た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

2月22日!

2009年02月22日 | Weblog
 人類が目的を見失って久しい。地球という浸水しかけた小さな帆かけ船にぎゅうぎゅう詰めに乗り込んだ彼らは、何とか沈没を免れようと巨大な装置を船の中に作り上げた。結局その装置の重みで船は大海に没しようとしている。じゃあ何もするなと言うのか? われわれはただ大人しく船に揺られて行き先のない航行を続けろと言うのか? われわれはそもそも何のためにこの船に乗り込んだのか?
 人類はためらっている。船を降りるための岸辺は見当たらない。装置をすべて海に投げ捨てて元の帆かけ船に戻す勇気もない。彼らは少し憂鬱になり始めている。自分たちを元気づけてくれる次なる目的────進歩という大いなる目的に取って代わり、新たな航海の指針を与えてくれるはずの目的────も、いまだ見つけきれずにいる。 
コメント (4)
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