peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

ナガハシスミレ(長嘴菫)/テングスミレ(天狗菫)

2008年04月29日 | Weblog
奥州市「大師山森林公園」のナガハシスミレ(長嘴菫)
/テングスミレ(天狗菫) 2008年4月28日







2008年4月28日(月)、奥州市水沢区黒石(くろいし)にある大師山
森林公園に行ってきました。この公園には、公園内を満遍なく見て歩
けるように遊歩道が網の目のように整備されています。
この日は、公園案内図にある「水辺の道」や「あじさいの道」の方を
歩いてきました。大師山荘近くの道端と「あじさいの道」の脇に「ナ
ガハシスミレ(長嘴菫)/テングスミレ(天狗菫)」が沢山咲いていま
した。生えていたのは日陰で少し暗い所がほとんどでした。



















奥州市水沢区「大師山森林公園」のナガハシスミレ(長嘴菫)
/テングスミレ(天狗菫) 2007年5月5日




2007年5/5(土)、奥州市水沢区にある「大師山森林公園」に行って
きました。大師山は、標高243.5mの低山ですが、遊歩道が整備されて
いて歩きやすい所です。
この日「あじさいの道」から「大日如来の道」に移る辺りで、花の後
ろに突き出た長い距が目立つ「ナガハシスミレ(長嘴菫)/テングスミ
レ(天狗菫)」を見つけました。







ナガハシスミレ(長嘴菫)/テングスミレ(天狗菫)
スミレ科 スミレ属
Viola rostrata
草丈は10cm程度のものから、立ち上がって20cmほどになるも
のもある。葉は長さ2~5cmで先の尖ったハート形。色は濃緑色
で、やや厚くて光沢がある。越冬した根生葉は黒味を帯びる。
托葉はほかのタチツボスミレの仲間と同様、櫛の歯状に切れ込
んでいる。

花期は4~5月。花は直径1.5cm前後でやや平たい。花色は紫紅色
~淡紫色。タチツボスミレに比べると若干赤味が強い。唇弁の距
は長さ1.5~2.5cmで紫紅色~淡紫色。

花の後ろに突き出た長い距が目立つので「ナガハシ(長嘴)菫」
の名があるが、別名の「テングスミレ(天狗菫)」も距の形による。
距は単に長いだけでなく、様々な方向に曲がっているものが多い。
花弁の開き方にも特徴があり、正面から押しつぶされたような感じ
に展開する。花の中心部には、不明瞭な絞りが入るものが多い。

北米大陸の北東部と日本とに離れて分布している。ナガハシスミレ
と同じように、北米東岸と日本列島に共通する植物が多いことは、
古くから知られており、日本のナガハシスミレを北米のものの亜種
V.rostrata var.japonicaとして扱う見解もある。

日本では北海道南部、本州(島根県以北)、四国の一部、主に日本
海側に分布する。太平洋岸にも所々飛んで分布していることがあり、
隔離分布植物の片鱗をのぞかせている。

生育地は主に低山の乾き気味の落葉樹林下や林縁で、崩壊地などに
も積極的に出てくる。北アルプスでは標高1500m辺りまで、「ミヤマ
ナガハシスミレ」の形で生育している。

奥州市「大師山森林公園」のドウダンツツジ(灯台躑躅/満天星)

2008年04月28日 | Weblog
奥州市「大師山森林公園」のドウダンツツジ
(灯台躑躅/満天星) 2008年4月28日








2008年4月28日(月)、奥州市水沢区黒石にある大師山森林公園に
行ってきました。この公園は、有名な黒石寺(こくせきじ)の近く
にあって、いろいろな植物も豊富なので年に1回は訪れています。
黒石寺周辺を含めて「環境緑地保全地域」に指定されています。

国道343号線沿いにある黒石寺から50mも離れない所に大師山森林
公園へ行く道がありますが、大きな看板は木製のために朽ちて崩れ
落ちていました。




大師山荘を少し行った所のドウダンツツジ(灯台躑躅/満天星)が
大きな株をつくっていて、緑色がかった白い花をびっしりと付けて
いました。






奥州市水沢区「大師山森林公園」のドウダンツツジ
(灯台躑躅/満天星)2007年5月5日







2007年5/5(土)、奥州市水沢区にある「大師山森林公園」に
行ってきました。この公園は、国道343号線の出入口から林道
大師山線を600mほど進んだ所にあります。
ここの駐車場の一角に植えられた「ドウダンツツジ」が壷形の
白い花を枝いっぱいにつけていました。






