※残念ながら休業中です(2019年)。

板柳駅至近にある「板柳温泉」につきまして、拙ブログでは風前の灯という言葉がピッタリな「旅館部」を以前に取り上げておりますが、営業しているんだか否か分からないほど草臥れている「旅館部」とは違って、今回取り上げる公衆浴場部は入口に電飾ゲートが立っており、誰の目にも営業していることは明らかな状況でしたので、安心して利用することができました。こちらの湯屋ですが、公衆浴場にしては風格のある建物だと思ったら、弘前にあった女学校の校舎を移築したものなんだそうです。

館内の佇まいは昭和の銭湯そのもの。下足箱は銭湯の代名詞たる松竹錠です。男女両浴室の間に挟まっている番台で料金を支払います。

脱衣室もいかにも銭湯らしい風情で、室内にはもちろん棚もあるのですが、大きくて丸い籠もたくさん積み重ねられており、多くの利用客はこの籠を利用して床に置いていました。私が利用した夕暮れ時はちょうど混雑のピークを迎えており、脱衣室の床はこの大きな籠で埋め尽くされているといっても過言ではないような状態でした。

室内に壁にはオーナーさんの筆と思われる川柳がたくさん展示されており、「足痛い腰痛いのも歳のせい」「ある病気みんな出てくる歳になり」など年老いてゆく身の上を嘆く哀愁に満ちたものもあれば、「ピチピチの磯のあわびを食べたいな」「若い時三度がさ今折たたみ」などオッサン臭いド下ネタな句もたくさんあったりして、面白いのでついつい全部を読んでしまいました。

ライムグリーンのタイルで統一された浴室。お風呂は内湯のみで2分割された浴槽が据えられています。
洗い場には固定式シャワーと古典的な押しバネ式カランのセットが壁に沿って10組、中央の島に押しバネ式カランのみが8基、そして室内の隅に立って使うシャワーが1基、それぞれ設置されていました。水栓から出てくるお湯は源泉ですが、水を出しても真水ではなく薄くぬるい源泉が出てきました。

大きな浴槽(左側)は8~10人サイズ、小さな浴槽(右側)は6~7人サイズといったところでしょうか。大小両浴槽とも底にあいた穴から源泉が供給されていますが、湯加減や湯使いなど、両浴槽のお湯にはあまり違いは無いようです。いずれの槽からも洗い場へお湯がオーバーフローしています。
見た目はほとんど無色透明で(微かに褐色を帯びているかも)、湯中ではこげ茶色の細長い浮遊物(湯の華)がちらほら待っています。お湯を鼻に近づけると津軽平野の温泉によくある化石海水的な有機臭と油臭が嗅ぎ取れ、口に含むと非常にしょっぱく、その中に薄い出汁味を伴っているようでした。入浴中は食塩泉的なツルスベ感が得られますが、濃いめの食塩泉ですから湯上りの火照りは強烈で発汗も止まらず、湯上り後しばらくは塩をかけられた菜っ葉のようにグッタリしてしまいました。ということは地吹雪が厳しい冬の厳冬期にはなかなか湯冷めしない熱の湯として重宝することでしょう。
駅から至近で掛け流しのお湯を堪能できる、いかにも青森県らしい鄙びた温泉銭湯です。
板柳温泉3号泉
ナトリウム-塩化物温泉 54.5℃ pH8.0 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質9.210g/kg 成分総計9.222g/kg
Na+:3181mg(93.57mval%), K+:257.3mg(4.45mval%),
Cl-:4968mg(94.13mcal%), HCO3-:397.8mg(4.38mval%),
H2SiO3:181.5mg, HBO2:65.7mg,
JR五能線・板柳駅より徒歩1分
青森県北津軽郡板柳町福野田実田47-13 地図
0172-73-2152
※残念ながら休業中です(2019年)。
7:00~21:00 無休
350円
貴重品用ロッカーあり、ドライヤー有料、各種入浴道具販売あり
私の好み:★★


