「自分探し」は、結局理想化された自分という幻想を
追い求めているに過ぎない、などと、昨日の続きを考
えて車を運転してても、決して面白いわけではない。
ということで、カセットから聴こえてくるイーノの
「Here come warm jet」(で良かったか)に耳を
澄ます。
Brian Enoのヴォーカルはやはり好きだ。
外は、季節外れの吹雪模様。
でも、積もるほどではない。
瞬間的な吹雪。
お腹もすいたので、どこかに寄ろう。
しかし、特別寄りたいところも浮かばない。
カレーにでもするか、と専門店があったことを思い出
した。
現地の人間がやってる店だ。
中盤省略。
ヒヨコマメのカレーを食べたが、前回(マトンのカレー
だが)は結構スパイスが効いて、本場っぽかったのだ
が、今回のヒヨコマメは、全くスパイシーさがなく旨
くなかった。
こくが無いカレーは、スパイスの鮮烈な香りがないと
旨くならないものだとよく分かった。
その後、T君のところ(カフェ)により、エスプレッソ
を飲む。
カレーの話をしながら、しばし流しているビデオ「ミツ
バチのささやき」を見る。
結局、後半30分ほどを最後まで見てしまった。
スペインの風景が、あまりにも魅力的で、ついついそ
の光と影の世界に引き込まれてしまった。
自分でヴィデオ持ってるくせに。
そして帰るとき、CDをいくつか借りる。
その中に「サティ」があった。
サティがブームになったのはいつだったか。
「3つのジムノペティ」なんか、名前は知らなくても聴
けば「ああ、あれか」とかなりの人が思うはずだ。
環境音楽のルーツはサティにある、と前々から思って
いるが、「乾からびた胎児」(こういう曲もある)な
どというタイトルをを付けるセンスも凄いね。
そしてその日の夜、というより夜中、ふと目が覚めて
NHKBsを付けると、そのサティの「3つのジムノペティ」
がかかっていた。
出だしですぐに判るのが「ジムノペティ」。
偶然を通り越して奇跡。
と言うほどのことではないが、そう思いたくなる「ジム
ノペティ」。
ところで、この「ジムノペティ」ってどういう意味なん
だ。
映像は、パリの風景。
サティの音楽にパリの風景。
環境ヴィデオに環境音楽。
あまりに...。