前回に引き続きユタ州の温泉を巡ります。
前回記事のメードー温泉にすっかり感動した私は、調子に乗ってもう1ヶ所訪ねることにしました。
ユタ州からコロラド州デンバー方面へ向かうフリーウェイI-70を東進し、途中の25番出口でおります。そして、山のふもとにあるモンローの街へ向かってさらに東へ走ります。
フリーウェイをおりてから程なくモンローの街に入ります。
わかりにくいのですが、街のメインストリートに看板が立っていますので、これに従い路地を入ってゆくと、街区と山裾との境界付近に上画像のような青い看板が立っています。
坂道を上がった突き当たりが、今回の目的地であるミスティック温泉です。こちらは温泉入浴のみならず、キャンプ場としても営業しているらしく、山裾の一帯に広大な敷地が展開されています。
まずは、私物と売り物が雑然と並べられているB級感の強い、いや、個性的な感覚があふれるレセプションで料金を支払います。
受付に掲示されている構内図はイラスト付きの手書き。この微笑ましい地図によれば、温泉の主浴槽やバスタブは建物裏手の山側に点在しており、また、先ほど通ってきた路地の途中にはRVパークやキャンプ場があるようです。
構内図を頭の中に入れたうえで、一旦屋外に出て温泉へ。レセプションの脇に設けられているプールは空っぽでしたが、普段から使っていないような雰囲気です。裏手の階段を上がってゆくと・・・
大きいコンクリのプールが濁り湯を湛えていました。そしてその背後には、まるでマッコウクジラの頭のような形状をした、鮮やかなオレンジ色に染まる石灰華ドームが圧倒的な存在感を放っていました。言わずもがな温泉が作り上げた造形部なのですが、これだけの規模が出来上がっているとは恐れ入ります。すごい!
近づいてみました。ドームの上から温泉が落ちており、その流れ落ちる過程でドームが少しずつ成長しているのでしょうね。陽の光を受けたドーム上の温泉はキラキラと煌めいていました。
ウグイス色を帯びた黄土色に濁るお湯の温度は37.8℃。長湯するにはもってこいの湯加減です。大きなプールの中央には島のような突起があり、そこに凭れ掛かって談笑するお客さんの姿が見られました。
まずはここへ入浴しました。こりゃ気持ちいいぞ!
ちょっとわかりにくいのですが、左(上)画像はドームの上から落ちてくるお湯を体に当てて打たせ湯をたのしむ女性を写したところです。洋の東西を問わず、上から流れ落ちてくるお湯を打たせ湯にして楽しむのは人類共通なのですね。なお主浴槽にはコンクリの副浴槽も付帯しています。副浴槽はサイズがややコンパクトである反面、湯加減が若干高いのですが、とはいえ40℃未満ですから、長湯仕様であることには変わりありません。
主浴槽の脇から伸びる階段で更に丘の上へ。上がってみます。丘のなだらかな斜面に、ところどころ赤くなっている箇所が見られますが、これは温泉が流れることによって生まれた石灰華です。
階段を上がると、一人サイズのバスタブが複数並んでいます。そのうち3つ(上画像)は隣り合っており、いずれも背後にある小さな石灰華ドームより落ちてくるお湯を受けています。各バスタブとも上述の大きなプールと同じ濁り方をしていますが、お湯の供給量が少ないため、湯加減は35℃あるかないか、といった程度であり、日本人にとってはちょっと物足りません。
3つのバスタブから10~20メートルほど離れたところに、真っ赤な石灰華ドームがせり出ていました。雪を頂く青い山とのコントラストが鮮やかです。
この石灰華ドームにはホーローのバスタブが2つ横付けされているのですが、日々成長する石灰華により、いまにも石灰に呑み込まれそうでした。このバスタブもドームの上から落ちてくるお湯を受けています。
2つのうちの一方に入ってみました。一人サイズのバスタブに供給されるお湯の量はかなり少なく、それゆえ私が入った箇所の温度は31.8℃というかなりぬるい状態でした。源泉からやってくるお湯は、配管ではなく、用水路のような細い水路を流れてくるのですが、その流路がスケールによって細くなってしまっているのか、湯量が絞られちゃっていたようです。バスタブの全てがぬるいわけではなく、適温のところもあったのですが、そのような良い場所は他のお客さんが長時間占拠し、新聞などを読みながら呑気に長湯をしていたため、入ることができませんでした。
上画像(4枚)が源泉から各バスタブや温泉プールへお湯を導く水路です。丘の上を流れる熱い温泉は流路を赤く染めながら、途中で分岐して各浴槽へお湯を供給しています。ここを流れる時点では57℃以上もありますから、流量さえ上手く調整すれば日本人好みの適温まで湯加減を上げることが可能であり、スコップか何かで水路にこびりついている石灰質のスケールをカリカリ削れば流量を増やすことは用意なのではないかと思われます。この水路を流れている温泉はまだ濁っておらず、透明なままです。お湯からは弱い金気味と土類味(石灰系)が感じられ、また炭酸味の名残みたいな感覚も少々得られました。重炭酸土類泉か塩化土類泉系の泉質かと思われます。
私が訪問した時の湯加減は少々残念でしたが、しかしながらロケーションは抜群であり、また石灰華ドームも圧巻ですから、温泉ファンなら行く価値が十分にあります。印象に残る面白い温泉でした。
GPS:38.633876, -112.108499
475 E 100 N, Monroe, UT
435(527)3286
ホームページ
入浴15ドル
備品類なし
私の好み:★★★
昨年から続けてまいりましたアメリカの記事はこれで最後です。お付き合い下さりありがとうございました。
