秋晴れに自転車が心地よい。爽やかに乾いた風を浴びながらペダルを漕いでいると、十歳若返ったような気がする。どこまでもこのままサドルにまたがって疾走したくなる。しかし仕事があるからそれも叶わない。職場に自転車を乗りつけると、秋晴れにさよならを告げて薄暗い建物に入る。すると途端に、腰痛持ちだったことを思い出す。いてててと机に手を突く。十歳余計に年を取った気分になる。
太陽は人を若返らせる。なんだかもりもりと栄養を得たような気になる。ひょっとしてそれは、太古、動物と植物が未分化だったころの名残か。
朝の珈琲を淹れ、デスクワークをしながら、もう、外に出かける用事がないかを考えている。