ハンガリー第4の都市ペーチから南へ約25km、クロアチアとの国境近くに位置する小さな村ハルカーニ(Harkány)は、硫黄のお湯が湧き出でる温泉リゾート地です。スパリゾートとして観光客が訪れるのは勿論のこと、湯治療養を目的とした長期滞在者が多いのがこのハルカーニの特徴です。
ペーチから国道58号線を南下、道路の両側はひたすら麦とひまわりの畑が広がります。20km程走ると丘を越えて平地へ下る坂に差し掛かり、目の前に展開するだだっ広い畑の真ん中に森と赤い屋根の集落が見えてきたら、そこがハルカーニです。メインストリートはリゾート地らしく街路樹の木立が美しく道幅も広く取られ、ロードサイドには宿泊施設やレストランが並んでいます。目指すは温泉公園。ペーチからの国道は公園の西縁を通っているので、一旦南縁の通りに出てバスターミナルの方へ入り、ターミナル前の通り沿いにあるパーキングに駐車。付近から入口ゲートまではプール用具や軽食などを売る店がズラっと並んでいて、いかにもリゾート地らしい光景です。
左:温泉公園の正面入口。多くのお客さんで賑わっています
右:正面入口付近には水着などプール用具を売る店が並んでいます
料金表です(クリックで画像拡大)
一番上の Napi belépők が1日入場料金で、Felnőttが大人、Diákが学生です。
赤十字のマークが描かれたGyógyfürdő が温泉(屋内プール)料金、Strandfürdő が屋外プール料金です。
1週間料金(Bérlet 7 belépésre)が設定されていることから、長期療養による湯治客が多いことがわかります
公園内部はとても広く、単に温泉プールがあるのみでなく、芝生の広場があったり、レストランがあったりと、ノビノビとできる環境が整っています。地方の小規模遊園地のような入口ゲートで料金を支払うのですが、料金には大まかに言うと、屋内プール料金とその約半額の屋外プール料金に分かれ、屋内プール料金を支払えば屋外プールも利用できます。窓口で料金に応じて色分けされたテープが渡され、そこに印刷されたバーコードで入退場が管理され、屋内料金を払っていれば後述する屋内プール(浴槽)のゲートを通過できる仕組みになっています。ここへ来たなら是非屋内プールをおすすめします。濃い白濁した温泉は屋内プールでしか入浴できないからです。
正面入口から真っ直ぐ進むと、各種窓口がある建物に突き当たり、この中にロッカーの鍵を借りる受付や屋内プール入場口があります。ロッカー(キャビン)については他のハンガリーの温泉プール同様、所定の料金とデポジットを支払ってその引き換えに鍵が渡されます。キャビン代をケチって公園の植え込みの陰で着替えているファミリーを散見しましたが、大した金額ではないのでキャビンを借りてしまったほうが何かと便利です。
左:公園内部の様子。この道をまっすぐ進みます
右:屋内プールやロッカー・キャビンなどがある建物
左:キャビン(更衣個室)が並ぶ一室。綺麗で使いやすい個室でした
右:キャビン室の一角には、マッサージルームが。足を揉むサインが表示されているので、カーテンの向こうでは足裏マッサージが施術されるのでしょう。
建物内にある屋内プール用ゲートに入場テープのバーコードを読み取らせて内部へ。中はちょっと薄暗くてどこをどう行ったらよいか判りにくいのですが、図示された案内表示に従ってどんどん進んでいくと、お目当ての屋内温泉プールにたどり着きました。角の取れた大きな長方形のプールには、療養目的の温泉であるために老人ばかりが沢山入浴中。30歳代前半の東洋人である私は極めて浮いた存在でした。この温泉の用途が療養である証として、浴槽の案内表示には赤十字のマークが描かれています。逆に言えば、赤十字のマークがあるプールは温泉水であるとわかるわけです。
お湯はきれいに白濁しており、硫黄というか油のような匂いがします。栃木県の喜連川温泉に近い匂いです。また、たまご味にほろ苦味と甘みが混じった味が感じられ、硫黄分とカルシウム分の含有がはっきりと知覚できます。ぬるめのお湯なのでのぼせることなく、じっくり長湯ができ、入浴中のご老人もみなさん長湯しています。お湯に浸かっていると、全身にたくさんの気泡が付着するので、きっとこのお湯は新鮮なのでしょう。
屋内プール(内湯)に隣接して屋外プールがあり、ちょっとした階段を介して両方を行き来できるようになっています。屋外は屋内よりも若干ぬるめ、屋内と違って無色澄明なお湯ですが、匂い・味覚ともに屋内浴槽と同じ硫黄らしさが感じられ、気泡もちゃんと付着するので、屋外のお湯は屋内と同じ源泉を用いていながら使用に当たって濾過しているのかもしれません。ずっと浸かっていても体に負担にならない湯温なので、プールではハンガリー名物の温泉チェスを楽しむお客さんもいらっしゃいました。
