前回記事で取り上げたように、雨がそぼ降る中、河原に湧く金崙温泉の野湯に入ったのですが、その後は野湯をハシゴした疲れを癒すべく、同じ金崙温泉にあ旅館で一晩過ごすことにしました。今回選んだのは「一田屋旅館」。ネット上での口コミがよかったので、泊まってみたかったのです。週末に予約なしで飛び込んだため、もしかしたら満室で断られるかもしれないと覚悟していたのですが、受付にいた超美人な若女将をたずねたところ、すんなり部屋を確保することができました。なお群馬県草津温泉の地蔵の湯近くにも同じ名前の温泉旅館がありますが、そちらとどのような関係があるのかはわかりません。敢えて詮索しないことにしましょう。
こちらが外観。県道から一本入った路地沿いですから、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、県道に看板がたくさん立っていますから、それに従えば迷うことはないでしょう。ひと昔前の草臥れた宿が多い当地にあって、こちらのお宿は小さいながらもリニューアルが図られており、旅館というよりペンションと称したくなるようなウッディで若々しさを感じるファサードです。
フロントの前にはスナック類や各種ドリンクが販売されているのですが、全てセルフサービスになっており、自分で商品を手にとってその代金を所定の料金箱に投入すればOKです。当世風に装飾された階段を上がって客室へ。
●客室と室内のお風呂
館内には利用人数に応じた客室があるのですが、ひとり旅の私は「単人房」つまり一人用の客室へ通されました。6畳ほどの室内にはセミダブルのベッドのほか、テレビや冷蔵庫などが備え付けられているほか、ベッドと全く仕切りがない状態でお風呂も一緒に据え付けられており、つまり6畳の限られた空間の中でベッドルームとバスルームが一体化され、しかも各種家電類もその中に詰め込まれているという、合理的というか無理矢理というか、とにかく凝縮されたお部屋になっているのでした。ベッドの目の前にお風呂がある部屋なんて、日本じゃお目にかかれませんね。客室に必要な要素を限られた空間にぎゅっと詰め込んでいるため、窮屈な感じは否めませんが、清掃が行き届いておりとても綺麗ですので不快な思いはしませんでした。なお室内にはWifiの電波が飛んでおり、エアコンも完備されています。私が泊まった時には朝食付きで1660元でした。
壁にはお風呂に関する説明や注意がいくつか記されているのですが、それらの中で最も目立つ位置に掲示されていたのは、シャワーの向きに留意して下さいという旨の注意書きでした。上述のようにお風呂とベッドの間には仕切りがなく、お風呂の目の前にベッドがありますから、シャワーの向きに気をつけないとベッドがびしょびしょになってしまうのです。
浴槽の縁にはヒノキの手桶が置かれていましたが、洗い場のスペースは無く、ユニットバスのように浴槽内でシャンプーなどをしなくてはならないため、手桶を実際に使う機会はあまり無いかと思います。つまり温泉らしい雰囲気を醸し出すための飾りなのでしょう。
カランから出てくるお湯は熱々の温泉。カランにおける吐出温度は59.3℃という結構な高温でしたから、お湯と水の両方を出しながら湯船にお湯を張りました。温泉旅館としての矜持なのか、部屋の空間は限られているのに、浴槽は1.5人分はあるかと思われるほど、そこそこ立派な造りです。このためゆったりと寛いで入浴できるのですが、その反面、お湯が溜まるまで30分以上かかりました。
浴槽にお湯を張ったところを撮ったのは上画像です。お宿の説明によれば自家源泉100%とのこと。見ての通り無色透明で湯の花などは無く、ほぼ無味無臭なのですが、カランのコックを開けた瞬間には、ふわっとタマゴ臭(イオウのような香り)が香ってきました。またお湯を口の中で転がしてゆっくりテイスティングしてみますと、弱い土類感と僅かな金気、そして薄っすらとした塩気が感じられました。館内表示によれば泉質は碳酸氫鹽泉、日本語に直訳すると重炭酸塩泉となり、従来の日本式の分類ではおそらく重炭酸土類泉に該当するものと思われますが、上述した各特徴は日本の重炭酸土類泉にも共通するものであり、また私がいままで金崙温泉の他施設で入ってきたお湯の特徴とも似通っていますので、主張は弱いものの正真正銘本物の温泉であることに間違いないかと思います。
