温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

草津温泉 奈良屋

2024年11月22日 | 群馬県

(2023年7月訪問)
前回記事に引き続き、草津温泉の和風村「湯めぐり手形」(※)を使って、日帰り入浴で老舗旅館のお風呂を楽しみます。今回訪ねる旅館は湯畑からほど近い場所にあり、見るからに風格あるファサードが印象的な老舗旅館「奈良屋」です。
私が玄関へ近づくと、すかさず中からスタッフの方が出てきて対応してくださいました。さすが老舗は対応が違いますね。
(※)草津温泉の和風村「湯めぐり手形」は既に販売が終了しています。有効期限が残っているものは、まだ利用可能ですが、今後新たに購入することはできません。なおこちらのお宿では手形を使わず現金支払いによる日帰り入浴も可能です。


玄関わきには「草津の名水」と称する飲用湧水の水場があります。話は前後しますが、お風呂上がりに私はこのお水を飲ませていただきました。とっても美味しい水でしたよ。


帳場は昔ながらの大国帳を使っていそうな作り。この帳場へ料金とともに「湯めぐり手形」を差し出します。
館内に展示される美術品の数々を見ながらお風呂へ。


帳場の右側にある階段を上がって右折し、廊下を進んでその先の階段を下った先がお風呂です。


浴室は「御汲み上げの湯」と「花の湯」の2つが男女入れ替え制となっており、訪問時は「御汲み上げの湯」に男湯の暖簾が掛かっていました。なお「御汲み上げの湯」の入口手前には貸切露天風呂のドアがあり、宿泊客はもちろん日帰り入浴客も入浴料金と別に室料(45分3,300円)を支払えば利用可能だそうです(利用可能時間12:30~14:00)。今回は利用していませんが、今度機会があれば入ってみたいものです。
更衣室は広くて明るく、手入れが行き届いていてとてもきれい。気持ち良く利用できました。


更衣室から階段を下った先にあるのが総木造の浴室。片傾斜の屋根を戴く浴室は半地下を思わせる環境で、観光客で賑わう湯畑のそばとは思えない静寂が場内を支配しています。雑念に邪魔されずじっくりゆっくりお湯を楽しめます。洗い場にはシャワーが6つ取り付けられており、床板は滑り止めのため擂り鉢みたいに斜線の溝が刻まれています。
そんな浴室の窓際にオーバル形状の浴槽が据えられ、お湯を湛えています。その大きさは長径約5m✕短径約3.5mといったところでしょうか。


湯口から注がれるお湯は白旗源泉のお湯。


強酸性のお湯から設備を守るため、浴槽内や柱の基礎などには白い防腐食塗料が塗られています。そのため湯船のお湯は若干青白く見えます。ところで湯口付近に柱の基礎みたいなものがあるのですが、これって何だろう?


このように露天風呂もあり、内湯と同じく白旗源泉のお湯が注がれており、やはり内湯と同じく防腐食塗料の影響でお湯が青白く見えます。湯船の中では湯の花がちらほら舞っていました。


浴槽の大きさは目測で約1.5m✕約2.5mほどでしょうか。湯口から出たお湯を樋で迂回させてから浴槽へ投入しています。自然冷却による湯加減調整と思われます。ロケーション的に景色は期待できませんが、外の空気を感じながら入る草津の湯は実に気持ち良く、時間を忘れて浸かっていたくなります。

内湯も露天も湯守の方のお蔭で適温が維持されており、心地よく湯あみを堪能できました。こちらのお宿に引かれている白旗源泉のお湯は、草津の湯特有の強い収斂酸味のほか、しょっぱさが前面に出ている一方、フルーティさはあまり無く、金属味が口の中に広がって口腔の粘膜を刺激するとともに、アルミ箔を齧った時のような独特の感覚が口の中に広がりました。

外観や館内はもちろん、浴室の雰囲気といいお湯のコンディションといい、さすが老舗旅館といった感じでとにかく素晴らしく、温泉旅行に求めたくなる非日常を存分に堪能することができました。次回訪問時は是非とも宿泊してゆっくり過ごしたいなぁ。