左:屋内温泉プール(1番プール)。白濁した硫黄のお湯です
右:このプールの案内板。この温泉(プール)が療養目的のものであること、深さ、入浴時間、湯温、年齢制限などが図案化されています。
左:2番プールの屋外プール。そしてその奥が同じく2番の屋内プール。屋内プールは水深が153cmとかなり深くなっています。
右:1番プールの屋内と屋外のお湯の違い。屋内ははっきり白濁していますが、屋外はきれいに澄んでいます。それでも両者とも硫黄感は感じられました
左:1番プールの屋外側で温泉チェスに興じるおじさん達
右:2番プールの案内板(クリックで拡大)。温泉分析表が表示されています
いくつもある園内のプールには1番から7番まで番号が振られており、1番と2番が上述の温泉で、それ以外は普通の水のプールです。3番から7番は、水温や深さがそれぞれ異なり、しっかり泳ぎたい人、ウォーキングしたい人、子供連れなど、目的に合わせて利用できるようになっていました。各プールには案内板が設置され、水温・深さ・年齢制限・諸注意などがわかりやすく図案化されて表示されています(1・2番の温泉については14歳以下は入浴不可のようです)。
左:3番プール。普通の水のプールです。水温33~35℃で、深さは112~155cm
右:6番プール。同じく普通の水が張られており、水温28~32℃
湯治客に混じりながらノンビリ湯浴み。白濁した硫黄のお湯を堪能できる、ハンガリー屈指の名湯だと思います。日本の温泉ファンもきっとお湯の良さを納得していただけるものと思います。おすすめです。
所在地:7815 Harkány, Kossuth L. u.7 地図
電話:(72)480-251
ホームページ(英語ページあり)
9:00~18:00(夏季は屋外プールの営業時間が延長されるようです。詳しくはホームページをご覧下さい)
無休
入場料:2250フォリント、
キャビン:800フォリント(+デポジット1000フォリント)
また駐車時に駐車料金も数百フォリント(金額失念)徴収されます(徴収員のお兄さんが自転車で駐車場を巡回しています)。
園内は広いので、ビーチサンダルを持参することをおすすめします。
ドライヤーあり
私の好み:★★★
ペーチから国道58号線を南下、道路の両側はひたすら麦とひまわりの畑が広がります。20km程走ると丘を越えて平地へ下る坂に差し掛かり、目の前に展開するだだっ広い畑の真ん中に森と赤い屋根の集落が見えてきたら、そこがハルカーニです。メインストリートはリゾート地らしく街路樹の木立が美しく道幅も広く取られ、ロードサイドには宿泊施設やレストランが並んでいます。目指すは温泉公園。ペーチからの国道は公園の西縁を通っているので、一旦南縁の通りに出てバスターミナルの方へ入り、ターミナル前の通り沿いにあるパーキングに駐車。付近から入口ゲートまではプール用具や軽食などを売る店がズラっと並んでいて、いかにもリゾート地らしい光景です。
左:温泉公園の正面入口。多くのお客さんで賑わっています
右:正面入口付近には水着などプール用具を売る店が並んでいます
料金表です(クリックで画像拡大)
一番上の Napi belépők が1日入場料金で、Felnőttが大人、Diákが学生です。
赤十字のマークが描かれたGyógyfürdő が温泉(屋内プール)料金、Strandfürdő が屋外プール料金です。
1週間料金(Bérlet 7 belépésre)が設定されていることから、長期療養による湯治客が多いことがわかります
公園内部はとても広く、単に温泉プールがあるのみでなく、芝生の広場があったり、レストランがあったりと、ノビノビとできる環境が整っています。地方の小規模遊園地のような入口ゲートで料金を支払うのですが、料金には大まかに言うと、屋内プール料金とその約半額の屋外プール料金に分かれ、屋内プール料金を支払えば屋外プールも利用できます。窓口で料金に応じて色分けされたテープが渡され、そこに印刷されたバーコードで入退場が管理され、屋内料金を払っていれば後述する屋内プール(浴槽)のゲートを通過できる仕組みになっています。ここへ来たなら是非屋内プールをおすすめします。濃い白濁した温泉は屋内プールでしか入浴できないからです。