ドウダンツツジ(灯台躑躅/満天星)
ツツジ科 ドウダンツツジ属 Enkianthus perulatus
山地に生える落葉低木で、高さ1~4mほどになる。車輪状によく
枝分かれする。葉は枝先に集まって輪生状に互生し、細い柄があっ
て、長さ2~4㎝の倒披針形で、先は急に尖る。縁には細かい鋸歯が
ある。
4~5月、葉が開くのとほぼ同時に長い柄をもつ緑白色の小花を枝
先に数個ずつ下向きに付ける。花冠は壺形で先はすぼまり、口元が
浅く5裂し、そり返る。長さは7~8㎜。雄しべ10本、花柱1本。果実
は狭長楕円形の果で、柄が伸びて上を向く。

春は花、秋は紅色に紅葉して美しいので各地の庭や公園に広く植え
られている。春の新緑は鮮緑色ですばらしく、刈り込みにも耐え、
よい生垣用樹である。ただ刈り込みすぎると、どうしても花つきが悪
くなる。 分布:本州(房総南部、天城山以西)、四国、九州

[以下、家の光協会発行「原色・山野木」(冨成忠夫・秋山久治著)より]
古くから庭に植えられている木であるが、自生地は東海地方、紀伊
半島、四国、九州の蛇紋岩の露出している所に限られている。この
ような特殊な地質の所にわずかに生えている植物がどうして園芸植
物として取りあげられたか、不思議であると同時に、このようなよ
い植物を園芸植物に取りあげてくれた古人の努力に感謝したい。

アブラチャン(油瀝青)

2008年04月27日 | Weblog
北上市国見山の「アブラチャン(油壢青)」
 2008年4月13日








2008年4月13日(日)、北上市稲瀬町にある国見山に登ったとき、
平和大観音像が建っている国見山の頂上近くで、花を沢山咲かせた
アブラチャン(油瀝青)を見つけました。この地域は「環境緑化保
全地域」に指定されているため、比較的良く自然環境が保全されて
いるようです。





奥州市前沢区・経塚山のアブラチャン(油瀝青)
 2007年4月29日






2007年4/29(日)、奥州市前沢区にある経塚山(きょうづかやま:
標高519.1m)に登りました。
遊歩道のそばには、まだ葉をつけない木々がほとんどの中にあって、
「アブラチャン(油瀝青)」と「クロモジ(黒文字)」が淡黄色の
花を沢山咲かせていました。







アブラチャン(油瀝青)クスノキ科 シロモジ属
 Parabenzoin praecox
山地の林内。春早く、まだ木々が芽を吹かないうちに山へ行く
と、よくこの花が目につく。「アブラチャン」の「チャン」は
瀝青のことで、枝にも果実にも油が多く、よく燃えることから
ついた名なのであろう。昔、果実から油をとり、燈油、頭髪用
の油にしたという。

渓流沿いなどに多い落葉低木~小高木で、高さは3~6mになる。
主幹がはっきり立たず、細かく枝分かれする。「ムラダチ」と
も呼ばれる。樹皮は皮目が多い。葉は有柄で互生し、長さ4~9㎝
の卵形または楕円形で先は尖り、葉柄は赤味を帯びる。

花期は3~4月。葉が出る前に淡黄緑色の小さな花がかたまって
付く。雌雄異株で、花被片は6個ある。雄花には雄しべ9本。雌花
には雌しべ1本と退化した雄しべがある。

果実は球形で直径8~15㎜ぐらいあり、10月ごろ黄褐色に熟す。
中に大型の種子が1個ある。雌木、雄木の両方がないと果実はな
らない。茶花としては古くから利用されているが、いわゆる花
木としては、まだほとんど栽培されていない。
 分布:本州、四国、九州

サトザクラ「ウコン(鬱金)」

2008年04月27日 | Weblog
北上市街地のサトザクラ「ウコン(鬱金)」
 2008年4月22日




2008年4月22日(火)、北上市川岸三丁目の市街地を歩いていたら
クリーム色と言ってもいいような黄色い桜が咲いていました。サト
ザクラの「ウコン(鬱金)」ではないかと思います。





サトザクラ(里桜)バラ科 サクラ(プルヌス)属
Prunus lannesiana var.lannesiana
狭い意味の「サトザクラ」はオオシマザクラ(大島桜)がもとにな
って、それにヤマザクラやオオヤマザクラ、エドヒガンなどが交雑し
たものを改良してできた品種の総称だが、一般にはサクラの園芸品種
の総称として使われることが多い。

サクラは交雑しやすい樹木のひとつで、古くから自然に交雑したもの
や人為的な交雑種から、多くの園芸品種が育成されてきた。また野生
種の枝がわりなどから選抜改良されてできた品種もある。

