かれているので飲んでみると、意外にもはっきりとした塩味にたまご味、そして渋みを帯びて口腔内に残る苦味が感じられました。上で湯治に有効な温泉成分が濃いと述べましたが、硫黄分や塩のナトリウム分から考えるに皮膚の疾患や症状に効能がありそうです。また、脱衣所の説明掲示によれば熱交換により加熱しているそうですが、それでも湯温は若干ぬるめで、かえってこの湯加減が浸かっている者に長湯を促し、お湯の質の良さも手伝って、なかなかお湯から離れることができません。
浴槽は男女別の内湯に大小の湯船がそれぞれ一つずつ、屋外に混浴の露天がひとつありますが、露天風呂は一応庭園風になっているものの、どこかとってつけてこさえたような感が否めず、私は風格があって無駄な設備の無い静かな内湯の方が心地よく寛ぐことができました。
脱衣所も浴室内も手入れが行き届いており、清潔感が溢れています。こんな立派なお風呂に400円で入れるとは、なんともありがたいことです。
内湯
内湯の湯口も木製
混浴の露天
玄関右手に立つ、懐かしい赤銅のポスト
旅館脇を流れる川の岸に咲いていました
含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(硫化水素型)
41.3℃ pH6.4 成分総計8.78g/kg
秋田県大館市長走37 地図
0186-51-2011
8:00~21:00
400円
※残念ながら2014年8月末を以て閉館しました。
私の好み:★★★