白旗源泉
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 50.8℃ pH2.1 湧出量測定せず(自然湧出) 溶存物質1.66g/kg 成分総計1.76g/kg
H+:8.91mg(36.30mval%), Na+:54.4mg, Mg++:37.4mg(12.63mval%), Ca++:76.5mg(15.67mval%), Fe++:17.6mg, Al+++:43.9mg(20.04mval%),
F-:9.5mg, Cl-:310mg(35.19mval%), SO4--:651mg(54.61mval%), HSO4-:195mg, Br-:1.5mg,
H2SiO3:216mg, H2SO4:4.4mg, CO2:88.0mg, H2S:7.7mg,
(平成25年5月15日)

群馬県吾妻郡草津町草津396
0279-88-2311
ホームページ

日帰り入浴12:30~14:00
1,200円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

コメント (2)
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草津温泉 松村屋旅館

2024年11月15日 | 群馬県

(2023年7月訪問)
今回記事から天下の名湯、草津温泉を連続して取り上げます。つい最近まで草津温泉では「和風村」に加盟する老舗旅館に宿泊すると、加盟旅館のお風呂に700円で日帰り入浴できる「湯めぐり手形」を購入することができましたが、2023年7月28日を以てこの手形の販売が終了となってしまいました。手形を利用しないと日帰り入浴できない旅館もあったため、販売終了によって草津温泉で日帰り入浴できる選択肢が狭まってしまい、湯めぐりを趣味とする者としては非常に残念です。販売終了までに購入した手形は購入日から2年間有効ですので、今回はこの手形を利用して老舗旅館のお風呂を巡ってまいります。

まずは湯畑の近く、「湯元館」の隣に位置する「松村屋」(屋号五郎平)から。
格子の建物は老舗旅館の風情たっぷりですね。


帳場に手形を出して入浴をお願いしますと、お風呂へ案内してくださいました。玄関を上がって左手の近くに浴室があります。
ドアを開けて脱衣室へ入りますと、格子引き戸越しに浴室が見えました。なお脱衣室内には棚とカゴ、ドライヤーひとつ、そして扇風機が用意されており、ロッカーはありません(貴重品は帳場へ)。


綺麗にお手入れされている浴室からも古き良き温泉風情が感じられます。素敵です。
お風呂は内湯のみで露天風呂はありませんが、この趣きたっぷりの内湯に入れば十分満足できるはず。
洗い場には5カ所の水栓が並んでおり、うち1つは浴槽の加水用で、残り4つがシャワー付き混合水栓です。


洗い場の上にはタイル絵が施されており、そこには草津十七滝と草津節が描かれています。「草津良いとこ 一度はおいで どっこいしょ」の草津節は有名ですが、草津十七滝とは何ぞや・・・草津の歴史に詳しい方ならご存じでしょうけど、今でも湯畑の下流側は滝のようにお湯が落とされていますが、かつてはそこが17本の打たせ湯になっており、湯滝の滝壺に人が入って強酸性と強水圧のダブルアタックを全身で受け止めていたわけです。湯畑から落ちるお湯の勢いや熱さは相当のものでしょうけど、あれを直接体に受けて気持ち良かったのかしら。ちなみに17本の打たせ湯は3区画に分かれていたらしく、左側は天狗の滝、真ん中は薬師の滝、右は不動の滝と称されていたそうです。


話をお宿のお風呂へ戻しましょう。浴槽は切り出された石材を積んだような造りで、縁には木材が用いられており、その大きさは(目測で)2.5m×3.5mほど。浴槽に張られたお湯は、底の穴に接続されたオーバーフロー管を通じて排出されています。この穴の周りは草津温泉ではおなじみのイデユコゴミによって緑色に染まっています。


こちらのお風呂には湯畑源泉のお湯が引かれています。湯口の上には蛙の置物。


浴槽内も薄い緑に染まっていますね。お風呂場で酸っぱい匂いと共にこの色合いを目にすると、草津温泉のお風呂にいることを実感します。湯畑のお湯をそのまま浴槽へ投入しているらしく、入りしなは少々熱かったのですが、ちょっと湯もみしたら良い塩梅になりました。熱いからといって短絡的に加水せず、まずは湯もみしてみることをおすすめします。湯中では強い酸性泉らしいヌメリを伴うツルスベ浴感がはっきりと感じられ、また湯の花もちらほら舞っていました。
風情といいお湯といい、実に素晴らしいお風呂でした。


