2012年7月20日(金)、一関市大東町摺沢の一関市立大東図書館(大東町摺沢新右エ門土手から100mほど離れた民家の庭に、鉢植えのテッポウユリが、白くて長い筒状の花を咲かせていました。
http://map.goo.ne.jp/map.php?MAP=E141.19.37.200N38.59.36.390&ZM=12&MT=%E4%B8%80%E9%96%A2%E5%B8%82%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E6%9D%B1%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8&from=ocn_Default&SH=&sw=9 [一関市立大東図書館(地図)
テッポウユリ ユリ科 ユリ(リリウム)属 Lilium longiflorum
日本(奄美、沖縄諸島)原産の耐寒性多年草(球根植物)。屋久島から南の琉球の島々にのみ見られ、台湾や尖閣列島にも自生する。日当たりを好み、自生地では主に海岸に近い所に生育している。背の低いクサトベラの群落の中などによく見られ、他の植物が生育できないような岩場の窪みなどにも生育する。
和名のテッポウユリは、昔のラッパ銃に似ている長い花筒の形状に由来し、学名も長い花の意味である。世界中で最も人気が高く、欧米ではキリストの復活を祝うイースターや冠婚葬祭に欠かせない花になっている。別名:イースターリリー、チャーチリリー。
花色は純白で長さ13~18cm、花筒の先がラッパ状に反捲し、普通3~6輪を横向きまたはやや下向きに咲かせる。花粉色は黄色。花被片の外側が茶褐色を帯びるものがあり、その濃淡にも個体差があって、中には蕾が茶色に見えるような個体もある。なお、’プリンス・プロミス’などの園芸種もある。
葉は広披針形で、長さ12~15cm、幅10~15mmで、30~70cmの茎に70~90枚つける。茎は緑ないし褐色で、青軸、黒軸と呼ばれ、黒軸には濃淡がある。球根は黄白色、球形で直径5~7cmになる。
切り花が大量に生産されているので、馴染みの深いユリだが、栽培されているテッポウユリのほとんどが、’ひのもと’という品種で、屋久島で見つけられた個体を増殖した純白、青軸、草姿のよい素晴らしい品種である。
栽培のし易いユリのひとつで、他のユリと違って秋のうちに発芽し、自生地の南西諸島では4~5月に開花する(本州では6~8月)。暑い夏の間を球根で過ごし、涼しくなる11月に発芽する。
栽培:日当たりと水はけのよい場所で育てる。球根を深めに植え、表土が乾燥しないように腐葉土などでマルチングする。植え付け:10~11月(暖地)、9~10月(寒地)。
テッポウユリ発祥の地:テッポウユリの自生地である沖永良部島は、球根の栽培も盛んにおこなわれている。島での球根栽培は、明治32年にイギリス人アイザックバンティング氏の指導によって始まり、平成10年に100年目を迎えている。重要な輸出農産物であったテッポウユリの球根生産は一世紀にわたって島の経済を支え、100周年を記念してえらぶユリ振興大会が平成10年4月28日に和泊町で開催された。開催に合わせ、同町喜美留(チビル)笠石海浜公園入口の県道脇に、永良部鉄砲ユリ100周年記念碑が募金により建設された。
[栃の葉書房発行「別冊趣味の山野草・ゆりを楽しむ」&西東社発行「色・季節でひける花の事典820種」より]