次回から日本の温泉に戻ります。
前回記事のメードー温泉にすっかり感動した私は、調子に乗ってもう1ヶ所訪ねることにしました。
ユタ州からコロラド州デンバー方面へ向かうフリーウェイI-70を東進し、途中の25番出口でおります。そして、山のふもとにあるモンローの街へ向かってさらに東へ走ります。
フリーウェイをおりてから程なくモンローの街に入ります。
わかりにくいのですが、街のメインストリートに看板が立っていますので、これに従い路地を入ってゆくと、街区と山裾との境界付近に上画像のような青い看板が立っています。
坂道を上がった突き当たりが、今回の目的地であるミスティック温泉です。こちらは温泉入浴のみならず、キャンプ場としても営業しているらしく、山裾の一帯に広大な敷地が展開されています。
まずは、私物と売り物が雑然と並べられているB級感の強い、いや、個性的な感覚があふれるレセプションで料金を支払います。
受付に掲示されている構内図はイラスト付きの手書き。この微笑ましい地図によれば、温泉の主浴槽やバスタブは建物裏手の山側に点在しており、また、先ほど通ってきた路地の途中にはRVパークやキャンプ場があるようです。
構内図を頭の中に入れたうえで、一旦屋外に出て温泉へ。レセプションの脇に設けられているプールは空っぽでしたが、普段から使っていないような雰囲気です。裏手の階段を上がってゆくと・・・
大きいコンクリのプールが濁り湯を湛えていました。そしてその背後には、まるでマッコウクジラの頭のような形状をした、鮮やかなオレンジ色に染まる石灰華ドームが圧倒的な存在感を放っていました。言わずもがな温泉が作り上げた造形部なのですが、これだけの規模が出来上がっているとは恐れ入ります。すごい!
近づいてみました。ドームの上から温泉が落ちており、その流れ落ちる過程でドームが少しずつ成長しているのでしょうね。陽の光を受けたドーム上の温泉はキラキラと煌めいていました。
ウグイス色を帯びた黄土色に濁るお湯の温度は37.8℃。長湯するにはもってこいの湯加減です。大きなプールの中央には島のような突起があり、そこに凭れ掛かって談笑するお客さんの姿が見られました。
まずはここへ入浴しました。こりゃ気持ちいいぞ!
ちょっとわかりにくいのですが、左(上)画像はドームの上から落ちてくるお湯を体に当てて打たせ湯をたのしむ女性を写したところです。洋の東西を問わず、上から流れ落ちてくるお湯を打たせ湯にして楽しむのは人類共通なのですね。なお主浴槽にはコンクリの副浴槽も付帯しています。副浴槽はサイズがややコンパクトである反面、湯加減が若干高いのですが、とはいえ40℃未満ですから、長湯仕様であることには変わりありません。
主浴槽の脇から伸びる階段で更に丘の上へ。上がってみます。丘のなだらかな斜面に、ところどころ赤くなっている箇所が見られますが、これは温泉が流れることによって生まれた石灰華です。
階段を上がると、一人サイズのバスタブが複数並んでいます。そのうち3つ(上画像)は隣り合っており、いずれも背後にある小さな石灰華ドームより落ちてくるお湯を受けています。各バスタブとも上述の大きなプールと同じ濁り方をしていますが、お湯の供給量が少ないため、湯加減は35℃あるかないか、といった程度であり、日本人にとってはちょっと物足りません。
3つのバスタブから10~20メートルほど離れたところに、真っ赤な石灰華ドームがせり出ていました。雪を頂く青い山とのコントラストが鮮やかです。
この石灰華ドームにはホーローのバスタブが2つ横付けされているのですが、日々成長する石灰華により、いまにも石灰に呑み込まれそうでした。このバスタブもドームの上から落ちてくるお湯を受けています。
2つのうちの一方に入ってみました。一人サイズのバスタブに供給されるお湯の量はかなり少なく、それゆえ私が入った箇所の温度は31.8℃というかなりぬるい状態でした。源泉からやってくるお湯は、配管ではなく、用水路のような細い水路を流れてくるのですが、その流路がスケールによって細くなってしまっているのか、湯量が絞られちゃっていたようです。バスタブの全てがぬるいわけではなく、適温のところもあったのですが、そのような良い場所は他のお客さんが長時間占拠し、新聞などを読みながら呑気に長湯をしていたため、入ることができませんでした。
上画像(4枚)が源泉から各バスタブや温泉プールへお湯を導く水路です。丘の上を流れる熱い温泉は流路を赤く染めながら、途中で分岐して各浴槽へお湯を供給しています。ここを流れる時点では57℃以上もありますから、流量さえ上手く調整すれば日本人好みの適温まで湯加減を上げることが可能であり、スコップか何かで水路にこびりついている石灰質のスケールをカリカリ削れば流量を増やすことは用意なのではないかと思われます。この水路を流れている温泉はまだ濁っておらず、透明なままです。お湯からは弱い金気味と土類味(石灰系)が感じられ、また炭酸味の名残みたいな感覚も少々得られました。重炭酸土類泉か塩化土類泉系の泉質かと思われます。
私が訪問した時の湯加減は少々残念でしたが、しかしながらロケーションは抜群であり、また石灰華ドームも圧巻ですから、温泉ファンなら行く価値が十分にあります。印象に残る面白い温泉でした。
GPS:38.633876, -112.108499
475 E 100 N, Monroe, UT
435(527)3286
ホームページ
入浴15ドル
備品類なし
私の好み:★★★
昨年から続けてまいりましたアメリカの記事はこれで最後です。お付き合い下さりありがとうございました。
次回から日本の温泉に戻ります。