湯畑源泉
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉 51.3℃ pH2.1 自然湧出 溶存物質1.65g/kg 成分総計1.69g/kg
H+:8.91mg(36.54mval%), Na+:56.0mg(10.06mval%), Mg++:36.3mg(12.33mval%), Ca++:73.5mg(15.16mval%), Al+++:43.8mg(20.14mval%), Fe++:17.5mg,
F-:9.9mg, Cl-:311mg(35.63mval%), Br-:1.3mg, SO4--:640mg(54.16mval%), HSO4-:192mg(8.04mval%),
H2SiO3:216mg, H2SO4:4.3mg, CO2:36.7mg, H2S:7.1mg,
(平成25年5月15日)
加水加温循環消毒なし

群馬県吾妻郡草津町草津365
0279-88-2323

和風村の「湯めぐり手形」で入浴利用可能
(「湯めぐり手形」の販売は終了しています)

私の好み:★★★


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四万温泉 山ばと(後編 お風呂)

2023年08月12日 | 群馬県
前回記事の続編です。


さて食欲を満たした後は、四万温泉のお湯に浸かりましょう。
お宿にはお風呂が3室あり、すべて貸切で使います。貸切とはいえ予約制ではなく、空いていれば3室のうち好きなお風呂をいつでも利用でき、しかも全てのお風呂が源泉かけ流し。
他人に気兼ねなくかけ流しの温泉に浸かれるんですから、有難いことこの上ありません。

館内には3つのお風呂の使用状況をランプで知らせる設備があるほか・・・


(上画像は一部加工しています)
スマホで専用のQRコードを読み取ると、3つのお風呂の空室状況を確認できます。
わざわざお風呂まで行って空いているかを確認することなく、客室にいながら空き状況がわかるので大変便利ですね。


私もスマホで空き状況を確認して、3階の客室から1階のお風呂へ階段を下って向かいました。
まずは階段下って左側にある「美晴の湯」から。このお風呂は私の滞在中、比較的「使用中」になる時間が長かったようでしたが、なぜ利用頻度が高かったのか、理由は後ほど。


貸切風呂だというのに、シャワーが3ヶ所もあるんですね。このシャワーの数からも想像できますが、このお部屋は他の2室より広いような感を受けました。


湯船も比較的ゆとりがある造りで、入りやすい湯加減のお湯が張られており、しっかり掛け流されていました。硫酸塩の析出で真っ白になった湯口を見ると、マニア的には大興奮してしまいますが、果たしてこの日のお客さんで私と同じような心境になった方はいらっしゃったのでしょうか。ま、普通はこんなもので興奮なんてしませんよね。


続いて、真ん中の「こしきの湯」へ。お部屋自体も湯船の造りも「美晴の湯」より一回り小さいのですが、それが原因なのか、湯船のお湯がかなり熱く(冷めにくいのでしょうか)、私は湯浴みする前にしっかりと湯もみして湯加減を調整しました。でもこのお湯の熱さ、浴槽の縁に用いられている木材の感触、そして湯口を覆うかのようにびっしりと付着した白い析出が気に入り、私は宿泊中にこの「こしきの湯」を最も多く利用させていただきました。


洗い場には「美晴の湯」同様に3つのシャワーが取り付けられていますが、スペースの関係でちょっと無理がある配置に見えます。
寛げる広さや湯加減、使い勝手等といった理由で、お客さんは「美晴の湯」を選ぶ傾向にあったのかもしれませんね。


「こしきの湯」の右隣には「露天風呂」もあります。みなさんと同じく私も開放感が楽しめる露天風呂は大好きなので、こちらのお宿に宿泊している間も利用させていただきましたが、正直なところ限られたスペースの中でかなり苦労して作ったような感が強く、湯船は2人がやっと入れる大きさで・・・