一般に樹高はあまり高くならない。樹形も様々だが枝が立ち気味のも
のが多い。萌芽時の新葉の色や葉の形質も様々である。2年生の比較的
短い枝の葉腋に花がつく。花は大きく、花弁の数は一重の5枚から、八
重の100枚以上のものまである。花の色もほとんで白色から紫がかった
紅色まであるが、淡紅色が多い。また黄色もある。通常八重桜とか牡
丹桜と呼ばれているものはだいたいこれだと思ってよい。

開花の早晩も品種によってひどく違う。成長パターンはソメイヨシノ
などと基本的には変わらない。節間が短い品種は、開花すると枝の先
に球状に花が集まって見える。開花期も品種によって早晩があるが、
ふつう花期はソメイヨシノやヤマザクラより遅く、4月中旬から下旬
にかけて開花する。ソメイヨシノのように花弁が散って花吹雪になら
ずに花の柄ごと落ちるものが多い。
ウコン(鬱金)バラ科 サクラ(プルヌス)属
Prunus lannesiana cv.Ukon
淡い黄緑色の花を咲かせる八重桜で、花の色がウコン色に似ていること
による。鬱金(うこん):カンナに似た草であるウコンの根で染めた色。
あざやかな黄色。うこんいろ。

なお、黄緑色の花を咲かせる桜には、ほかに「ギョイコウ(御衣黄)」
がある。

モモ(桃)/ハナモモ(花桃)

2008年04月26日 | Weblog
北上市街地のハナモモ(花桃)
 2008年4月22日








2008年4月22日(火)、北上展勝地の桜並木を北上川の対岸(右岸)
から見ようと堤防上を歩いていたら、民家の前に植えられたハナモモ
(花桃)が真っ赤な花を沢山咲かせていました。矢口の系統の「黒皮
(くろかわ)」ではないかと思います。
北上川を横切って沢山の鯉のぼりが泳いでいました。桜並木の後の方
には「男山」も見えました。このまま堤防上を行くと「ホテルシティ
プラザ北上」に着くようです。






モモ(桃)/ハナモモ(花桃)バラ科 サクラ(プルヌス)属
Prunus persica
中国北部原産の落葉小高木。果樹、花木として世界的に栽培されて
いる。高さは3~8m。葉は互生し、広倒卵形または楕円状披針形で、
縁には細かい鋸歯がある。花期は4月。花は直径3~5㎝で、葉が開く
前に咲く。花弁は5個が基本で、ピンク(桃)のほか、白、紅色のも
のもある。果実は7~9月に熟し、生食、缶詰などの加工品に利用さ
れる。

中国では古くから栽培され、ペルシャや小アジアを経由してギリシ
ャ、ローマへ、さらに地中海沿岸地方へ伝わった。ヨーロッパでは
かつてペルシャが原産地と考えられていたため、persicaという学名
がついている。

日本では古事記にモモの記載があるが、果樹として栽培されるよう
になったのは江戸時代以降のことで、現在のように果実の大きい品
種は明治になってからである。

食用のモモは山形県、福島県、山梨県、岡山県などが主な産地。
「白鳳」「大久保」など多くの品種がある。
ハナモモ(花桃)
果樹としてのモモ(桃)と区別して、花の美しさを楽しむために
栽培されているモモを「ハナモモ(花桃)」と呼んでいる。ハナ
モモの栽培が盛んになったのは江戸時代で、現在も「関白」「菊桃」
「源平」「矢口」など、江戸時代につくられた品種が庭木や切り花
用に栽培されている。

花には一重咲き、八重咲きがある。品種には花色のほか樹形が枝垂
れたり、ほうき状に伸びる品種もある。
園芸品種に菊桃、黒川矢口、照手紅(しょうしゅべに)、照手白
(しょうしゅしろ)、源平枝垂れ、残雪枝垂れなどがある。

「関白」は八重咲きの大輪で、白花の代表種。「寒白」とも書く。
「菊桃」は菊の花のように細い花弁が多数つく。「源平」は1本の木
に紅色と白色の花がつき、1個の花が紅白の絞りになることもある。
「矢口」は切り花用の代表的な品種で、温室で花を咲かせたものが
雛祭りに使われる。花はピンクの八重咲き、枝が長く枝垂れる品種
もあり、源平枝垂、残雪枝垂、相模枝垂などが知られている。鉢植
え用の矮性の品種もある。
[栽培]繁殖は実生、接木。[花期]3~4月。[果期]6~9月。