●東日本
1 【長野県 湯原温泉 猫鼻の湯】
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姫川を臨む清々しい露天風呂は、お湯の質も素晴らしく、アットホームな雰囲気も温かく、常連になりたいお風呂です。ロケーションの良さもさることながら、手造り感溢れる簡易的な建物だからこそ、魅力的なんでしょうね。
2 【神奈川県 箱根湯本温泉 平賀敬美術館】
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国の有形文化財に指定されている歴史ある建物だけあり、そこここから醸し出される落ち着いた気品には圧倒されました。そして、大理石のお風呂に触れた時の優しく柔らかなフィーリングは、決して忘れることができません。掛け流されているお湯の質感も、建物の気品に相応しい上品なものでした。全域が観光地化されている箱根は、温泉ファンの触手が伸びにくいエリアですが、クオリティに五月蝿いファンでも、このお風呂に入れば誰もが口を噤んでしまうでしょうね。
3 【群馬県 上牧温泉 大峰館】
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品の良さで言えば、上州・上牧温泉の大峰館で入浴できる自家源泉のお湯も秀逸でした。グリーンタフ型の温泉が多い水上方面のお湯は、その地質的性格から無色透明の硫酸塩泉が多いわけですが、このお湯もその種類にカテゴライズされるものの、湯船に浸かったときに感じられたフィーリングの上品さは、周辺の他温泉では得られないものがあり、とても感激しました。
4 【栃木県 塩原温泉(古町温泉) 民宿本陣】
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私が今年宿泊した温泉宿でも、こちらは居心地の良さが屈指でした。全ては古き良き昔ながらの応接を身につけていらっしゃる大女将のおかげではないでしょうか。お風呂自体はポリバスなのですが、そこに注がれるお湯の質感が実に上品であり、また芳しい匂いや重曹泉的な清涼感と泡付きもあり、すっかりお湯が気に入って宿泊中は寝る間を惜しんで何度も入浴しちゃいました。
5 【福島県 幕川温泉 水戸屋旅館 白濁の露天風呂】
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旅館内の内湯や露天風呂はさておき、駐車場の奥にひっそりと佇むこの露天風呂を初めて目にした時には、あまりの神々しい美しさに思わず歓喜の声を上げてしまいました。ミステリアスなお湯の色の美しさもさることながら、実際に入浴した時に感じられたサラサラスベスベな浴感も素晴らしく、できることなら一日中、ずっとここでのんびり過ごしたかった…。
東日本編
十傑紹介の途中ですが、ここでは、十傑には含まれなかったものの、それに匹敵するくらいに良い印象を残してくれた温泉たちをピックアップしていきましょう。
【山梨県 玉川温泉(再訪問)】
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甲府盆地のモール泉的な温泉はいずれも私のストライクゾーンど真ん中なのですが(トータス・ふかさわ・山口・初花など)、今年入浴したところで挙げるならば、この玉川温泉が筆頭になります。滝のような大量の源泉投入により、浴室全体が常時洪水状態になっている光景は、何度見ても圧巻です。
【宮城県 鳴子温泉 農民の家 3号泉】
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私が個人的に鳴子温泉の「九龍城」と称している「農民の家」は、増築に増築を重ねた結果、館内構造がカオスと化しており、そんなカオスの中にいくつもの浴室がバラバラに位置しているのですが、その中でも今年入浴した「檜の湯」のお湯に使われている「農民の家3号泉」が神秘的なエメラルドグリーンを呈していたことに驚きました。硫黄のお湯ですので、コロイドの状況によって変色するのは当然だとしても、普段は白濁であるはずのお湯がこんな綺麗な、ドリフのコントで使えそうな、明瞭なエメラルドグリーンに変色しているだなんて、俄に信じられず、その魅惑の色彩にすっかり心が奪われて、体が完全にのぼせ上がるまで、このお湯に浸かり続けてしまいました。
【秋田県 下の岱温泉 やまの湯っこ】
