※今回の記事に温泉は登場しません。あしからず。
中国の内陸部に位置し、中国大陸を代表する大河長江が真ん中を流れ、しかも起伏の激しい地形に市街地が広がる重慶の街。近年の急激な発展にともない公共交通機関の整備が求められ、2000年代に入ってようやく都市型の大量輸送機関が運行されるようになったそうです。一般的な都市ならば地下鉄を整備しますが、大河が流れ、起伏が激しく、かつ地盤が硬い地形ゆえに、この重慶ではそれらの条件に強いとされるモノレールが都市交通の主役として選ばれました。
急斜面や崖が続く土地にマンションなど高層住宅が重畳し、その間をモノレールがすり抜けてゆく光景は、発展著しい21世紀の重慶らしいランドスケープですが、その特殊な条件のため、他の都市では見られない不思議な光景に出逢えるようです。温泉巡りの合間にちょっと寄り道して、当地では有名なモノレールの面白ポイントへ行ってみることにしました。
重慶は長江と支流である嘉陵江が合流する地点に築かれた街。その嘉陵江に夕陽が沈もうとしています。
ここは重慶の都心部、渝中区の李子壩という地区で、凹凸のある丘陵地形が川へ一気にストンと落ちる急な岸に街区が広がっています。
嘉陵江に沿って幹線道路とモノレール2号線が走っています。川岸の崖を切り崩して土地を均し、道路とモノレールを敷いたのでしょう。ちなみにこの2号線は中国初のモノレールであり、日立の技術により建設されました。
李子壩にはモノレール2号線の駅が設けられています。この駅が実にユニーク。なんとマンションの7階に駅のホームがあり、モノレールがマンションを貫通しているのです。かつて日本でも姫路モノレールの大将軍駅で同様の構造が見られましたが、姫路モノレールは昭和49年に営業を休止し(昭和54年に正式廃止)、建物も2017年頃までに解体されてしまいましたから、モノレールが貫通しているマンションは世界広しといえども重慶の李子壩だけと言えるでしょう。
空中を飛ぶように走るモノレールが高層のマンションに突っ込んでゆくという、ちょっとシュールな光景が見られる当地は、重慶のB級観光スポットになっているんだとか。実際に私が現地を訪れると、スマートフォンを片手にモノレールの線路を見上げる方がたくさんいらっしゃいました。
当然ながら見学者は駅前に集中しており、駅を背景に記念撮影する方も見られます。
なにやら騒がしくなってきたと思ったら・・・
モノレールがやってきて・・・
スゥーっとマンションに吸い込まれていきました。他では見られない光景ですから、現地で見学していると意外と面白く、運行本数も多いので、私はここでしばらく見続けてしまいました。
李子壩の岸からは、川越しに重慶の街を一望できます。川の東側を眺めると、対岸に高層建築が高さを競いながらひしめき合っており、市街を南北に貫く3号線のモノレールが、ビル群の手前に架かる橋で嘉陵江をひっきりなしに横断していました。
現代中国の「勢い」をまざまざと見せつけられました。
ちなみにこれが重慶の公共交通機関で使える非接触型ICカード「暢通卡(畅通卡)」。いわば重慶版Suicaです。私は地下鉄(モノレール)の窓口で購入し、その場で100元か200元をチャージしました。
そうそう、この記事をはじめ拙ブログでは重慶のモノレールばかり取り上げましたが、重慶にはパンタグラフで集電し鉄の車輪で走る一般的な電車も運行されていますよ。1号線はそうした鉄道のひとつ。上画像は磁器口駅で撮りました。
ということで、連続してアップまいりました中国・重慶の温泉ネタは今回で終了。
次回からは日本の温泉に戻ります。
中国の内陸部に位置し、中国大陸を代表する大河長江が真ん中を流れ、しかも起伏の激しい地形に市街地が広がる重慶の街。近年の急激な発展にともない公共交通機関の整備が求められ、2000年代に入ってようやく都市型の大量輸送機関が運行されるようになったそうです。一般的な都市ならば地下鉄を整備しますが、大河が流れ、起伏が激しく、かつ地盤が硬い地形ゆえに、この重慶ではそれらの条件に強いとされるモノレールが都市交通の主役として選ばれました。
急斜面や崖が続く土地にマンションなど高層住宅が重畳し、その間をモノレールがすり抜けてゆく光景は、発展著しい21世紀の重慶らしいランドスケープですが、その特殊な条件のため、他の都市では見られない不思議な光景に出逢えるようです。温泉巡りの合間にちょっと寄り道して、当地では有名なモノレールの面白ポイントへ行ってみることにしました。
重慶は長江と支流である嘉陵江が合流する地点に築かれた街。その嘉陵江に夕陽が沈もうとしています。
ここは重慶の都心部、渝中区の李子壩という地区で、凹凸のある丘陵地形が川へ一気にストンと落ちる急な岸に街区が広がっています。
嘉陵江に沿って幹線道路とモノレール2号線が走っています。川岸の崖を切り崩して土地を均し、道路とモノレールを敷いたのでしょう。ちなみにこの2号線は中国初のモノレールであり、日立の技術により建設されました。
李子壩にはモノレール2号線の駅が設けられています。この駅が実にユニーク。なんとマンションの7階に駅のホームがあり、モノレールがマンションを貫通しているのです。かつて日本でも姫路モノレールの大将軍駅で同様の構造が見られましたが、姫路モノレールは昭和49年に営業を休止し(昭和54年に正式廃止)、建物も2017年頃までに解体されてしまいましたから、モノレールが貫通しているマンションは世界広しといえども重慶の李子壩だけと言えるでしょう。
空中を飛ぶように走るモノレールが高層のマンションに突っ込んでゆくという、ちょっとシュールな光景が見られる当地は、重慶のB級観光スポットになっているんだとか。実際に私が現地を訪れると、スマートフォンを片手にモノレールの線路を見上げる方がたくさんいらっしゃいました。
当然ながら見学者は駅前に集中しており、駅を背景に記念撮影する方も見られます。
なにやら騒がしくなってきたと思ったら・・・
モノレールがやってきて・・・
スゥーっとマンションに吸い込まれていきました。他では見られない光景ですから、現地で見学していると意外と面白く、運行本数も多いので、私はここでしばらく見続けてしまいました。
李子壩の岸からは、川越しに重慶の街を一望できます。川の東側を眺めると、対岸に高層建築が高さを競いながらひしめき合っており、市街を南北に貫く3号線のモノレールが、ビル群の手前に架かる橋で嘉陵江をひっきりなしに横断していました。
現代中国の「勢い」をまざまざと見せつけられました。
ちなみにこれが重慶の公共交通機関で使える非接触型ICカード「暢通卡(畅通卡)」。いわば重慶版Suicaです。私は地下鉄(モノレール)の窓口で購入し、その場で100元か200元をチャージしました。
そうそう、この記事をはじめ拙ブログでは重慶のモノレールばかり取り上げましたが、重慶にはパンタグラフで集電し鉄の車輪で走る一般的な電車も運行されていますよ。1号線はそうした鉄道のひとつ。上画像は磁器口駅で撮りました。
ということで、連続してアップまいりました中国・重慶の温泉ネタは今回で終了。
次回からは日本の温泉に戻ります。