2011年2月4日(金)、一関市営松川住宅(一関市東山町松川字台148-1)に居住する知人を訪ねました。この日は「立春」、(暦の上で春に入る日)、朝からとても暖かな日でした。知人の家の近くの日だまりに生えているオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)が、ルリ色(コバルトブルー)の花を咲かせていました。
オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢) ゴマノハグサ科 クワガタソウ属 Veronica persica
ユーラシア、アフリカ原産の2年草。日本には明治時代中期に入り、日本各地に広く分布。日当たりのいい田の畔道や道端の空き地、あるいは川沿いの土手など、人が住む近辺でよく見かける。根元近くで枝分かれした茎は、それ以上には分岐しないで、茎を伸ばして横に大きく拡がる。茎の長さ10~40㎝。葉はほとんどが互生し、長さ7~18㎜の円形~卵状広楕円形で、縁には浅く丸みのある鋸歯がある。短いながら葉柄がある。
3~5月、上部の葉のつけ根に直径8㎜ほどのルリ色の花をつける。花を正面から見ると、コバルトブルーの花びらが4弁に分かれているように見えるが、背後は1つにつながっている。花の後方に緑色のガク(萼)があり、4つに切れていて、ガクの中央に長い柄がついている。花の真ん中には、雌しべが1つ、雄しべが2つある。
花後になる果実は中央が凹み、雄犬の陰嚢(いんのう)に似る。大きさは幅が6~7㎜。イヌノフグリより平たい。
仲間:「オオイヌノフグリ」Veronicadidyma var.lilacinaは、在来種のイヌノフグリ(犬の陰嚢)という名前に基づいていている。花の色はピンク色。江戸時代中期の本「物品識名(ぶっぴんしきめい)」や「草木図説」に登場する。花の後にできる実の形をよく見ると、雄犬の陰嚢(いんのう)に似ている。陰嚢を「ふぐり」と言っていたので、そのような変な名前がついている。
明治の中頃になると、ヨーロッパ原産のタチイヌノフグリ(立犬の陰嚢)Veronica arvensisが登場する。これは、イヌノフグリによく似ているが、花が青紫色で小さく、茎が立ち上がる。数年後、ヨーロッパ原産のオオイヌノフグリVeronica persicaが登場した。これはコバルトブルーの花で、やはり、イヌノフグリやタチイヌノフグリに良く似ている。タチイヌノフグリに比べて花が大きいということで、オオイヌノフグリという名前がついたという。いずれも似ているが、花の大きさ、色、立ち上がっているか否かで見分ける。
[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑1・春の花」&同「山渓名前図鑑・野草の名前・春」より]
http://blog.goo.ne.jp/pea2005/s/%A5%AA%A5%AA%A5%A4%A5%CC%A5%CE%A5%D5%A5%B0%A5%EA [peaの植物図鑑:オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%8C%E3%83%8E%E3%83%95%E3%82%B0%E3%83%AA [オオイヌノフグリ(ウィキペディア)]
http://www.sunfield.ne.jp/~oshima/ccd/haru7.html [ちょっとエッチなオオイヌノフグリ]
http://rokkoflower.cool.ne.jp/souhon/sub704.html [六甲山系の草本図鑑:オオイヌノフグリ]
http://www.mitomori.co.jp/hanazukan/hanazukan2.4.84ohoinu.html [オオイヌノフグリ]
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/ooinunofuguri.html [オオイヌノフグリ(大犬のふぐり)]