自分以外誰にも触れていないお湯ですし、がっちりした造りのお風呂は四肢を伸ばしてゆったり入れるので、夜はベッドに入る直前まで、朝は起床してすぐ、それぞれお風呂に入って湯浴みを存分に楽しませてもらいました。ちなみに右(or下)画像は、お風呂(客室)の窓から眺めた外の景色。田舎の集落そのものですね。もし外からの人目が気になる場合は、カーテンを閉めれば大丈夫。
●食事
台湾の温泉宿は料金に夕食が含まれていないことが多く、特に金崙のような僻地で泊る場合は食堂探しに難儀するのですが、こちらのお宿はフロントの前に食事ができるオープンスペースが設けられており、18:00から19:00の間は別料金で夕食をいただくことができます。つまり食堂を探し歩く必要がないのです。これは便利ですね。
注文できるメニューは、お店自慢の水餃子のほか、チャーハン、スープ、季節の野菜の炒め物の以上4点に限られています。ちなみに私が泊まった日のスープの具はミートボールで、炒め物の野菜はキャベツでした(スープはタマゴスープの場合が多いようです)。欲張りな私は全部注文しようと試みましたが、お店の方曰く、一人では量が多すぎるとのことでしたので、チャーハン以外の3点(水餃子・スープ・炒め物)をいただくことにしました。いずれも地元のお母さんたちの手作り。特に水餃子はモチモチした食感が素晴らしく、とても美味しかった! ちなみにその3点で合計135元ですから、日本円で約500円。リーズナブルなのに、量が多くて美味しい。なお食後にはお茶かコーヒー、そして温泉卵(ゆで卵)のサービスが付いています。胃袋を掴まれるとハートまで支配されてしまうわけですが、この食事と若女将の笑顔のおかげで、すっかりこの宿が気に入りました。
朝食は料金に含まれており、チェックイン時に希望時間を伝えれば、お部屋まで届けてくれます。届けてくれると言っても、部屋のドアを開けて直接手渡されるのではなく、ドアの外側の脇に朝食専用の折りたたみ式小テーブルがあり、指定の時間になるとその小テーブルの上に、紙袋に入れられた朝食が置かれるのです。
紙袋の中に入っていたのは、焼餅(台湾風焼きパン)、ちまき、ロールケーキ、そして豆漿という、いかにも台湾の朝食らしい内容でした。
●露天風呂(大衆湯)と個室風呂
お宿の1階にはパブリックの露天風呂(大衆湯)、そして個室風呂があり、これらは外来入浴も可能です。部屋の中にいるだけでは退屈なので、夜に部屋で水着に着替えてから露天風呂へ入ってみることにしました。露天風呂といっても、フロント右前の、エントランスのアプローチから続く奥まった空間に無理やりプールを設けているような感じで、正直なところ温泉風情はなく、屋外プールとしての趣きや開放感もいまいちです。なお入浴時間は決められており、午後5時から午後10時まで。
日帰り入浴は200元で、料金にはPETボトルのミネラルウォーターと貸しタオルが含まれています。館内表示によればお湯は自家源泉で、何も手を加えていない源泉100%なんだそうです。
私が露天風呂(大衆湯)に入ると、日本人は熱い風呂が好きだと理解しているのか、宿のおばちゃんが湯口のコックを全開にして、お湯をドバドバと大量に投入してくれました。そのおかげで、私の利用前は38℃でしたが、短時間で41℃まで上昇しました。表面を白い析出で覆われたパイプが複数あり、手元のコックの開閉で投入量が調整できるのですが、おばちゃんは配管の大元にある開閉バルブを操作してくれたので、手元バルブの全開以上に怒涛の若く温泉が噴き出されたのでした。
お湯は無色透明で、湯口付近ではほんのりとタマゴ臭が香ってきます。湯中ではツルツルとキシキシという相反する浴感が拮抗しながら肌に伝わってきますが、その浴感は重炭酸土類泉の特徴そのもの。お湯の投入が続いてプール内のお湯がどんどん入れ替わってゆくにつれ、お湯から伝わるフィーリングも良くなっていきました。またそれに比例して温浴効果も強くなり、本来なら長湯できて当然の41℃なのに、このお湯に浸かっているとパワフルに温まり、湯上がりには長時間にわたって汗が引かなくなりました。
体をクールダウンさせるついでに、大衆湯の奥へ伸びる細長い通路を進んでゆくと、その奥には個室風呂(私人小湯)の個室が並んでいました。こちらも利用時間が決められており、夜は午後3時から午後11時、翌朝は午前8時から11時までのようです。