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いつ行っても湯船は激熱ですし、お風呂自体もいまいち冴えませんが、お湯のヌルヌルは日本屈指であり、中山平温泉のうなぎ湯と双璧を為すといっても過言ではありません。もうちょっと皆さんからフューチャーされても良いと思うんですけど…。
【青森県 婆沙羅温泉】
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浪岡周辺の温泉はモール泉的な特徴を有していることが多いのですが、とりわけこの婆沙羅温泉は黒湯の濃さが他の追随を許さず、モール泉らしい浴感もはっきり有しており、私は浪岡で一番好きな温泉でした。また金気の強い水風呂も実に爽快でした。しかし、残念ながら年明け早々の2014年1月5日に閉館してしまうそうです。
【青森県 鯖石温泉(再訪問)】
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この温泉も、何度入ってもその都度感動できちゃう秀逸なお湯の一つですね。お湯の質や投入量も素晴らしいのですが、農作業用のコンテナを浴槽にしているプリミティブな浴室も大きな魅力の一つであります。
【北海道 鶴居村 鶴居ノーザンビレッジ HOTEL TAITO】
(来年掲載予定)
北海道では十勝川温泉を始め、帯広周辺、白老周辺、千歳周辺、そして釧路湿原縁辺部などでモール泉的な性質を有する温泉(あるいは鉱泉)が湧出していますが、中でも私は釧路湿原縁辺部に点在するモール泉がとても好きです。こちらは日帰り入浴で利用したのですが、お湯のクオリティが良いのはもちろん、浴室や露天風呂の居心地も良く、ここで宿泊しなかったことを後悔しました。ついでに申し上げますと、ここで食べられるソフトクリームは絶品です。
6 【北海道 磯谷温泉】
(来年掲載予定)
道南・亀田半島の知る人ぞ知る秘湯でありますが、私が行った時には、たまたま先客が浴槽と引湯樋を組み立ててくれていたので、その先客のご好意に甘えて入浴させていただきました。雨に濡れた紅葉を目にしながら浴びる白濁の硫黄泉は最高でした。
7 【北海道 標茶温泉 味幸園】
(来年掲載予定)
濃厚で熱いモール泉は最高です。ここに限らず、標茶や鶴居など釧路湿原縁辺に点在するモール泉は、私個人としては北海道遺産に選ばれている十勝川温泉よりもクオリティが高いのではないかと思われます。何しろモール泉の産出基盤となる当地の泥炭は、世界遺産の釧路湿原によって生み出されたものですからね。
8 【北海道 からまつの湯(再訪問)】
(来年掲載予定)
養老牛の「からまつの湯」にはもう3~4度目ほど訪れていますが、何度訪れてもここは好きです。管理が行き届いているおかげで、いわゆる他の野湯ほど不衛生ではありませんし、かと言って人の手が過剰に入っているわけでもなく、野趣と人為の絶妙なバランスがとれているように思うのです。湯加減も素晴らしく、お湯の清らかさも文句ありません。もちろん傍を清冽な沢が流れる原生林に囲まれた自然環境も最高です。また先日訪れた時には終始独占できたので、そんな状況もより一層好印象をもたらしたのでしょう。
9 【青森県 下風呂温泉 旅館さつき荘(リニューアル後)】
(来年掲載予定)
リニューアル後の「さつき荘」で秋の某日に1泊してまいりました。結論から申し上げますと、今年宿泊した全ての宿の中でベスト1でしたよ。詳しくはここでは語りますまい。来年早々に記事にあげますので、是非そちらを御覧くださいませ。
10 【福島県 西山温泉 下の湯(再訪問)】
(来年掲載予定)
300湯に及ぶ2013年の湯めぐりの締めは、雪景色に覆われた会津西山温泉の「下の湯」で迎えました。西山温泉のお宿はそれぞれが個性的で魅力的ですが、私はこの「下の湯」に浸かると非常に心が落ち着くのです。宿のおばあちゃんも、相変わらず耳は遠いものの、昔ながらの実に丁重な接客をしてくださり、身も心も温まりました。
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今年は新潟県や山形県への訪問が少なく、これらの県の温泉は十傑やスポットライトに選出することができませんでしたが、来年はこれらの地域にも足を伸ばして偏重なく巡ってゆくつもりです(できたらいいなぁ…)。
本年もおつきあい下さいまして誠にありがとうございました。
みなさま、良いお年をお迎えください。