(2020年8月訪問)
前回に引き続き栃木県那須の温泉を巡ります。那須地域はまさに温泉の宝庫。那須湯本に限らずいろんな場所で多様な温泉が湧いています。今回ご紹介するのは、那須高原エリアと東北道那須インターを結ぶ観光のメインロード、県道17号線那須街道に面している観光施設「お菓子の城 那須ハートランド」内の温泉入浴施設「源泉那須山」です。
「お菓子の城 那須ハートランド」の敷地はとても広く、県道に近い方には「お菓子の城」と称する見学可能な菓子工場兼直売所とレストランを擁した建物があり、そこから看板に従って車で奥の方へ入っていった先に、今回取り上げる「源泉那須山」があります。駐車場が広いので、車を停める場所に困ることはないでしょうけど、その多寡を見れば、館内に入らずとも場内の混雑具合がある程度推し量れるかと思います。
観光に便利な立地ですからいつも多くのお客さんでにぎわっているらしく、その話を伝え聞いていた私は今まで敬遠していたのですが、食わず嫌いも良くないと考えて、2020年の夏に訪問してみました。
この施設を取り上げているネット上の記事を見ますと、この施設には足湯があると書かれているのですが、私の訪問時には使用されていませんでした。
玄関の内側に設置されている券売機で料金を支払い、受付に券を差し出します。
木材を多用した和風の館内はとても広くて天井も高く、施設側の説明のよれば「古民家材を随所に取り入れた漆喰仕上げ純和風平屋建て300坪」の建物で、「全ての壁は、日本古来の伝統手法を取り入れ、藁(わら)と土を塗ったあら壁に、土と砂、藁、すさを混ぜた砂壁を漆喰で仕上げてい」るんだそうです。なかなか立派で且つ手のこんだ建築なのですね。そんな館内には男女別大浴場の他、大座敷の休憩室や食堂、そして家族風呂など、いろいろな施設が設けられています。
浴室内も大変広く明るくて開放的。非日常を感じるにもってこいの空間です。広さのみならず、このお風呂は設えが印象的。それもそのはず「檜の大浴場、国産銘木の無垢材のみを使い」、また天井や梁にも築100年以上の民家で使われていた木材を再利用しているんだとか。
男湯の場合、右手の手前に洗い場、右手奥に小浴槽と水風呂、左手に大きな主浴槽が配置されています。この主浴槽は、館内説明によれば主浴槽は33㎡(20畳)の広さがあり、樹齢100年以上の国産檜材を使って作られたそうです。特に底板は厚さ4.5センチの無節無垢材が使われており、その現物が館内に展示されています。実際に湯船に入って腰を沈めると、何とも言えない素晴らしいフィーリングが肌に伝わり、得も言われぬ心地良さに思わずウットリしてしまいました。
(上画像は公式サイトより借用)
屋外の露天風呂は東屋がかかっており、浴槽自体は円形で、石材の浴槽を木枠で囲った造りです。浴槽は広大な芝生広場の片隅にポツンと設置されており、浴槽に入ると、その芝生越しに那須連峰を仰ぎ見ることができて、なかなか爽快です。またこの露天ゾーンにはデッキチェアの他、別棟のサウナもあり、サウナで温まった後は内湯の水風呂へ入っても良し、あるいはそのまま露天ゾーンに留まって那須の風に吹かれながらクールダウンするのも良いでしょう。
さてお湯に関するインプレッションですが、見た目はほぼ透明ながわ僅かに茶色を帯びています。湯口から注がれるお湯を手に取ってテイスティングしてみますと、甘塩味のほか、少々の芒硝感、そして樹脂っぽいアブラ臭が感じられました。またカルキ臭も確認できました。分析表によれば溶存物質3.925g/kgであり、その主な成分は塩化ナトリウムなので、はっきりと塩味が得られると思いきや、それほど感じられなかったのが意外でした。味が薄いので加水しているのかと勘繰りたくなりますが、施設側の説明によれば、熱交換により適温に冷ましており、加水を行っていないらしいので、なぜ成分表で示されている数値を実感できないのか不思議です。とはいえ、湯船に入った時の気持ち良さは誰しも納得がいくもので、特に大きな内湯に入った時は、あまりの気持ちよさに思わず瞑目してしばらく浸かり続けました。なお湯使いはかけ流しとのこと。
大きなお風呂ならではの爽快感と、使い勝手の良さ、そしてクセが少なく入りやすい泉質のお湯という組み合わせは、家族連れやグループ客など、当地を訪れる観光客の最大公約数を狙ったような感じであり、お湯自体も決して悪くなく、かけ流しで良いお湯ですから、当地においてマニアックな湯めぐりではなく万人受けする湯めぐりが求められるような場合には、大いに重宝する施設かと思います。
泉の湯
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 52.2℃ pH7.7 162.0L/min(動力揚湯) 溶存物質3.925g/kg 成分総計3.925g/kg
Na+:1157.0mg(93.18mval%), Ca++:63.3mg(5.85mval%),
Cl-:1226.1mg(63.28mval%), SO4--:579.6mg(22.08mval%), HCO3-:478.3mg(14.34mval%),
H2SiO3:84.4mg, HBO2:317.0mg,
栃木県那須町高久甲4588-10
0287-62-4126
ホームページ
平日10:00~22:00、土日祝日9:30~22:00(閉館30分前に受付終了)
平日10:00~16:00→890円、平日16:00~22:00→690円
土日祝日9:30~16:00→1040円、土日祝日16:00~22:00→840円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★