個室風呂群の手前には、大衆湯用の着替え用個室、そしてドライヤーやミラーなどが備え付けられた空間も用意されていました。
各個室は浴槽の大きさやレイアウトに若干の違いがありますが、どこもほとんど同じような造りで、それぞれ浴槽ひとつとシャワーが1基設置されていました。なおこちらの個室風呂は、利用の都度お湯を張り直すタイプですので、利用が終わったらお湯を抜いて空にしておきます。もちろん各個室に引かれているお湯は温泉です。台湾の一般的な個室風呂と同じく、単に体を洗って湯船に浸かるためだけの、至って実用的なお風呂ですので、利用の際にドアを閉めると閉塞的で圧迫感があり、温泉風情を期待できるものではありません。私は自分の客室でお風呂に入れたので、この個室風呂は利用しておりません。
チェックアウトの際、宿のおばちゃんからお土産をいただきました。宿のロゴが印刷されたパッケージには「温泉蜜汁地瓜」と記されているように、おそらく温泉の熱で調理した(あるいは温泉を使って栽培した)サツマイモなのでしょう。地瓜とはサツマイモのことです。実際に食べてみますと、はじめの一口二口は美味しいのですが、砂糖で煮ているのか非常に甘いため、途中でギブアップしてしまいました。一人ではなくみんなで少しずつ摘んでいただくのが良いのかもしれませんね。
日帰り入浴できる露天風呂(大衆池)や個室風呂は正直なところ温泉風情に欠けるので、あくまで私個人の意見を申し上げれば、これらを目当てにしてわざわざ来るほどではないような気がしますが、宿自体は綺麗で便利ですし、超美人の若女将をはじめ宿の方は皆さん親切、お部屋もコンパクトながらオールインワンで便利で綺麗、しかもリーズナブルという、ポジティヴ評価したくなるポイントがたくさんありますから、金崙温泉での宿泊で迷ったら、ここを第一候補にするのも良いかもしれません。フレッシュなお湯を自分の部屋で楽しみながら、実に快適な一晩を過ごすことができました。
碳酸氫鹽泉 30℃以上 溶存物質500mg/L以上 HCO3-:250mg以上,
GPS座標:22.531474, 120.942668
台東県太麻里郷金崙溫泉34-5
電話089-772289
ホームページ
日帰り入浴8:00〜22:00
200元(ミネラルウォーター・貸タオル付き)
ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5
こちらが外観。県道から一本入った路地沿いですから、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、県道に看板がたくさん立っていますから、それに従えば迷うことはないでしょう。ひと昔前の草臥れた宿が多い当地にあって、こちらのお宿は小さいながらもリニューアルが図られており、旅館というよりペンションと称したくなるようなウッディで若々しさを感じるファサードです。
フロントの前にはスナック類や各種ドリンクが販売されているのですが、全てセルフサービスになっており、自分で商品を手にとってその代金を所定の料金箱に投入すればOKです。当世風に装飾された階段を上がって客室へ。
●客室と室内のお風呂
館内には利用人数に応じた客室があるのですが、ひとり旅の私は「単人房」つまり一人用の客室へ通されました。6畳ほどの室内にはセミダブルのベッドのほか、テレビや冷蔵庫などが備え付けられているほか、ベッドと全く仕切りがない状態でお風呂も一緒に据え付けられており、つまり6畳の限られた空間の中でベッドルームとバスルームが一体化され、しかも各種家電類もその中に詰め込まれているという、合理的というか無理矢理というか、とにかく凝縮されたお部屋になっているのでした。ベッドの目の前にお風呂がある部屋なんて、日本じゃお目にかかれませんね。客室に必要な要素を限られた空間にぎゅっと詰め込んでいるため、窮屈な感じは否めませんが、清掃が行き届いておりとても綺麗ですので不快な思いはしませんでした。なお室内にはWifiの電波が飛んでおり、エアコンも完備されています。私が泊まった時には朝食付きで1660元でした。