正面入口から真っ直ぐ進むと、各種窓口がある建物に突き当たり、この中にロッカーの鍵を借りる受付や屋内プール入場口があります。ロッカー(キャビン)については他のハンガリーの温泉プール同様、所定の料金とデポジットを支払ってその引き換えに鍵が渡されます。キャビン代をケチって公園の植え込みの陰で着替えているファミリーを散見しましたが、大した金額ではないのでキャビンを借りてしまったほうが何かと便利です。
左:公園内部の様子。この道をまっすぐ進みます
右:屋内プールやロッカー・キャビンなどがある建物
左:キャビン(更衣個室)が並ぶ一室。綺麗で使いやすい個室でした
右:キャビン室の一角には、マッサージルームが。足を揉むサインが表示されているので、カーテンの向こうでは足裏マッサージが施術されるのでしょう。
建物内にある屋内プール用ゲートに入場テープのバーコードを読み取らせて内部へ。中はちょっと薄暗くてどこをどう行ったらよいか判りにくいのですが、図示された案内表示に従ってどんどん進んでいくと、お目当ての屋内温泉プールにたどり着きました。角の取れた大きな長方形のプールには、療養目的の温泉であるために老人ばかりが沢山入浴中。30歳代前半の東洋人である私は極めて浮いた存在でした。この温泉の用途が療養である証として、浴槽の案内表示には赤十字のマークが描かれています。逆に言えば、赤十字のマークがあるプールは温泉水であるとわかるわけです。
お湯はきれいに白濁しており、硫黄というか油のような匂いがします。栃木県の喜連川温泉に近い匂いです。また、たまご味にほろ苦味と甘みが混じった味が感じられ、硫黄分とカルシウム分の含有がはっきりと知覚できます。ぬるめのお湯なのでのぼせることなく、じっくり長湯ができ、入浴中のご老人もみなさん長湯しています。お湯に浸かっていると、全身にたくさんの気泡が付着するので、きっとこのお湯は新鮮なのでしょう。
屋内プール(内湯)に隣接して屋外プールがあり、ちょっとした階段を介して両方を行き来できるようになっています。屋外は屋内よりも若干ぬるめ、屋内と違って無色澄明なお湯ですが、匂い・味覚ともに屋内浴槽と同じ硫黄らしさが感じられ、気泡もちゃんと付着するので、屋外のお湯は屋内と同じ源泉を用いていながら使用に当たって濾過しているのかもしれません。ずっと浸かっていても体に負担にならない湯温なので、プールではハンガリー名物の温泉チェスを楽しむお客さんもいらっしゃいました。
左:屋内温泉プール(1番プール)。白濁した硫黄のお湯です
右:このプールの案内板。この温泉(プール)が療養目的のものであること、深さ、入浴時間、湯温、年齢制限などが図案化されています。
左:2番プールの屋外プール。そしてその奥が同じく2番の屋内プール。屋内プールは水深が153cmとかなり深くなっています。
右:1番プールの屋内と屋外のお湯の違い。屋内ははっきり白濁していますが、屋外はきれいに澄んでいます。それでも両者とも硫黄感は感じられました
左:1番プールの屋外側で温泉チェスに興じるおじさん達
右:2番プールの案内板(クリックで拡大)。温泉分析表が表示されています
いくつもある園内のプールには1番から7番まで番号が振られており、1番と2番が上述の温泉で、それ以外は普通の水のプールです。3番から7番は、水温や深さがそれぞれ異なり、しっかり泳ぎたい人、ウォーキングしたい人、子供連れなど、目的に合わせて利用できるようになっていました。各プールには案内板が設置され、水温・深さ・年齢制限・諸注意などがわかりやすく図案化されて表示されています(1・2番の温泉については14歳以下は入浴不可のようです)。
左:3番プール。普通の水のプールです。水温33~35℃で、深さは112~155cm
右:6番プール。同じく普通の水が張られており、水温28~32℃
湯治客に混じりながらノンビリ湯浴み。白濁した硫黄のお湯を堪能できる、ハンガリー屈指の名湯だと思います。日本の温泉ファンもきっとお湯の良さを納得していただけるものと思います。おすすめです。
所在地:7815 Harkány, Kossuth L. u.7 地図
電話:(72)480-251
ホームページ(英語ページあり)
9:00~18:00(夏季は屋外プールの営業時間が延長されるようです。詳しくはホームページをご覧下さい)
無休
入場料:2250フォリント、
キャビン:800フォリント(+デポジット1000フォリント)
また駐車時に駐車料金も数百フォリント(金額失念)徴収されます(徴収員のお兄さんが自転車で駐車場を巡回しています)。
園内は広いので、ビーチサンダルを持参することをおすすめします。
ドライヤーあり
私の好み:★★★