何だかひねりつぶされるような酷暑が続く。ただ家の中でじっとしているだけで頭がおかしくなりそうである。理性という、その存在を当然あるべきものとして想定してた自己自身に対する信仰が、薄靄のかかった意識の中で静かに瓦解していくのを感じる。どうにでもなれと思う。駄目だ。このままでは危険だと自己認識する。急いで氷水などを口に含むと、一瞬間、正常な思考に戻る。ああ、理性とはしょせん、摂氏数℃違えばかくも狂いが生じるほど脆く儚いものなのかと、暗澹たる思いに囚われる。
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