壁にはお風呂に関する説明や注意がいくつか記されているのですが、それらの中で最も目立つ位置に掲示されていたのは、シャワーの向きに留意して下さいという旨の注意書きでした。上述のようにお風呂とベッドの間には仕切りがなく、お風呂の目の前にベッドがありますから、シャワーの向きに気をつけないとベッドがびしょびしょになってしまうのです。
浴槽の縁にはヒノキの手桶が置かれていましたが、洗い場のスペースは無く、ユニットバスのように浴槽内でシャンプーなどをしなくてはならないため、手桶を実際に使う機会はあまり無いかと思います。つまり温泉らしい雰囲気を醸し出すための飾りなのでしょう。
カランから出てくるお湯は熱々の温泉。カランにおける吐出温度は59.3℃という結構な高温でしたから、お湯と水の両方を出しながら湯船にお湯を張りました。温泉旅館としての矜持なのか、部屋の空間は限られているのに、浴槽は1.5人分はあるかと思われるほど、そこそこ立派な造りです。このためゆったりと寛いで入浴できるのですが、その反面、お湯が溜まるまで30分以上かかりました。
浴槽にお湯を張ったところを撮ったのは上画像です。お宿の説明によれば自家源泉100%とのこと。見ての通り無色透明で湯の花などは無く、ほぼ無味無臭なのですが、カランのコックを開けた瞬間には、ふわっとタマゴ臭(イオウのような香り)が香ってきました。またお湯を口の中で転がしてゆっくりテイスティングしてみますと、弱い土類感と僅かな金気、そして薄っすらとした塩気が感じられました。館内表示によれば泉質は碳酸氫鹽泉、日本語に直訳すると重炭酸塩泉となり、従来の日本式の分類ではおそらく重炭酸土類泉に該当するものと思われますが、上述した各特徴は日本の重炭酸土類泉にも共通するものであり、また私がいままで金崙温泉の他施設で入ってきたお湯の特徴とも似通っていますので、主張は弱いものの正真正銘本物の温泉であることに間違いないかと思います。
自分以外誰にも触れていないお湯ですし、がっちりした造りのお風呂は四肢を伸ばしてゆったり入れるので、夜はベッドに入る直前まで、朝は起床してすぐ、それぞれお風呂に入って湯浴みを存分に楽しませてもらいました。ちなみに右(or下)画像は、お風呂(客室)の窓から眺めた外の景色。田舎の集落そのものですね。もし外からの人目が気になる場合は、カーテンを閉めれば大丈夫。
●食事
台湾の温泉宿は料金に夕食が含まれていないことが多く、特に金崙のような僻地で泊る場合は食堂探しに難儀するのですが、こちらのお宿はフロントの前に食事ができるオープンスペースが設けられており、18:00から19:00の間は別料金で夕食をいただくことができます。つまり食堂を探し歩く必要がないのです。これは便利ですね。
注文できるメニューは、お店自慢の水餃子のほか、チャーハン、スープ、季節の野菜の炒め物の以上4点に限られています。ちなみに私が泊まった日のスープの具はミートボールで、炒め物の野菜はキャベツでした(スープはタマゴスープの場合が多いようです)。欲張りな私は全部注文しようと試みましたが、お店の方曰く、一人では量が多すぎるとのことでしたので、チャーハン以外の3点(水餃子・スープ・炒め物)をいただくことにしました。いずれも地元のお母さんたちの手作り。特に水餃子はモチモチした食感が素晴らしく、とても美味しかった! ちなみにその3点で合計135元ですから、日本円で約500円。リーズナブルなのに、量が多くて美味しい。なお食後にはお茶かコーヒー、そして温泉卵(ゆで卵)のサービスが付いています。胃袋を掴まれるとハートまで支配されてしまうわけですが、この食事と若女将の笑顔のおかげで、すっかりこの宿が気に入りました。
朝食は料金に含まれており、チェックイン時に希望時間を伝えれば、お部屋まで届けてくれます。届けてくれると言っても、部屋のドアを開けて直接手渡されるのではなく、ドアの外側の脇に朝食専用の折りたたみ式小テーブルがあり、指定の時間になるとその小テーブルの上に、紙袋に入れられた朝食が置かれるのです。
紙袋の中に入っていたのは、焼餅(台湾風焼きパン)、ちまき、ロールケーキ、そして豆漿という、いかにも台湾の朝食らしい内容でした。
●露天風呂(大衆湯)と個室風呂