洗い場のシャワーも一つだけです。他の2室に比べるとかなり狭く、両側に塀も迫っているため、露天風呂に期待したい開放感はいまひとつといったところ。でも・・・


目下にはせせらぎが流れ、その川の向こうには木々の深い緑が広がり、環境はとても良好です。そよ風に吹かれながら、綺麗な空気を吸って湯あみするのも良いものですね。


露天の湯口にもしっかりと硫酸塩の白い析出がこびりついていました。
先程も申し上げましたように、全てのお風呂で完全かけながしを実践しており、お湯のコンディションはどのお風呂でも良好です。なおネット上の情報によれば、以前は循環していたようですので、最近になって湯使いを改善したのでしょう。3つのお風呂共通で、浴槽の底には緑色凝灰岩が敷かれており、お尻を底へ着けた時の気持ち良さに気分が上がります。

無色透明で綺麗に透き通ったお湯からは、石膏味が少々と芒硝風味が感じられ、湯中ではトロミとともに引っかかりのある浴感が得られます。湯口から出るお湯はちょっと熱めで、加水はしていないため、投入量によって湯加減を調整しているのかと思われますが、加水用のホースもありますので、お客さんによっては大量に加水しちゃうこともあるようです。
四万温泉には複数の源泉がありますが、こちらに引かれているのは湯の泉の湯源泉と山鳥の湯源泉の混合で、日向見地区にある足湯と同じ源泉です。一見すると癖が無さそうに見えますが、湯口にこんもりと白い析出を着けるほどの成分が含まれているわけで、湯船に浸かると力強く温まって、湯上がりは汗がなかなか引きません。実に良いお湯です。

美味しい料理に舌鼓を打ち、貸切のお風呂でかけ流しの温泉を堪能できる、とっても素敵なお宿でした。
四万温泉には良いお宿がたくさんあるので、良い意味で宿選びに迷いますね。


山鳥の湯・湯の泉の湯(混合泉)
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉 49.4℃ pH8.76 蒸発残留物1.07g/kg 成分総計1.05g/kg
Na+:104mg, Ca++:203mg,
Cl-:33.2mg, SO4--:651mg, CO3--:7.2mg,
H2SiO3:49.5mg,
(平成17年2月14日)
加水加温循環消毒なし

群馬県吾妻郡中之条町四万4358-11
0279-64-2217
ホームページ

私の好み:★★★
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四万温泉 山ばと(前編 お部屋・食事)

2023年08月09日 | 群馬県

(2022年8月訪問)
2022年8月某日、山の緑の中でぼんやり寛ぎたくなり、四万温泉の「山ばと」で一晩お世話になりました。四万温泉は温泉口、山口、新湯、ゆずりは、日向見という5つのエリアに分かれていますが、こちらのお宿は最奥の日向見に位置しており、山の緑に囲まれ、脇をせせらぎが流れる、とても静かな環境です。
小規模なお宿であるため、一晩に泊まれるお客さんは6組限定。玄関は2階にあり、客室は3階で、お風呂が1階という造りです。


今回案内された客室は、角部屋の「つつじ」。
10畳の和室で、手入れが行き届いているため綺麗で明るく、心置きなくゆったり寛げました。また館内にはWifiも飛んでいるため、ネット環境も問題ありません。


お部屋の中に備え付けられているアメニティでは足りない場合は、廊下や階段の踊り場にあるアメニティコーナーからセルフでピックアップ。


お食事は2階の奥にある食事処でいただきます。
各テーブルが半個室状態なので、他のお客さんを気にせずゆっくり食事を楽しめました。
先付けはトマトのお浸し、地場伝統野菜の和え物、ワカサギ南蛮漬けなど。


山奥なのにマグロやカニなどを出すような野暮なことはせず、山の魚のお造りが出されました。このお魚はギンヒカリといい、川場村の群馬県水産試験場で生産された高級ニジマスなんだとか。川魚って生で食べられないのが一般的ですが、養殖方法によっては生でも大丈夫なんですね。たしかに川魚とは信じられないほど美味でしたよ。


