この前BSで、魅力的な映画が二本、立て続けに放映され
た。
平日の午後なので、早速録画することにした。
その映画というのは、三隅研次の「剣鬼」とゴダールの
「勝手にしやがれ」。
この三隅研次という監督は、晩年はテレビの必殺シリー
ズなども手がけた、職人的娯楽作家として知られている
のだが、当然のこと多くの作品を手がけていて、その多
さゆえか、中には全く印象に残らないものもある。
しかし、その逆の映画も同じようにあるという、ちょっ
と不思議な監督でもある。
普通、例えば「森一生」などは、娯楽作品であってもど
こか違うという、その監督ならではのセンスが出てくる
のだが、「三隅研次」の場合、全くセンスを感じないよ
うな作品もあるのだ。
同じ監督の作品か?と思ってしまうような落差があるの
だ。
多作の故か、とかモチベーションとかいろいろ考えるが、
よく分からない。
その不思議さが魅力だ、と思えないことも無いことも無
い、んどっちだ?
例えば、「市川雷蔵」と組んだ映画には魅力的なものが
多い。
つまり、1960年代のものだ。
「研鬼」もその頃の映画だ。
他には「大菩薩峠」シリーズなどもある。
雷蔵以外では、勝新太郎の「座頭市」シリーズなどもい
くつか手がけている。
実際「座頭市」も、その頃のが断然面白い。
特に最初の「座頭市物語」は必見だ。
そう言えば森一生も「座頭市」は撮っている。
「続.座頭市物語」、これも必見。
この頃は、日本映画に才能が集まっていたのかな。
単なる「昔は良かった」話ではなく、テレビ黎明期、映
画業界最後の盛り上がってた時期ということなのだろ
う。
あと三隅研次の映画では、「鬼の棲む館」という、殆ど
知られてない映画があるのだが、これがどうにもこうに
も魅力的な映画で(個人的に)、時代劇なのに登場人物
が殆ど三人という、掟破りの相当変な映画だ(つまり個
性的)。
テレビで是非放映してほしいと思うのだが、知る限りで
はやってない(と思うのだが)。
興行的に駄目であったろうことは、確信を持って言える
が、今だったら深夜枠にはうってつけだと思う。
掘り出し映画ナンバーワンなのだが。
と言いつつも、実はまだ「剣鬼」を見てないのだ。
ゴダールの「勝手にしやがれ」は3回ほど見たのだが、
二本同時に見ようと思ってるので、まだこちらの態勢が
ちょっとという状態なのだ、ということでもなく、単に
見る気が起こらない、つまりそういうことなのね。