前回に引き続き栃木県那須の温泉を巡ります。那須地域はまさに温泉の宝庫。那須湯本に限らずいろんな場所で多様な温泉が湧いています。今回ご紹介するのは、那須高原エリアと東北道那須インターを結ぶ観光のメインロード、県道17号線那須街道に面している観光施設「お菓子の城 那須ハートランド」内の温泉入浴施設「源泉那須山」です。
「お菓子の城 那須ハートランド」の敷地はとても広く、県道に近い方には「お菓子の城」と称する見学可能な菓子工場兼直売所とレストランを擁した建物があり、そこから看板に従って車で奥の方へ入っていった先に、今回取り上げる「源泉那須山」があります。駐車場が広いので、車を停める場所に困ることはないでしょうけど、その多寡を見れば、館内に入らずとも場内の混雑具合がある程度推し量れるかと思います。
観光に便利な立地ですからいつも多くのお客さんでにぎわっているらしく、その話を伝え聞いていた私は今まで敬遠していたのですが、食わず嫌いも良くないと考えて、2020年の夏に訪問してみました。
この施設を取り上げているネット上の記事を見ますと、この施設には足湯があると書かれているのですが、私の訪問時には使用されていませんでした。
玄関の内側に設置されている券売機で料金を支払い、受付に券を差し出します。
木材を多用した和風の館内はとても広くて天井も高く、施設側の説明のよれば「古民家材を随所に取り入れた漆喰仕上げ純和風平屋建て300坪」の建物で、「全ての壁は、日本古来の伝統手法を取り入れ、藁(わら)と土を塗ったあら壁に、土と砂、藁、すさを混ぜた砂壁を漆喰で仕上げてい」るんだそうです。なかなか立派で且つ手のこんだ建築なのですね。そんな館内には男女別大浴場の他、大座敷の休憩室や食堂、そして家族風呂など、いろいろな施設が設けられています。
浴室内も大変広く明るくて開放的。非日常を感じるにもってこいの空間です。広さのみならず、このお風呂は設えが印象的。それもそのはず「檜の大浴場、国産銘木の無垢材のみを使い」、また天井や梁にも築100年以上の民家で使われていた木材を再利用しているんだとか。
男湯の場合、右手の手前に洗い場、右手奥に小浴槽と水風呂、左手に大きな主浴槽が配置されています。この主浴槽は、館内説明によれば主浴槽は33㎡(20畳)の広さがあり、樹齢100年以上の国産檜材を使って作られたそうです。特に底板は厚さ4.5センチの無節無垢材が使われており、その現物が館内に展示されています。実際に湯船に入って腰を沈めると、何とも言えない素晴らしいフィーリングが肌に伝わり、得も言われぬ心地良さに思わずウットリしてしまいました。
(上画像は公式サイトより借用)
屋外の露天風呂は東屋がかかっており、浴槽自体は円形で、石材の浴槽を木枠で囲った造りです。浴槽は広大な芝生広場の片隅にポツンと設置されており、浴槽に入ると、その芝生越しに那須連峰を仰ぎ見ることができて、なかなか爽快です。またこの露天ゾーンにはデッキチェアの他、別棟のサウナもあり、サウナで温まった後は内湯の水風呂へ入っても良し、あるいはそのまま露天ゾーンに留まって那須の風に吹かれながらクールダウンするのも良いでしょう。
さてお湯に関するインプレッションですが、見た目はほぼ透明ながわ僅かに茶色を帯びています。湯口から注がれるお湯を手に取ってテイスティングしてみますと、甘塩味のほか、少々の芒硝感、そして樹脂っぽいアブラ臭が感じられました。またカルキ臭も確認できました。分析表によれば溶存物質3.925g/kgであり、その主な成分は塩化ナトリウムなので、はっきりと塩味が得られると思いきや、それほど感じられなかったのが意外でした。味が薄いので加水しているのかと勘繰りたくなりますが、施設側の説明によれば、熱交換により適温に冷ましており、加水を行っていないらしいので、なぜ成分表で示されている数値を実感できないのか不思議です。とはいえ、湯船に入った時の気持ち良さは誰しも納得がいくもので、特に大きな内湯に入った時は、あまりの気持ちよさに思わず瞑目してしばらく浸かり続けました。なお湯使いはかけ流しとのこと。
大きなお風呂ならではの爽快感と、使い勝手の良さ、そしてクセが少なく入りやすい泉質のお湯という組み合わせは、家族連れやグループ客など、当地を訪れる観光客の最大公約数を狙ったような感じであり、お湯自体も決して悪くなく、かけ流しで良いお湯ですから、当地においてマニアックな湯めぐりではなく万人受けする湯めぐりが求められるような場合には、大いに重宝する施設かと思います。
泉の湯
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 52.2℃ pH7.7 162.0L/min(動力揚湯) 溶存物質3.925g/kg 成分総計3.925g/kg
Na+:1157.0mg(93.18mval%), Ca++:63.3mg(5.85mval%),
Cl-:1226.1mg(63.28mval%), SO4--:579.6mg(22.08mval%), HCO3-:478.3mg(14.34mval%),
H2SiO3:84.4mg, HBO2:317.0mg,
栃木県那須町高久甲4588-10
0287-62-4126
ホームページ
平日10:00~22:00、土日祝日9:30~22:00(閉館30分前に受付終了)
平日10:00~16:00→890円、平日16:00~22:00→690円
土日祝日9:30~16:00→1040円、土日祝日16:00~22:00→840円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★