こちらは米茄子の田楽。素材の持ち味を活かした夏らしいお料理ですね。
この他、鰆の西京焼きや茸と瓜類の酢の物なども出されました。



宿泊予約時に食事のコースを選択できるのですが、私たちは「温泉蒸し」を選択。
これがその「温泉蒸し」です。夕食の主役ですね。
たくさんの野菜の他、上州牛サーロイン、麦豚、赤城鶏というご当地産のお肉をせいろに入れ、下から熱した温泉水でこれらの食材を蒸していただきます。ボリュームたっぷりで大変美味。
美味しさのあまりに箸が進みすぎ、食べ過ぎてしまって身動き取れなくなっちゃいました。


こちらは朝食。刺身こんにゃく、県内産大豆を使った納豆、安中のお醤油、地元材料で作った自家製味噌など、とにかく地元食材を積極的に使っており、群馬県の食材の豊富さと美味しさを実感しながら旅の味覚をいただきました。


ご飯はふっくらつやつやに炊かれた地元中之条町産のこしひかり。このご飯と、焼きたてのしゃけを一緒に口へ運ぶと、もう最高です。

次回記事では、お風呂の様子を取り上げます。

(次回に続く)
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霧積温泉 金湯館 2021年9月再訪(後編 お風呂)

2022年06月12日 | 群馬県
前回記事の続編です。


さ、お風呂へ参りましょう。廊下を歩いた突き当たりが浴場です。
宿泊中、私はこの廊下を何度往復したことか。山奥のお宿に一人で泊まっていますから、ご飯を食べる以外に時間をつぶす術が無く、持参した本を読み飽きる度にお風呂へ幾度も通って、全身がふやけるほど思う存分名湯を堪能したのでした。


お風呂は以前拙ブログで取り上げた時の様子と変わっていません。白いタイル張りの浴室に入ると、いかにも霧積のお湯らしい、ふんわりとした卵の匂いと甘くて優しい石膏臭に包まれました。


山奥の宿ですが洗い場は4ヶ所あり、シャワーこそ無いものの、シャンプー類はしっかり備え付けられています。


湯船に張られているのは、霧積のお湯100%の完全かけ流し。無色透明で綺麗に澄んだお湯に入ると、全身に気泡がたくさん付着します。また湯中の肌は青白く見えます。湯中ではサラサラとした軽やかな浴感が肌に伝わりますが、少々石膏泉らしいキシキシ感も得られます。
湧出温度38~39℃のお湯を加温しないで投入しているため、湯船に入った時にはぬるく感じますが、体への負担が軽いまま長く湯に浸かることができ、じっくり長湯すると不思議なほど全身がポカポカと温まります。


湯口に置かれたコップでお湯を飲んでみますと、ほのかなタマゴ味の他、しっかりとした石膏味が口に中に広がります。
館内に掲示されている分析表は比較的簡素なものなので詳しいことは分かりませんが、でもカルシウムイオンが90.22ミリバルl%(473mg)、硫酸イオンが94.41ミリバルl%(1160mg)、と混じりっけが少ないほぼ純粋な石膏(硫酸カルシウム)泉と称すべきお湯であるため、味・匂い・浴感ともに石膏泉らしさがしっかりと感じられます。またお湯の鮮度が良いためか、他の石膏泉にありがちな生臭さのような変な臭いが無いのもうれしいところです。


館内には飲泉できる流し台もありますから、入浴中のみならず、いつでも飲泉できます(あまり飲みすぎないように)。


浴場の近くには、岩清水が出しっぱなしになっている流し台がありますので・・・


風呂上がりの水分補給にゴクッと飲ませてもらいました。キリリと冷えて実にうまい!

歴史ある温泉宿で一晩すごし、自然に抱かれながら素晴らしい良泉にたっぷり浸かったおかげで、東京での仕事で疲弊しきっていた私の身も心もすっかり蘇りました。機会を見つけて再訪するつもりです。


入之湯
カルシウム-硫酸塩温泉 38.9℃ pH表記無し
Na+:55.5mg, Ca++:473mg(90.22mval%),
Cl-:39.2mg, SO4--:1160mg(94.41mval%), HS-:0.3mg,
H2SiO3:37.6mg, CO2:5.3mg,
(平成20年11月18日)
 
群馬県安中市松井田町坂本1928
027-395-3851
ホームページ

私の好み:★★★
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