お宿の1階にはパブリックの露天風呂(大衆湯)、そして個室風呂があり、これらは外来入浴も可能です。部屋の中にいるだけでは退屈なので、夜に部屋で水着に着替えてから露天風呂へ入ってみることにしました。露天風呂といっても、フロント右前の、エントランスのアプローチから続く奥まった空間に無理やりプールを設けているような感じで、正直なところ温泉風情はなく、屋外プールとしての趣きや開放感もいまいちです。なお入浴時間は決められており、午後5時から午後10時まで。
日帰り入浴は200元で、料金にはPETボトルのミネラルウォーターと貸しタオルが含まれています。館内表示によればお湯は自家源泉で、何も手を加えていない源泉100%なんだそうです。
私が露天風呂(大衆湯)に入ると、日本人は熱い風呂が好きだと理解しているのか、宿のおばちゃんが湯口のコックを全開にして、お湯をドバドバと大量に投入してくれました。そのおかげで、私の利用前は38℃でしたが、短時間で41℃まで上昇しました。表面を白い析出で覆われたパイプが複数あり、手元のコックの開閉で投入量が調整できるのですが、おばちゃんは配管の大元にある開閉バルブを操作してくれたので、手元バルブの全開以上に怒涛の若く温泉が噴き出されたのでした。
お湯は無色透明で、湯口付近ではほんのりとタマゴ臭が香ってきます。湯中ではツルツルとキシキシという相反する浴感が拮抗しながら肌に伝わってきますが、その浴感は重炭酸土類泉の特徴そのもの。お湯の投入が続いてプール内のお湯がどんどん入れ替わってゆくにつれ、お湯から伝わるフィーリングも良くなっていきました。またそれに比例して温浴効果も強くなり、本来なら長湯できて当然の41℃なのに、このお湯に浸かっているとパワフルに温まり、湯上がりには長時間にわたって汗が引かなくなりました。
体をクールダウンさせるついでに、大衆湯の奥へ伸びる細長い通路を進んでゆくと、その奥には個室風呂(私人小湯)の個室が並んでいました。こちらも利用時間が決められており、夜は午後3時から午後11時、翌朝は午前8時から11時までのようです。
個室風呂群の手前には、大衆湯用の着替え用個室、そしてドライヤーやミラーなどが備え付けられた空間も用意されていました。
各個室は浴槽の大きさやレイアウトに若干の違いがありますが、どこもほとんど同じような造りで、それぞれ浴槽ひとつとシャワーが1基設置されていました。なおこちらの個室風呂は、利用の都度お湯を張り直すタイプですので、利用が終わったらお湯を抜いて空にしておきます。もちろん各個室に引かれているお湯は温泉です。台湾の一般的な個室風呂と同じく、単に体を洗って湯船に浸かるためだけの、至って実用的なお風呂ですので、利用の際にドアを閉めると閉塞的で圧迫感があり、温泉風情を期待できるものではありません。私は自分の客室でお風呂に入れたので、この個室風呂は利用しておりません。
チェックアウトの際、宿のおばちゃんからお土産をいただきました。宿のロゴが印刷されたパッケージには「温泉蜜汁地瓜」と記されているように、おそらく温泉の熱で調理した(あるいは温泉を使って栽培した)サツマイモなのでしょう。地瓜とはサツマイモのことです。実際に食べてみますと、はじめの一口二口は美味しいのですが、砂糖で煮ているのか非常に甘いため、途中でギブアップしてしまいました。一人ではなくみんなで少しずつ摘んでいただくのが良いのかもしれませんね。
日帰り入浴できる露天風呂(大衆池)や個室風呂は正直なところ温泉風情に欠けるので、あくまで私個人の意見を申し上げれば、これらを目当てにしてわざわざ来るほどではないような気がしますが、宿自体は綺麗で便利ですし、超美人の若女将をはじめ宿の方は皆さん親切、お部屋もコンパクトながらオールインワンで便利で綺麗、しかもリーズナブルという、ポジティヴ評価したくなるポイントがたくさんありますから、金崙温泉での宿泊で迷ったら、ここを第一候補にするのも良いかもしれません。フレッシュなお湯を自分の部屋で楽しみながら、実に快適な一晩を過ごすことができました。
碳酸氫鹽泉 30℃以上 溶存物質500mg/L以上 HCO3-:250mg以上,
GPS座標:22.531474, 120.942668
台東県太麻里郷金崙溫泉34-5
電話089-772289
ホームページ
日帰り入浴8:00〜22:00
200元(ミネラルウォーター・貸タオル付き)
ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5