板柳駅至近にある「板柳温泉」につきまして、拙ブログでは風前の灯という言葉がピッタリな「旅館部」を以前に取り上げておりますが、営業しているんだか否か分からないほど草臥れている「旅館部」とは違って、今回取り上げる公衆浴場部は入口に電飾ゲートが立っており、誰の目にも営業していることは明らかな状況でしたので、安心して利用することができました。こちらの湯屋ですが、公衆浴場にしては風格のある建物だと思ったら、弘前にあった女学校の校舎を移築したものなんだそうです。

館内の佇まいは昭和の銭湯そのもの。下足箱は銭湯の代名詞たる松竹錠です。男女両浴室の間に挟まっている番台で料金を支払います。


脱衣室もいかにも銭湯らしい風情で、室内にはもちろん棚もあるのですが、大きくて丸い籠もたくさん積み重ねられており、多くの利用客はこの籠を利用して床に置いていました。私が利用した夕暮れ時はちょうど混雑のピークを迎えており、脱衣室の床はこの大きな籠で埋め尽くされているといっても過言ではないような状態でした。


室内に壁にはオーナーさんの筆と思われる川柳がたくさん展示されており、「足痛い腰痛いのも歳のせい」「ある病気みんな出てくる歳になり」など年老いてゆく身の上を嘆く哀愁に満ちたものもあれば、「ピチピチの磯のあわびを食べたいな」「若い時三度がさ今折たたみ」などオッサン臭いド下ネタな句もたくさんあったりして、面白いのでついつい全部を読んでしまいました。


ライムグリーンのタイルで統一された浴室。お風呂は内湯のみで2分割された浴槽が据えられています。
洗い場には固定式シャワーと古典的な押しバネ式カランのセットが壁に沿って10組、中央の島に押しバネ式カランのみが8基、そして室内の隅に立って使うシャワーが1基、それぞれ設置されていました。水栓から出てくるお湯は源泉ですが、水を出しても真水ではなく薄くぬるい源泉が出てきました。


大きな浴槽(左側)は8~10人サイズ、小さな浴槽(右側)は6~7人サイズといったところでしょうか。大小両浴槽とも底にあいた穴から源泉が供給されていますが、湯加減や湯使いなど、両浴槽のお湯にはあまり違いは無いようです。いずれの槽からも洗い場へお湯がオーバーフローしています。
見た目はほとんど無色透明で(微かに褐色を帯びているかも)、湯中ではこげ茶色の細長い浮遊物(湯の華)がちらほら待っています。お湯を鼻に近づけると津軽平野の温泉によくある化石海水的な有機臭と油臭が嗅ぎ取れ、口に含むと非常にしょっぱく、その中に薄い出汁味を伴っているようでした。入浴中は食塩泉的なツルスベ感が得られますが、濃いめの食塩泉ですから湯上りの火照りは強烈で発汗も止まらず、湯上り後しばらくは塩をかけられた菜っ葉のようにグッタリしてしまいました。ということは地吹雪が厳しい冬の厳冬期にはなかなか湯冷めしない熱の湯として重宝することでしょう。
駅から至近で掛け流しのお湯を堪能できる、いかにも青森県らしい鄙びた温泉銭湯です。
板柳温泉3号泉
ナトリウム-塩化物温泉 54.5℃ pH8.0 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質9.210g/kg 成分総計9.222g/kg
Na+:3181mg(93.57mval%), K+:257.3mg(4.45mval%),
Cl-:4968mg(94.13mcal%), HCO3-:397.8mg(4.38mval%),
H2SiO3:181.5mg, HBO2:65.7mg,
JR五能線・板柳駅より徒歩1分
青森県北津軽郡板柳町福野田実田47-13 地図
0172-73-2152
※残念ながら休業中です(2019年)。
7:00~21:00 無休
350円
貴重品用ロッカーあり、ドライヤー有料、各種入浴道具販売あり
私の好み:★★